★それぞれの色彩も素晴らしいサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂フィレンツエ
それではまたこの壁面美術館を散歩しながら見て歩きましょう。
その前に、昨日の宿題がありましたね、どうしてこんなにたくさんの両国や装飾物を作ることができたかということでした。
それは、14世紀から、〈毛織物産業〉を中心に、『フィレンツェ』やその周辺の都市国家で急速に産業の発達があり、そのために巨額の富を手にした豪商たちが現れました。
彼らは『アルテ』という産業別組合を作り利益を守り、発展していきました。
豪商たちは自らの力を誇示するために巨大な邸宅を競って作りました、塔も立てました。
その際に、邸宅を装飾するためにたくさんの彫刻やレリーフ、中には家具、美術品、絵画が置かれ、有名な芸術家に絵画や、彫刻、宝飾品などを注文することがステータスとなったのです。
ですからそれぞれの都市には、親方が工房を作り、弟子をたくさん抱えて、美術品を量産したのです。
そしてその中から、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』や『ボッテチェリ』などが出てきます、この人たちは能力があり、日々努力に努力を重ね、その上に何らかの強烈な運に恵まれ後世にその名を残したわけです。
その最後の運に恵まれなかった人も数多くいたはずで、その人たちは自分でも気が付かない名品を残していたはずです。
これまでにいろいろ彫刻を見てきましたが、その彫刻の素晴らしさもさることながら、建物全体の色使いの素晴らしさにも驚きます。
こんな巨大な建物に、彫刻があり、レリーフがあり、フレスコ画があり、文様があり、モザイクがありさまざまのものが混然一体となって存在しています。
そしてそれを大きくまとめているのが『色』だと気づかされます、建物を遠くから眺めた時には気が付かなかった色彩たちが、こうやって画像で切り取ってみるとそれぞれにグラデーションに生かされ、細かい装飾の模様に生かされ生き生きと浮かび上がってきます。
あなたも是非、時間を作って、この壁面散歩をしてください、きっと気に入った何かが見つかると思います。