カルシャはふと目をあけたとき、背中に羽が生えていました。
目の前には大きな木があります。カルシャはその木を登ってみることにしました。と、いっても、よじ登るのではありません。はばたいてのぼります。
カルシャは飛ぶのは初めて。でも、思った以上にすいすいと体は浮かんでいます。飛ぶのに慣れてくると、今度は地に降りることが怖くなってきました。
カルシャはふらつきながらも必死で飛んでいきました。
途中、大きな木の枝がありました。太く、どっしりとしています。
ここで、ちょっと休もう。
カルシャは腰をおろしました。なんだかざやざわと声が聞こえます。ふりかえってみると、そこにはカルシャも通った高校が。懐かしい友達がみんなでこちらをみています。
見つかっちゃいけない。
なぜかカルシャはそう思いました。
連れ戻されてしまう。
そう、おもったのです。
カルシャは疲れ切った羽を再び動かし、上へと飛びました。
次の枝には誰もいないようでした。カルシャは初めてホッとすると、枝に腰掛けました。
それにしても、なんて静かな場所でしょう。入り組んだ枝が外と中を完全にさえぎり、光のみがもれてきます。
カルシャは上を見上げました。
なぜか木の先はトタンの板でさえぎられ、隙間から青空と雲がもれています。
もしかして、ここが、天国。
カルシャはトタンの屋根を破ると、はい上がってみました。
そこには、一面に広がる青い空と、足元には白い雲が浮かんでいました。しかし、それ以外は、なにもありませんでした。
人も、いませんでした。
お日さまがぽかぽかしています。
カルシャはぱたんと横になりました。
ずっと、ここにいたい。
でも、カルシャはとっても賢い子でした。 それができないことも、わかっていました。
おかあさんが、待ってる。
カルシャはふうん、とつぶやくと、もといた家に帰っていきました。
目の前には大きな木があります。カルシャはその木を登ってみることにしました。と、いっても、よじ登るのではありません。はばたいてのぼります。
カルシャは飛ぶのは初めて。でも、思った以上にすいすいと体は浮かんでいます。飛ぶのに慣れてくると、今度は地に降りることが怖くなってきました。
カルシャはふらつきながらも必死で飛んでいきました。
途中、大きな木の枝がありました。太く、どっしりとしています。
ここで、ちょっと休もう。
カルシャは腰をおろしました。なんだかざやざわと声が聞こえます。ふりかえってみると、そこにはカルシャも通った高校が。懐かしい友達がみんなでこちらをみています。
見つかっちゃいけない。
なぜかカルシャはそう思いました。
連れ戻されてしまう。
そう、おもったのです。
カルシャは疲れ切った羽を再び動かし、上へと飛びました。
次の枝には誰もいないようでした。カルシャは初めてホッとすると、枝に腰掛けました。
それにしても、なんて静かな場所でしょう。入り組んだ枝が外と中を完全にさえぎり、光のみがもれてきます。
カルシャは上を見上げました。
なぜか木の先はトタンの板でさえぎられ、隙間から青空と雲がもれています。
もしかして、ここが、天国。
カルシャはトタンの屋根を破ると、はい上がってみました。
そこには、一面に広がる青い空と、足元には白い雲が浮かんでいました。しかし、それ以外は、なにもありませんでした。
人も、いませんでした。
お日さまがぽかぽかしています。
カルシャはぱたんと横になりました。
ずっと、ここにいたい。
でも、カルシャはとっても賢い子でした。 それができないことも、わかっていました。
おかあさんが、待ってる。
カルシャはふうん、とつぶやくと、もといた家に帰っていきました。