
写真をご覧ください。
お庭に、墜落したのです。
宇宙船です。
ぶぅぶぅは、こう言います。
『部屋の電気の傘や。壊れたから、ぶぅぶぅが変えたんや。』
300円払て、燃えないゴミの日に出すそうです。
べびたんも、始め、ぶぅぶぅの言葉を信じました。
るなちゃんの子供の夢をつぶしたらあかん思いました。
せやから、るなちゃんには、「それは、ゴミやで。」とは言いませんでした。
せやけど、どうも怪しい。
ぶぅぶぅは、なんや怪しい。
なんで言うたら、るなちゃんが見たからです。
宇宙人さんです。
るなちゃんくらいの大きさやそうです。
るなちゃんの説明で、べびたんはバイナンや思いました。
るなちゃんは、ずっとお外を眺めています。
どっちのお話が、正しいか。
るなちゃんが、嘘を言うはずはありません。
やはり、ぶぅぶぅが怪しいのです。
ぶぅぶぅは、昔、宇宙船に乗っていました。
アルカディア号です。
「君が気に入ったなら、この船に乗れ。」 言われたそうです。
ヤッタランをご存知?
それが、若かりし頃のぶぅぶぅです。
昔々、野原にきれいなお花が咲いていた頃です。
その関係です。 その関係で、何か隠し立てしてるんです。
べびたんは、ある夜、そない思いました。
そして、お当番の添寝を始めたのです。
みぃみぃが寝付きました。
『べびさん。べびさん。』 誰かが呼びます。
べびたんは、むっくりと起き上がりました。
るなちゃんです。
宇宙船は、もう治ったそうです。
あとはエネルギーだけなんやそうです。
べびたんは、合点がいきました。
すっくと立ち上がりました。
そして、電池のありかを教えました。
べびたんは知っていたのです。
使いかけの電池が転がっているところを。
べびたんは、目でものを言いました。
るなちゃんは、毅然とうなずきました。
あとは、るなちゃんにお任せしました。
そして、添寝に戻りました。
翌朝です。
傘のような宇宙船は、消えていました。
みぃみぃが尋ねます。
『ぶぅぶぅ、電気の傘ほかしてくれたん?』
『うん。300円のシール貼って今朝、持って行っといた。』
どこまでも、白を切るつもりです。
せやけど、ぶぅぶぅの話はどうでもよろしい。
問題は、宇宙人さんがどうなったかです。
べびたんは、こっそりるなちゃんに尋ねました。
るなちゃんは、べびたんにお礼を言うてくれました。
宇宙人さんも、何度もお礼を言うてはったそうです。
べびたんも、嬉しい気持ちです。
宇宙人さんは、ぶぅぶぅに運ばれたのです。
そして、無事、ゴミ捨て場から宇宙へ旅立ったのでした。
☆べびぃ☆