このところロシアのウクライナ侵攻で、世界中から総スカンをくらって孤立しているロシア・プーチン大統領ですが、各国が世界大戦に発展しないよう今まさに懸命の努力をしている中、クラシック業界でちょっとしたさわぎが起きました。
「ロシア著名ピアニスト、キエフの電力遮断呼び掛け」
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ロシア著名ピアニスト、キエフの電力遮断呼び掛け 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
2022年3月17日に、ロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキーがテレビでとんでもない発言をし、世界中の音楽関係者や音楽愛好家たちがざわめきました。
「キエフはロシアからの電力供給を遮断してしまえば、一気に方が付くのでは?え?西側諸国?そんなのどうでもいいじゃん・・・」
こんな発言は到底、まとも人間の口から出る言葉ではありません。ベレゾフスキーは1990年チャイコフスキー国際コンクールで優勝した権威あるピアニストです。そのような人がまさかこんな発言をするとは・・・
冷静に考えてみれば、もちろん本人の意思ではなく、テレビ局側からそういった話を番組内でするよう求められてのことと想像できます。戦争で有名人や音楽家をプロパガンダに使うのは昔から常套手段ですから、知恵のある方々であれば簡単には信じないでしょう。
しかし、ヨーロッパ各国の反応は冷ややかでした。
プーチン大統領支持を表明したロシア人音楽家に対し、西側諸国は劇場締め出し、演奏停止、出入禁止、演奏配信サービス停止などの措置を講じました。(一部の劇場は容認)
ヨーロッパでベレゾフスキーと親交のあった音楽家たちからも「がっかり・・・」「今後縁を切る」「裏切られた」などの声が聞かれました。
辛辣だなと思うのは、ヨーロッパの音楽家たちがベレゾフスキーの音楽性や感性をも否定し始めたことです。
まるで「こんなやつの音楽を聴いてたら耳腐る」と言わんがばかり。
戦争は人の心までを引き裂くものなのだと、本当に胸が苦しくなりました。音楽は世界をひとつにするものではなかったか・・・