「陽気なギャングが地球を回す」は、おもしいとは何ぞや!? を判らせてくれた一冊です。
僕が今まで読んだ小説の中で不動の一位は、伊坂さん贔屓ではなく、本心から
伊坂幸太郎の
『陽気なギャングが地球を回す』です。
この本に出会ったおかげで、活字嫌いな僕が小説を読むようになりました。
これは、歩けなかったクララが立った事と同じくらい僕的には奇跡的な事なんです。
まず、何といってもセリフと言葉のセンスです。
小説という形態上、文字配列の魅力がその作品の総価値と言っても過言じゃない。
同じ話でも話す人の間、言葉選び、声のトーン、キャラクターで、おもしろさが全然違う。
それが絶妙で、まるで書き方がうまい。
まるで一本の映画を観ている様にスムーズに進んでいく。
あと、独特なキャラクターです。
普通に考えれば、〝こんな奴おれへんやろ〟と思うくらいディフォルメされたキャラだとは思うんですが、それを全く感じさせない。絶対にいる! まではいかないまでも、〝本当に日本のどこかにこいつらはいるかもしれない〟と思わせる文章力と描写力があります。こいつらがもし仙台でサイン会やってたら絶対に行きますからね(笑)。
そして、何よりかっこいい。
それは、作品としてもそうだし、キャラ全員もです。
本編でも「銀行強盗の検挙率は100%」だと言っているにもかかわらず、どうすれば銀行強盗を成し遂げられるか? という難題を、キャラの特性と、成瀬の計画力によって、納得させられる。こいつらが失敗する事の方が可能性として低いんじゃないか、と思わせるほどです。
まだまだ言い足りない。
伊坂作品の魅力は、なんと言っても巧みな伏線とオチです。(伊坂さん本人は、そう思われるのがあまり好きでないらしいですけど)
「陽気なギャング~」はまさにそれがうまい!
どんな作品でも、張り巡らされた伏線のいくつかはダミーであったりするんですが、伊坂作品は、張り巡らされた全ての伏線を最後に一本に繋げる。それが読者にとっては快感であり、痛快!
読後、「騙してくれてありがとう」と言ってしまうほど。
伊坂さんは、映画やドラマではできない、小説での面白さ、小説でできる仕掛けを書いていきたい、という事をおっしゃっていたんですが、まさにそれです。小説でないと無理な細工が施されているので、面白いけど、映像化できるんかなぁ、と思ってしまいます。
さらに、「陽気なギャング~」で才能を感じたのは、辞書の引用を伊坂さん流にアレンジを加え、伊坂さんの考える意味を付け足した表現。
例えば、
【火星】の説明文で、伊坂さんは、
「人口は地球の約二倍」
「文明度は地球と同等」
という箇所。
この遊び心が気に入りました。
小説にとって一番大切だと思うことは、またこの登場人物の活躍を読みたい! と思うことだと思います。伊坂さんの作品は、一応ミステリーというカテゴライズされるんで、好き嫌いはわかれるとおもうんだけど、伊坂さんは確実に今までの「ミステリー」という概念を破ってくれたと思います。
僕が今まで本を読まなかったのは、そういう決められたレール上をただ、小説は走らされているという感じを受けていたからでもありました。
伊坂さんは、それを打ち破ってくれた。
小説なんか読まなくても映画観ればいいじゃん! という僕の生意気っぷりを伊坂さんは、「陽気なギャング~」をもってして、小説のおもしろさ、小説でしか味わえない感覚を教えてくれました。
「陽気なギャング~」に出会ってから、伊坂さんの小説を読み漁るようになり、それから小説に興味を持ち始め、いろんな作家の小説をコンスタントに読むようにまでなりました。
小説が苦痛ではなくなったというのはある意味でリハビリ成功? だし、成長でもあります。ただ読まず嫌いだった可能性の方が高いですけどね(苦笑)。
でも、伊坂さんの作品に出会わなかったら、この先小説は読まなかったでしょうし、語彙力も低いままだっただろうと思います。
だから、そういう意味では、人生のバイブルと言っても過言ではないです。そして、感謝したいくらいです。
このブログで「小説レビュー」ができるのも伊坂さんのおかげという事になります。もうこの人はなんて影響力のある人だ、まったく。
機会があれば、ぜひ読んでみてください。
