2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。
★これがキューピット カラバッジオ パラティーナ美術館 ピッティ宮
『眠るキューピット』『カラバッジオ』1608年
見た瞬間、『カラバッジオ』なら天使もこう描くのか。
と思って納得しました。
この作品はマルタ島騎士団の『ニッコロ・デッランテッラ』の為に
描かれました。
彼が描くと写実的で、そこいらにいる子どもが寝ているかと見まごうばかりです。
それもあまり高貴な容貌をしていませんね。
翼を布団代わりにしてあたかも疲れ切っているような表情です。
彼は、この作品を描くにあたって、亡くなった子どもをデッサンしたと書かれています。
あまり写実的に描きすぎたので、近代の医学でこのモデルは
重篤な病気にかかっていたことが、わかってしまったほどです。
しかしどうでしょう、このキューピット本当に熟睡してますね。
そしてこの光の効果的な使い方、顔の半分はスポットライトに当てられた様に明るく映し出され、目の端から耳ににかけては闇に閉ざされ、耳がかろうじて見えています。
このキューピット、発注者は喜んで受け取ってくれたんですかね。
ただ、少なくとも『レオポルド・デ・メディチ枢機卿』は豪華な額に入れて
自分のコレクションに加えました。1667年のことです。
この枢機卿只者ではありませんね。