小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

61.心霊住み込みはつらいよ。

2024-06-30 22:21:00 | 小説
 
 ようやく土曜の夕方になって、オミさんが友達のところに泊まりに行くと留守にしたので(きっと麻里華さんのところだと思う)、俺はオミさんの作業室とプライベートルーム以外のところをざっと掃除した。

 今度から掃除の時間はオミさんと相談しなければと思った。
 
 
 その後は洗濯したり買い出ししたり…

 簡単に夕食を済ませて、それからはこの家で心霊写真が撮れないか実験した。

 まずはこの前オミさんのが取れた 応接間。
 取り終えて ざっと見てみたが 霊らしきものは写っていない。
 パソコンの画面で見てみれば 違うかもしれない。
 それで 続けて オミさんの2つの部屋以外のところを撮ってみた。

 全部の写真をオミさんのお下がりの、仕事用のノート PC で チェックした。
 しかし俺の目では怪しいものは何一つ見つからなかった。

 これはオミさんたちに見てもらった方がいいのだろうが、 時間ないだろうな…

 明日は日曜なので仕事は休みだけれど、いくらオミさんがいい人でもやっぱり社長の家に住み込みというのは気をつかってしまってきつい。

 せめて同じ新人社員と2人で、というのであれば 違ったのかもしれないけれど。

 いや、華島さんの情報を掴むまでは気持ちを強く持たなければ…


 その後、家の写真を2人に見てもらったが、やはり何も見当たらないと言われた…


…そんな頃から少しして、北海道の母からの荷物が届いた。

札幌に置き去りにした俺の服と、みんなで食べてねと北海道銘菓 が入っていたが…

宛先住所が「神奈川県 M市」になっていたのだ。

 M市は端っことはいえ東京だから、地元 育ちのオミさんもカイさんもフクちゃんもみんな、仕事の間違いよりもこっち の間違いの方を怒っている気がする。

だから俺は 宛先の用紙を慌ててちぎって捨てた。


 駅の周りの繁華街の居酒屋が、今日の俺の歓迎会の会場だった。
ここで初めて俺はフクちゃんと会った。