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素晴らしいスタートを切ったNHK大河ドラマ『べらぼう』!

ついに2025年度の大河ドラマ、『べらぼう~蔦重栄華乃夢囃』が1月5日から放送開始となった。1年は、まさに大河で始まり、大河で終わるわけだが、また新たな1年が始まったことを大河ドラマで実感する。今回は戦争の無い、平和な徳川時代の江戸中期を初めて大河で描くということで、かなり注目している。初回はかなり良いテンポで展開され、今後大いに期待が持てるような、ワクワクする内容であった。

主人公は江戸のメディア王と言われた蔦屋重三郎。あのTSUTAYAの由来・インスピレーションともなっているのが蔦重なのだ。当然ながら、江戸時代はラジオも、テレビも、インターネットもないので、メディアと言えば紙媒体。そんな時代に紙媒体であった狂歌絵本や浮世絵は今からは想像できないくらい当時の江戸に強烈なエンタメ性をもらたしたのだろう。ドラマの中で、世界最大の人口を誇った当時の江戸の活気みたいなものがどのように再現されていくのか、これからとても楽しみである。

僕はこの大河が決まるまで、蔦屋重三郎のことをあまり知らなかったので、少し調べてみたのだが、この人物は江戸中期から後期にかけて活躍した“版元”。江戸日本橋の版元として化政文化隆盛の一翼を担い、大田南畝、恋川春町、山東京伝、曲亭馬琴、北尾重政、鍬形蕙斎、喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽など多数の作家、浮世絵師の作品刊行に携わった人物なのだ。北斎や写楽は広く有名な存在だが、まさに多くの作家や浮世絵師などのアーティストたちの作品を世に送り出した“メディア王”だったようだ。

蔦重は、遊郭で有名な新吉原で生まれたとされる。吉原が寂れていく中で、何とか客を呼ばないといけないということで、まさにマーケティングの一環で出版物を企画していった。その意味では、まさにマーケティングの原点がここにあるのかもしれない。蔦重が最初に手掛けた、“吉原細見”というガイドブックを出版したことで有名となったが、これは吉原に点在する妓楼やそこに所属する遊女のランク付け、芸者や引手茶屋などを記した略地図などが掲載されるいわゆる風俗情報誌で、春秋の年2回刊行されていたらしい。安永4年(1775年)の秋からは、自ら『籬の花』と題した吉原細見の刊行を始めた。生まれも育ちも吉原だった蔦重が刊行する吉原細見は他の追随を許さない充実度を誇り、「蔦屋」の版元としての地位を確固たるものに押し上げた。

遊郭は多くの映画やドラマで描かれてきたので、なんとなく概要は理解しているつもりではあるが、改めてよくよく考えると何とも不思議で妖艶な世界である。所謂、風俗街だったと言ってしまえばそれまでなのだが、そこには単なる風俗街だけではなく、日本特有の文化と芸術という側面もあり、また華やかで強力なエンタメの世界という側面も大きかったのだと思う。そんな摩訶不思議な世界の中で、蔦重のようなメディア王が誕生し、次々と江戸時代を代表するアーティストをプロデュースして行ったという背景も実に興味深い。

蔦重を演じるのは、横浜流星。様々な話題作に主演し、本格若手俳優としてすっかり定着した感があるが、まさに満を持しての大河ドラマ主演で、彼の演技力にも注目したい。

他にも花魁役の小芝風花を始め、渡辺謙、高橋克実、伊藤淳史、愛希れいか、水野美紀、安達祐実、飯島直子、かたせ梨乃、安田顕、片岡愛之助、風間俊介、市原隼人、里見浩太朗、西村正彦、真島秀和、冨永愛、高梨臨、生田斗真、寺田心、石坂浩二、宮沢氷魚、原田泰造などなど。

そして語りが綾瀬はるかというのも豪華!大河ドラマならではの多彩で豪華な顔触れで、これからの展開が楽しみである。

蔦重はTSUTAYAの由来であると書いたが、今TSUTAYAも“蔦屋書店”として、書籍を中心に新たな作品をプロデュースしていることを考えると、江戸時代の歴史も様々な形で現代にも脈々と受け継がれているように感じられ、蔦重の物語も益々感慨深いものになるような気がしてしまう。これから1年間の放送が実に楽しみである!

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