よく、こういう特殊(?)な仕事をしていると
「自分はやりたいことがみつかりません。
どうしたらやりたいことが見つかりますか?」
と、聞かれます。
私も正直、やりたいことや趣味が多くある人ではないのです。
ずっと”仕事=趣味”な人で
仕事に関するあれこれが学べることが休日の楽しみで
あんまり趣味です、やりたいことです。
って言えるものはないのですが、
それでは質問の答えにならないので、
これまでずっと、
過去の経験から(参照)
「こんなに感謝されたことないっていうくらい
感謝されたことの近くにやりたいことがあると思います。」
って答えてきました。
それは、今も思いとしては変わっていないのですが、
それをもっと具体的に言うと
”自分が得意なことをより発揮できる環境に身を置く”
その環境を作ること、環境に移動することが
やりがいを感じられることになるんじゃないかなと思うのです。
私、お恥ずかしながら
人一倍、絵が得意なわけでも
工作が好きなわけでもなかったんです。
(今は結構好きですよ)
でも、私は
①人と違うことに価値を見出してそれを最高に魅力的に見せるのが得意
②人とは違うとっておきのアイディアを思いついてそれを形にするのが好き
③だれかの願いを叶えることに喜びを感じるし力を発揮できる
という特徴が小さい頃からあって
流行ってて、みんなが素敵だっていうものよりも
みんなが見向きもしないものを
”これ、こんなに素敵だ”
って、とっておきのアイディアでみんなに良さを伝えられたとき
すごくうれしいのです。
そして、誰かの願いを叶えてあげられるとき
とても喜びを感じるのです。
小さい頃から、
母はその特徴を見抜いてて
何かを私に頑張らせたいとき
「じゃあ、明日香がそろばんの試験合格したら
お母さん、ずっと欲しかったこのCD買おうかな〜。」
と、私に言ってくるのです。
そうすると、お母さんにそのCDを買わせてあげたくて頑張る。頑張れる。
いや、母は自分で買うんですよ。
普通に買えばいいのに、私が頑張らないと買わないっていう状況にするんです。
それが、私が力を出す一番の方法だとよく知っているんだと思います。
まあ、そういう性格だったので、
その特徴を大いに活かせて
①伝統工芸というあまり社会に注目されていないけれど、最高に魅力的な日本の宝をたくさんの人に知ってもらうこと
②凛九結成というアプローチ、根付の粋な遊び心など、今までなかったアイディアを思いついてそれを形にするのが好き
③伝統工芸が廃れてしまう。頑張ることで社会の、伝統工芸の職人さんの役に立てる
という意味で、
伝統工芸の職人であることにとても喜びを感じられるし
根付制作はいつもわくわくどきどきしていられるのです。
ちなみに今日は、先日お届けした作品がお客様のところに行って
今日から身に付けてくれているようで、
あの細工、気がついてくれるかな、
気がついてくれるといいな。
あのアイディア、気がついたときどう思うかな
など、ドキドキしております。
それが、最高に嬉しくて楽しくて。
答えは出ないのですが、気がついても言ってきてくれる人は少ないですし、
でもそんな密かな隠した技を、うふふと心のなかで楽しめることが
私にとっての根付職人の醍醐味です。
やりたいことの見つけ方って、
そういう自分の特徴を活かせる場所や
そこでの自分のもっていき方、なんじゃないかなあ。
自分の個性が、特徴が活かせる場所に身を置けたら
それが、結果的にやりたいことになるんじゃないのかなって思います。
朝熊山の金剛證寺には、
向かって左に牛の銅像、
右に虎の銅像がいます。
なぜか牛の銅像の上に福の神が。
こういう遊び心、
なにか思いがあって彫刻家が置いたんだろうなと
その謎を考えるだけでもうれしくなります。