〝ハマる〟とはこういう事です。
僕が今まで読んだ小説の中で不動の一位は、伊坂さん贔屓ではなく、本心から
伊坂幸太郎の
『陽気なギャングが地球を回す』です。
この本に出会ったおかげで、活字嫌いな僕が小説を読むようになりました。
これは、歩けなかったクララが立った事と同じくらい僕的には奇跡的な事なんです。
まず、何といってもセリフと言葉のセンスです。
小説という形態上、文字配列の魅力がその作品の総価値と言っても過言じゃない。
同じ話でも話す人の間、言葉選び、声のトーン、キャラクターで、おもしろさが全然違う。
それが絶妙で、まるで書き方がうまい。
まるで一本の映画を観ている様にスムーズに進んでいく。
あと、独特なキャラクターです。
普通に考えれば、〝こんな奴おれへんやろ〟と思うくらいディフォルメされたキャラだとは思うんですが、それを全く感じさせない。絶対にいる! まではいかないまでも、〝本当に日本のどこかにこいつらはいるかもしれない〟と思わせる文章力と描写力があります。こいつらがもし仙台でサイン会やってたら絶対に行きますからね(笑)。
そして、何よりかっこいい。
それは、作品としてもそうだし、キャラ全員もです。
本編でも「銀行強盗の検挙率は100%」だと言っているにもかかわらず、どうすれば銀行強盗を成し遂げられるか? という難題を、キャラの特性と、成瀬の計画力によって、納得させられる。こいつらが失敗する事の方が可能性として低いんじゃないか、と思わせるほどです。
まだまだ言い足りない。
伊坂作品の魅力は、なんと言っても巧みな伏線とオチです。(伊坂さん本人は、そう思われるのがあまり好きでないらしいですけど)
「陽気なギャング~」はまさにそれがうまい!
どんな作品でも、張り巡らされた伏線のいくつかはダミーであったりするんですが、伊坂作品は、張り巡らされた全ての伏線を最後に一本に繋げる。それが読者にとっては快感であり、痛快!
読後、「騙してくれてありがとう」と言ってしまうほど。
伊坂さんは、映画やドラマではできない、小説での面白さ、小説でできる仕掛けを書いていきたい、という事をおっしゃっていたんですが、まさにそれです。小説でないと無理な細工が施されているので、面白いけど、映像化できるんかなぁ、と思ってしまいます。
さらに、「陽気なギャング~」で才能を感じたのは、辞書の引用を伊坂さん流にアレンジを加え、伊坂さんの考える意味を付け足した表現。
例えば、
【火星】の説明文で、伊坂さんは、
「人口は地球の約二倍」
「文明度は地球と同等」
という箇所。
この遊び心が気に入りました。
小説にとって一番大切だと思うことは、またこの登場人物の活躍を読みたい! と思うことだと思います。伊坂さんの作品は、一応ミステリーというカテゴライズされるんで、好き嫌いはわかれるとおもうんだけど、伊坂さんは確実に今までの「ミステリー」という概念を破ってくれたと思います。
僕が今まで本を読まなかったのは、そういう決められたレール上をただ、小説は走らされているという感じを受けていたからでもありました。
伊坂さんは、それを打ち破ってくれた。
小説なんか読まなくても映画観ればいいじゃん! という僕の生意気っぷりを伊坂さんは、「陽気なギャング~」をもってして、小説のおもしろさ、小説でしか味わえない感覚を教えてくれました。
「陽気なギャング~」に出会ってから、伊坂さんの小説を読み漁るようになり、それから小説に興味を持ち始め、いろんな作家の小説をコンスタントに読むようにまでなりました。
小説が苦痛ではなくなったというのはある意味でリハビリ成功? だし、成長でもあります。ただ読まず嫌いだった可能性の方が高いですけどね(苦笑)。
でも、伊坂さんの作品に出会わなかったら、この先小説は読まなかったでしょうし、語彙力も低いままだっただろうと思います。
だから、そういう意味では、人生のバイブルと言っても過言ではないです。そして、感謝したいくらいです。
このブログで「小説レビュー」ができるのも伊坂さんのおかげという事になります。もうこの人はなんて影響力のある人だ、まったく。
機会があれば、ぜひ読んでみてください。
〝ハマる〟とはこういう事です。