みなさんは「ポポー」をご存知ですか?
ポポーとは、北米を原産とする果物の名前。
実は、私も、知ったのは10年くらい前のことでした。
きっかけは、当時勤めていた職場で「食べて見るか?」って、いきなり差し出されたこと。
名前も実物も初めて。
でも、食わず嫌いの私は「食え」と言われれば、食用のものなら虫でも食べる。
まぁ、見た目はよろしくなかったのですが、味はほんとうに甘くてナイス!
ポポー・・・どこで食べられるのだろう・・・ずーっと気になっていました。
それから、秋が来て
栃木県那珂川町の道の駅ばとう内にあるジェラートショップで「ポポー」が販売されていることを確認。
しかし・・・その時はすでに売り切れ・終了。。。
また翌年・・・ということになり・・・時間が経過してゆきます。
その後、道の駅ばとうのジェラートショップ「武茂の郷」で無事に「ポポーのジェラート」を食べることができて満足していましたが
このポポー・・・なんと、那珂川町だけで食べられるものではないことを知るのです。
栃木県小山市。
道の駅「思川」にあるジェラートショップでも、完熟ポポーのジェラートを販売していることを確認。
実際の果物としての「ポポー」も、県内の直売所などで普通に販売されていることも後で知ることになります。
ポポーは食べたことがあります。
秋に直売所等に並ぶことも知りました。
でもね・・・買うことができなかったのです。
なぜって?
「私以外に、彼女も家族も職場の同僚も、みなポポーを食べない」のです。。。
栃木県といえば「しもつかれ」と同様、ポポーもまた「好き嫌いがはっきりする」食べ物なのです。
独特な香り、そして甘さ。
見た目があまりよろしくないようで、なかなか周囲でポポーを好き、という方を見かけたことはありません。
そんななか、2023年、ある事件が。。。
栃木県那珂川町の道の駅のポポーのジェラートは、早ければ9月、遅くても10月の頃に突如として現れ
気づいたら終了・・・という「まさに幻の果実」。
しばらくご無沙汰してしまったので、今シーズンは久々いただこうと、9月の下旬に道の駅ばとうのジェラートショップへ。
「すいません、今年はポポーのジェラートは・・・?」と尋ねると
店員さんが
「申し訳ありませんが、今年は卵の関係で作れないんですよ・・」って。
どうやら、以前の鳥インフルエンザの影響で卵の調達が難しく、今年の「ポポー」の販売はできなくなってしまった、という。
はぁ・・・コロナ禍以降、久しぶりに・・・って思ったら。。。
かといって、それだけのために、県南の小山市にある、道の駅思川に行くわけにもいかない。。。
!!!
そっか! ポポーの果実を買って、自分で食べればいいんだ!
そう思った私は
さっそく、10月1日㈰、直売所をめぐってポポーを買いに行くことに。
ルートとしては
さくら市➡高根沢町➡那須烏山市➡那珂川町
そう、このルートにはある「意味」が秘められているのです。
【さくら市・JAしおのや さくら直売所】
ありました!
※撮影は店員さんに許可を得て行っています。
先に立ち寄った「菜っ葉館」では取り扱いがありませんでしたが
JAではたくさん並んでいました。
ちなみに、この後に立ち寄った「JAしおのや たんたん直売所」(高根沢町)でも、同じ生産者の方のポポーが販売されていました。
そして
彼女の進言で急きょ、立ち寄ることになった、【高根沢町の道の駅げんきあっぷ村にある直売所】でも・・・
あ! ありました!
・・・で
ちょうどいいサイズがありましたので、ここでお買い上げ!
パックでいくつもあっても、なかなか食べきれないので、ちょうど1個で個包装されたものを買ってみました。
生産者は「高根沢町 みらい農園」とあります。
なお、次に立ち寄った、那須烏山市の直売所「こぶしっ子」では取り扱いがありませんでした。
さぁ、なんとか自分で食べる「ポポー」は手に入れました。
でも、やはり気になるんですよね・・・
9月の下旬、NHKやとちぎテレビ、下野新聞等に「ある方」が紹介されました。
那須烏山市の「石川さん」です。
ポポーの農園を管理されていて、いよいよ収穫が始まった、というニュース。
ジェラートで知ったように
ポポーといえば、那珂川町かと思っていたら
実は、那須烏山市にポポーを栽培されている方がいる!
