今回プチ旅行で訪れた山梨県/石和温泉で、とても刺激的なブランドと出会った。それは一ノ瀬瓦工業という、地元で1916年に創業された老舗瓦会社なのだが、この会社が瓦の新たな可能性を現代に問うデザインコンセプト、“icci KAWARA PRODUCTS”という名のブランドを立ち上げているのだ。一ノ瀬なのでicciというのもなかなか可愛いトランスフォメーションである。
icci KAWARA PRODUCTSとは、石和温泉駅から徒歩15分くらいの場所に瓦素材を使った食器や置物などを販売する小さな瓦グッズショップとオフィスに加え、オシャレなカフェとレストランとなっていた。この場所は、一ノ瀬瓦の工場や焼き窯があった場所らしい。
オープンテラスが気持ちいいカフェでは、いぶし銀に輝くホットサンドイッチとオリジナルコーヒーを注文。素敵な環境の中でゆっくりとした優雅な時間を楽しむことが出来た。
そしてショップでは、こちらのりんごの形をした瓦素材のオブジェを購入。本物のりんごと同じくらいの大きなで、しっかりとした重量感があってリアルな形状である。そこそこの値段がするのだが、“いぶし銀のりんご“に思わず憑りつかれてしまい、瓦素材のりんごという質感と手触りにもすっかり魅了されてしまった。
他にも素敵な食器などのコレクションが多く展示されていたが、山梨県出身の茂手木美和子さんがプロダクトデザインディレクターをしているらしく、とても素敵なコレクションであった。
瓦は、優れた屋根材として1400年もの間、日本の住宅や建物を支えてきた。炭素でによって発色された銀色はまさに“いぶし銀”の輝きで、日本の家や、それこそ僕の大好きな城の美しさを支えてきたのである。しかし、近年は大都市部を中心に、日本全国で瓦屋根の家も減ってしまっており、瓦企業や瓦職人もどんどん減ってしまっているのが実情だろう。
日本の伝統的な瓦を次世代に継承しようと、瓦の新たな可能性を追求すべく立ち上げたこのブランド。瓦自体が元々持っている魅力、そしてその瓦を用いた斬新なデザイン性にも思わず共感してしまったが、旅行で出会ったクリエイティブなデザインに思わず刺激を受けてしまった。
僕は旅先でいつも記念になるグッズを思い出に1つ購入すると決めており、今回の旅行はこちらの瓦りんごをゲットしたが、また一つお気に入りのグッズがコレクションに加わった。