blue deco design lab

モビテクチャーって何?

僕は建築デザインが大好きで、色々な建築物を見学したり、建築関連の本を見るのがとても好きである。本屋に行っても、必ずアートコーナー、映画コーナー、そして建築デザインコーナーには立ち寄って、最新の出版物をチェックしたりするのが趣味だ。

そして、いつものようにそんな趣味に浸っていたある日、偶々フラッと立ち寄った建築デザインコーナーで、『Mobitecture』(モビテクチャー)というタイトルの分厚い本を見つけ、思わず手に取ってしまった。Mobitecture(モビテクチャー)とは、Mobile Architecture (モバイルアーキテクチャー)の省略語では無いかと思うが、Mobileというだけあって、土地に根をはらない建築物ということで、モビリティーが住まいにも求められる時代になったようである。



僕がかなり前から興味を持っている建築デザイン領域のテーマとして、『Micro House』(小さい家、又は小屋)というのがある。Micro Houseとはその名の通り、自宅(一軒家)の庭の一角に置けるような1-3畳分くらいの小屋のことであり、“離れ“、”隠れ家”、”秘密基地“的な家族のユティリティールームとして、これからの時代日本でも必ず流行る!と思って、ここ数年注目している分野だ。全世界的に”モビリティー“や”エコ“というキーワードが台頭する中、Micro Houseはまさに時代のニーズに合ったプロダクトであり、ミニマリズム空間の有効活用と言える。日本人は元々狭いスペースを好み(広いスペースを取る余裕が無かったとも言えるが)、エコに対する意識が元々高かったという側面も有り、狭いながらも手に入れた我が家の庭に、ちょっとでいいから、何かゆとりのプライベート空間が欲しい、というのは誰もが興味を持つと思われ、Micro Houseは、価格次第では大変理に叶ったものなのかもしれないと踏んでいる。



Micro Houseは、世界中に様々なジャンルやタイプが存在しており、未来型の斬新なデザインのものから、さりげなくオシャレなものや、物置にも近い実用性重視のものまで用途も様々で、その呼び名もまた実に様々。以前のブログで取り上げたMicro Houseは下記リンクをご参照。

http://blue.ap.teacup.com/applet/bluedeco/201610/archive

欧米では一般的な子供向けの小さなプレイハウスもこの領域と交わり始めて進化しているから面白い。そういう意味では、ツリーハウスみたいなものもMicro Houseの原型として昔からあったということかもしれない。



今回見つけた『Mobitecture』もまさにこのMicro Houseの領域を取り上げており、小さな居住空間の設計事例を纏めた本に他ならない。“Mobitecture”というのは今までに聞いたことが無い新しい名称であったが、ここまでカタログのようにたくさんの事例を一同に集めた正式な本の出版も今回初めてでは無いかと思うので、思わず見て興奮してしまった。どうやら米国で出版された本の日本語訳版らしい。世界では、日本よりも先行してMicro Houseの世界が広がりを見せているのだ。



このMobitectureの領域は、小屋のような建築物だけでは無く、テントや蚊帳のような簡易的なものも増えており、自由に設置・撤去が可能なもので、ユニークなプロダクトも増えている。恒久的な建築物では無い為、価格もお手頃なものも有り、庭に設置するにしても自由度が格段に上がったと言えよう。本当の小屋的な楽しみとはまた少し違うのかもしれず、一長一短はあるが、この分野への注目と広がりを感じさせる動向である。



また、今回特にMobitectureという言葉に注目したいのは、この言葉が単なるMicro Houseに留まらず、“モビリティー”が含まれているという点だ。実際この本には車やバンを応用したようなMicro Houseなども多く紹介されており、いつでも移動出来る形態のものも今後増えて行くということである。日本でも“地震大国日本”という側面から今後更にこの点からも注目が集まるように思う。先日西日本の豪雨による災害の猛威を目の当たりにしたばかりだが、東京にもいずれは大地震が起こる可能性は高い。そんな時にいつでもヤドカリのように移動可能な、モビリティーのあるライフスタイル・住環境というのは関心/ニーズが益々高まってくると思われる。上記の通り簡易テント的なものも含めて、一種のシェルター、ライフカプセルとも言えるのかもしれないが、非常時の際に大活躍するャeンシャルを秘めているのではないかと感じる。今後の日本でのリスク管理ニーズも見据えて、最近はこれも新規ビジネス機会かと、そんなことも良く考えてしまう。

まずはこの本を詳しく堪能した上で、Mobitectureの世界には更に注目して行きたい。
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