お花屋さんで売られているような、深紅のバラではないでしょうか。
私も初めはそうでした。
それで、バラを育て始めた5年前の秋、
京成バラ園芸のカタログでひと目惚れして、ウィンショッテンという赤バラの大苗を送ってもらいました。
ウィンショッテンはビロードがかったローズ赤のバラで、
咲き始めは丸弁高芯咲き、咲き進むとボリュームのあるロゼット咲きになります。
素晴らしい香りで、フランス・ナントの国際コンクールで香りの大賞を受賞したこともあるとか。
その秋に始めて大苗を植え付け(8号鉢でした)、楽しみに春を待ちました。
翌年の春、初めて見たウィンショッテンの花の実物は、それはそれは見事で、
ゴージャス
惚れ惚れするような美しさ。
いくら眺めていても見飽きることはありませんでした。
また、近くによるとふくよかな香りが漂ってきて、うっとりさせられました。
私が今までに見たバラの中で、文句なしの一等賞だと思います。
そのころの住んでいたアパートには、洗濯物が干せる程度の小さなべランダしかなかったので、バラを育てる十分なスペースが無く、バラの鉢は小さなベランダの隅っこに追いやられていました。
でもアパートのすぐ脇の小道を通る人からは、その赤いバラがよく見えていたようで、
私がベランダでバラの世話をしていると、
通りがかりの人から時々「綺麗なバラですね」と声をかけられました。
人の目にとまり、持ち主の私に声をかけたくなるほど、存在感があり、人を惹きつけるオーラを持ったバラ。
ウィンショッテンはそんなバラだったのです。
大切にしていたバラ、ウィンショッテンにはウィークポイントがありました。
それはうどん粉病の被害を受けやすいこと。
私の浅い経験に基づく私見ですが、赤バラはうどん粉病に弱い品種が多いように感じます。
植えつけて1年め、ウィンショッテンの一番花が終わると、すぐに梅雨入りしました。
ジメジメとしたお天気のおかげで、新しく芽吹いた葉はすべてうどん粉病にやられました。
薬剤を散布するのは、ご近所への迷惑を考えるとためらわれたので、
ガーゼに薬液をつけて、葉っぱの一枚一枚の表裏を丁寧に拭ってやりました。
でも、うどん粉病をくいとめることはできませんでした。
ウィンショッテンは元気な葉を失ったことで生育が悪くなり、
大苗を植えつけてから3度目の春、ついに芽吹きをみることができませんでした。
その冬は例年にないほど厳しい寒さに見舞われたので、
うどん粉病で弱っていたウィンショッテンは、寒さ耐えられずに枯死してしまったのだと思います。
経験の浅い私には、ちゃんと育ててあげられなかったバラ…ウィンショッテン。
昨年、園芸店でウィンショッテンの新苗を見つけました。
懐かしさがこみあげ、心が動かされましたが、買うのはやめました。
また枯らしてしまうのは可哀想だから。
でも、あのうっとりするような姿と香りをもつ、ウィンショッテンに再び会ってみたいです。
ウィンショッテンの写真をアップしました。綺麗でしょう?
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