初めて根付で賞を受賞した飛騨高山現代木彫根付公募展。
表彰式の日は雪が降っていて、朝早くから両親に車で会場まで送ってもらった。
車の中でいつのまにか眠っていて、ふと目を覚ますと車は山の中を走っており、
葉を落とした広葉樹の白く凍った木々の枝に朝日が当たって神々しく輝き、
パラパラと光るカケラが舞っていた。
真っ白な山全体が発光しているかのようで、
なんて美しいんだろうこんな美しい景色があるのか。
と感動しながら目を覚ました記憶がある。
童話の世界みたいだった。
なかなか完全に目を覚ませなくて動けず、
この景色を残しておきたいなぁと強く思ったのを覚えている。
あのあとなんとか起きて写真に撮ったような気もするのだけれど、
あれは夢だったか現実だったか。
雪の日に山の中を通過すると思い出す景色。
今日もあの日のように雪がチラチラ降るけれど、あの景色にはまだ出会えていない。
