★五重塔 東照宮 日光 栃木県
『五重塔』は、慶安三年「1618年」に『若狭小浜藩 酒井忠勝』によって創建されました。
しかし、文化十二年「1815年」に火災により全焼してしまいました。
再建したのは『十代藩主酒井忠進』文化十八年(1818年)のことです。
パット見たときの感想は「奈良、京都のお寺の五重塔と比べると、各層の屋根がほぼ同じ大きさ」というものでした。後で調べると、建築技術が向上して、重量に耐えられるようになったから下を大きくしないでもよくなったとのことでした。
建物は、木を組み上げていく工法です、それで、高さが36メートルあります。
内部は空っぽ、吹き抜けになっているそうです。これも重量を軽減できる要素ですね。
つまりこの建物は、内部を利用するものではなく、外部を鑑賞するものなのですね。
そしてその吹き抜けになっている中心に心柱があります、この心柱固定されていません。
上から吊るされているのです、これは、長い時がたって、重みで塔身が縮んだ時に心柱が屋根を突き抜けないようにとの配慮、江戸時代の職人の素晴らしい知恵ですね。
さらに、地震の時にこの心柱が揺れることによって、地震の衝撃を和らげる『免震』効果もあるということなんです、日本にはこのような素晴らしい技術と知恵がたくさんあるのです、IT一辺倒にならずに、こういった日本の素晴らしい『モノづくり技術』に注目する必要があります。
それにしても色使いも日本の色ですから、原色に近い色でも朱、藍、黄檗それぞれの、自然の色を染料にして、鮮やかであれど派手に流れない趣です。これも日本の伝統的な色ですね。