blue deco design lab

建築好きにはたまらない番組!『矢作兼のキズキの建築』

10/19(土)にBSフジで、『矢作兼のキズキの建築』という面白そうな番組が放送されているのを発見し、思わず録画してチェックしてみた。矢作兼が出ている番組といえば『おぎやはぎの愛車遍歴』を毎週見ていることもあって、思わず反応してしまったが、何よりも僕の好きな“建築”というキーワードが入っていたことでも思わず反応してしまった。最近は結構BSの番組にハマってしまっている(笑)。

『矢作兼のキズキの建築』は、矢作兼が今注目されている建築家・谷尻誠と共にMCを勤める番組で、個性的で違和感のある建物(家、店舗、別荘、ホテルなど)を訪れて、「◯◯という考え方もあるのだ」と自分の固定観念とは違う生き方、アイデアを知り、さらにその建物を設計した建築家本人に「なぜこのデザインにしたのか?」と直接質問することで、これまでなかった新しい価値観を得るなど建築を通していろいろな“気づき”を得る番組。どうやら今年の5月に1回目を放送したようで、今回の放送が2回目らしいのだが、その意味では毎週やっている番組ではなく、不定期の番組らしい。

僕は建築が好きで、色々とユニークで斬新な建築物を実際に見るのも趣味の一つでもある。またこの趣味が高じて、自分の家である”blue deco”も基本的なコンセプトを自分でデザインし、設計士に図面を引いてもらい、自分の好きな自宅を建築してしまったほどだ。テレビ番組でいうと、もう長年『渡辺篤史の建もの探訪』は毎週録画して観ているし、今年からは武井壮がMCを勤めるBS TBSの『憧れの地に家を買おう』も欠かさずチェックしているので、建築関連の番組はどうしても好きで見てしまう。お城めぐりという趣味も、建築好きからきているものかもしれない。

10/19(土)の放送では、番組MCの一人でもある建築家、谷尻誠の新しいコンセプトで建設した自信の別荘、「いすみの家」と、建主の要望を全て叶えた上で建主自身も気づいていない「声なき要望」にまで答える建築マエストロ、西田司が設計した鎌倉・七里ヶ浜「丘の上の住宅」の2軒が紹介された。

「いすみの家」では必要ないものをできる限り排除し、自然、野生との融合を目指したコンセプトの別荘で、そのミニマリズムに徹した美しく・斬新なデザインは大変刺激的であった。外壁と同じ壁を建物の中にも取り入れ、また少し部屋を暗めな構造にすることで、外の景色が明るく、美しく見える工夫もされていた。

家は大きな池を望む立地にあり、小さなプールなどもあって、開放的なLDスペースを風が抜ける構造になっていることから、エアコンを設置しておらず、大幅なコスト削減が出来ていた。また谷尻誠の考える人の居場所、目線の高さ、景色の見え方、くつろぎの方法などまで考えられた“段差“がリビングにも設けられているのも大きな気づきとなった。

一方、もう一軒の「丘の上の住宅」は、「いすみの家」に比べると実用性の高い、現実的な家ではあったが、七里ガ浜を望む鎌倉の丘に建つ家で、360°の見晴らしを最大限に生かした「丘」の考え方に斬新なアイディアが詰まった設計であった。

この家を設計した西田司の考える建主の動き、生活、思考を想像し尽くした先にあるクリエイティブな発想が多く、例えば海の見える丘にある家だと、どうしても海に面した場所を広いテラスとリビングにしてしまいがちだが、この家は少し凝った形でテラスなどを設けることで、様々な空間や角度から海の景色を楽しめる構造。海風の抜け方なども考慮したテラスも設けられていた。更に、リビングの段差を少し下げることで高低差を上手く創ることで、景色を見る目線に変化が付けられており、テレビの設置面として、リビングの端に新たな壁が設置していたりと、かなり細かいところにも気づきのある家であった。

今回参加したMCの谷尻氏と、ゲスト参加した西田氏は、共に一流建築・設計士だが、それぞれの建築哲学には違いも多く、建築好きには大変興味深い対談内容であった。どちらが正しいということではなく、その土地の地形、環境、住む家族構成、何を優先させるか、何を大切に考えるかなどによって、実に様々な“解”あるのが建築の面白いところでもある。

個性的で違和感のある建築物には、建築家の“考え方”や“生き様”、つまり「哲学」が詰まっていた。実際その住宅を設計した建築家と一緒に訪れることで、単に形や見え方、機能性だけではなく、多くの“キズキ”を経験できる素晴らしい番組であった。矢作兼のMCも面白く、ぜひこれから月1放送くらいの定期的な番組となることを期待したい。

コメント一覧

onscreen
BSのこういった番組に興味が湧くとは、よほどの番組企画好きですね(笑)

テレビ界では「建物探訪」「リフォーム夢家族」「ビフォーアフター」etc... 住まい系?!企画 は 結構な歴史がありますよね!
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