・・・となれば
成っているポポーの実をこの目で見てみたい!
夕方が近づく、雨も降ってきたタイミングで那須烏山へ。
良ーく調べて行かなかったため、農園の場所を見つけられずウロウロ。
結局、電話で問い合わせて、案内してもらい農園へ。
あれじゃない?
クルマで到着すると、まずは息子さんが声をかけてくれました。
木々の枝に隠れるように実が成っていました。
奥に案内されると
石川さんが「テレビでポポーを知って、東京から電車で来てくれた」という若いカップルと記念撮影中。
そのカップルがお帰りになった後、一人になった私はご主人の石川仁一さんに案内され
もっともよく成っているという樹を求めて農園のかなり奥へ。
わぁ・・・
石川さん「これ! これ!」
雨が降る中、傘を押さえながら、枝をかき分けてくれたところを撮影。
若い樹はこんな感じ。
・・・・・・
最初に道に迷ってしまった、ナビが誘導する烏山線沿いには「石川工務店」がある。
ここは石川さんの「本業」の場所。
ここに、親の代からのポポーの木が植えられ、石川さんがそこから「種」をとってポポーの木を増殖。
那珂川に近い、この「ほ場」には現在1300本のポポーの樹があるという。
ここに、ほ場を増やしたのは7年くらい前。
休耕田を活用してポポーの木を植え始めたというが、周囲からは奇異な目で初めは観られていたという。
食べて見なよ
試食させていただく
うん、甘い。
「俺は計算ができないから、1グラム1円で売ってるんだよ」
後から買いに来たご夫婦に冗談のように笑いながら言っていた。
石川仁一さんです。
ポポーの木に「オーナー制度」もあるそうです。
そうそう、直売所で売っているポポーは「青い状態=実が硬い」ものを販売している。
これは「長く保存させるため」だそうで
ここ、石川さんの農園のポポーは「すぐに食べられる状態」の熟したポポーを販売しているという。
なぜなら・・・
「以前は摘み取り体験してたんだけど、勝手に硬いのもぎ取って、『こんなまずいものを』ってクレームがきたの。それで、摘み取り体験はやめた」そう。
現在は摘み取り体験をせずに、石川さんが、すぐに食べられる熟したポポーをあえて選別して販売しているから、熟して甘いのだという。
ちょっと触れただけで、色が変わってしまう、繊細な果物ポポー。
幻の果実、という由来は、衝撃に弱く、すぐに熟してしまい、なかなか市場に出回りにくいから。
私も、高根沢で買ったポポーはちゃんとパックに入っていたにもかかわらず、帰宅時には、皮が変色し始め、実が柔らかくなり始めていました。
これがいいんじゃない?
石川さんがチョイスしてくれたポポー。
201グラム。
今年は実が小ぶりなのが特徴であるが、甘みはかなり濃厚、とのこと。
ありがとうございます。
家でじっくり食べさせていただきます!
・・・・・・
ということで、実食。
まずは「石川さんのポポー」
ほんの数時間で熟れ始めました。
とにかく揺れなどにも弱いです。
翌日・・・
切ってみました
種です。
石川さんのポポー、品種名「レベッカゴールド」
1個に種は12個入っていました。
【高根沢町 みらい農園のポポー】
買った日
買ってから5日後
冷蔵しましたが、いい感じに熟しています
皮をむいてみます
熟したところは紅くなっています。
傷みが早いので食べごろの見極めは難しいです。
甘いねー
いくつ食べても飽きない(私はね)
ただ・・・ポポーは種が多いので、果実は意外と少ないです。
種の周りに白い袋状の部分があるので、これをくりぬいて種を取り
実は口の中で剥ぎ取るように種と分けていただきます。
種を含んだ状態で口の中へ
種だけ取ります
皮は薄いので、スプーンで削るように実を取ります。
みらい農園のポポーの種は1個あたり7粒。
品種は不明です。
ポポーの葉は黄葉するようなので
実が落ちた後、また機会があったら観に行ければって思います。
あと、春の花の時期にもね。
【那須烏山市の石川さんのポポー農園】
収穫は10月中旬ころまで。
農園での販売も可能。(ただし、摘み取り体験はしておりません)
場所はわかりにくいので電話で要問合せ
090-2753-7913
石川仁一さん