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伊勢根付職人 梶浦明日香の『手のひらの幸せ』

今一度、原点回帰

今日は朝から師匠の工房へ。

10年修行して、もうこれからは自分ならではのものを生み出す時期だと独立はさせてもらっている。

けれど、まだ、実は習わずにとっておいた特別な根付がある。
ずっと、これだけはちゃんと師匠から学びたい、伊勢根付の職人として、師匠の一番弟子として、しっかり受け継いでおきたい根付。




蟇(カエル)だ。

お伊勢参りの土産物として栄えた伊勢根付にとって、カエルのデザインは特に特別な意味を持つ。
お伊勢参りから無事に帰れますように。
という願いが込められた、江戸から続く代表的なデザインなのだ。


だからこそ、何か特別な機会に習うために
習わないでとっておいたモチーフ。
昔、密着取材を受けた際に、
「今回初めて習うデザインを」
と言われて彫った丸ネズミ(これも伊勢根付を代表する)
もし次にそんな機会があった際には、カエルを彫ろうと残してあったのだ。
その後、海外に住んだり、コロナだったりで、なんとなく習う機会のないままここまできてしまっていた。


今、私は、進化しなければと思っている。
伊勢根付の職人として、何かを変えて進化をしなければ。

そのためにもまず、ちゃんと足もとの習っておくべきものをもう一度ちゃんと学んで、足元を固めてから進みたい。

今一度、原点へカエル!


※写真は師匠の根付です

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