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受胎告知 レオナルド ウフィッッイ美術館 フィレンツェ

2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。

 
★受胎告知 レオナルド ウフィッッイ美術館 フィレンツェ


ウフィッッイ美術館 35室 レオナルド 受胎告知 





 『受胎告知』は、天使『ガブリエル』が『聖母マリア』に懐妊を告げに来る聖書の一場面です、『ルネサンス』時代によく描かれた題材で、先日『ボッティチェリ』の『受胎告知』をご紹介しました。

 本作が描かれた年代ですが、『ウフイッツィ美術館』の公式ガイドによっても、1475年から1480年とかなり幅広い書き方がされています。

 1475年ですとまだ彼は、『ヴェロッキオ』の工房にいた時代で、1480年には、すでに師匠の下を離れて独立して絵を描き始めた時代です。

 発注主は分かっていませんが、オリビエートの、『サン・バルトロメオ教会』のために書かれたことは事実のようです。

 描かれたのが、『ヴェロッキオ工房』時代なのかその後なのかは判然としませんが、工房時代の雰囲気をよく表している作品であるといわれています。それは、『マリア』が手を置いている書見台の基礎部分の装飾が、『ヴェロッキオ』が制作した、「サン・ロレンツオ教会」の、ジョバンニとピエロの墓碑のレリーフによく似ていることに象徴されるといわれています。

 私は本作を改めて見て、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』がこの絵を描いた意図がよくわかりませんでした、彼のほかの絵にある徹底した計算がこの絵からはあまり感じられないのです、遠近法は少しあいまいなところがあるし、背景もあまりよくわかりません。

 よく指摘されているように、聖母の腕の長さのバランスが悪く、聖母の表情も平板的です。

 『ウオルタ-・アイザクソン』はそのあたりを、『レオナルド』が「アナモルフォーシス」(歪像)と呼ばれる技法に挑戦していたのではないかと解釈しています。何かというと、正面から見ると歪んで見えるのに別の角度から見ると、自然に見えるという技法です。

 もしそうであれば、後に『最後の晩餐』で使った技法に見事に結実しているということになるのですが、どうなのでしょうか。

 実際にこうして、絵を見て、いろいろ考えて、本を読んだり資料をあたったり、とても楽しいです。

 

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