中森明菜が、昨日12月15日のラジオ、ニッポン放送『中森明菜のオールタイムリクエスト』(後5:30~9:40)で、復帰後初のラジオパーソナリティーを務めた。昨年も同じタイトルの番組がオンエアされ、中森明菜久々の肉声コメントが披露されたことで大きな話題を集めたが、今年はなんと肉声レベルではなく、事前収録ながら、本人がスタジオに登場し、多くのエピソードトークを繰り広げ、今回パーソナリティーまで務めてしまうという、明菜の完全復帰を願うファンには最高のクリスマスプレゼントとなった。
MCは、前回同様ミッツ・マングローブ、垣花正が務めた。スタジオで垣花さんが「去年、コメントをもらえただけで舞い上がっていた」、ミッツさんが「日本中、世界中が沸き上がった。その節はありがとうございました!」と直接感謝を伝え、「今夜は明菜さんがパーソナリティーです!」と紹介すると、明菜は「みんな聴いてくれてる?」とリスナーに呼びかけた。 リクエスト番組ということで、1曲目は明菜本人がリクエストすることになり、「私の歌じゃないといけないんですか?」と笑いを誘いながら『TATOO』を選曲し、スタート。
当日のライブ放送では、ミッツ・マングローブ、垣花正の2人が生リクエストに対応し、上記の通り中森明菜との会話部分は事前にスタジオで収録されたトークを多く挟みながら放送された。本当の意味での生明菜ではないが、それでもこれだけたくさんの中森明菜の肉声を聞くことが出来るのは相当久しぶりであり、とても貴重であったし、明菜の熱狂的なファンでもあるミッツだけに、かなり深い話にも触れられて、とても興味深いものがあった。
中森明菜の声は全盛期ほどではないものの、普通の会話レベルでは昔懐かしい中森明菜独特の低い声であまり変わってない感じもあり、時折高い声で爆笑してくれることもあって、とても元気そうな様子が確認出来たのは嬉しい限りだ。冒頭のトークでは、明菜さんの家にテレビあるんですか?地デジ化は済んでるんですね~とか、スマホを持っているんですか?などかなり辛辣(笑)な質問などが展開されたが、”携帯の薄いやつ(スマホ(笑))は2年ほど前から使っている”という話や、普段はあまり家から出ないのでテレビはいつも付けて見ているとのコメントもあった。一方で、ツイッターが何かは良く知らないみたいな話も(笑)。
その後も、“家の近くで買い物をする際に、現金じゃないとダメなところが多くて”みたいな、プライベート生活も少し伺えるようなエピソードも。更にリクエストでは“電リク“の話になった際に中森明菜が、“電話の前に立つのよ~”と言ったら、“今スマホだから、電話の前に立つとかないから(笑)”というやり取りがあったりして、中森明菜に突っ込みを入れていたのが面白かったが、当の本人もITにはかなり疎そうなコメントも連発して、結構リアルに当時のまま時間が止まったかのような、俗世離れした中森明菜の“今”を垣間見れた気がして面白かった。
音楽関連のエピソードとしても興味深いものが多数あった。例えば、リリース当時にファンからクレームが殺到し、賛否両論を巻き起こし、問題作となったアルバム『不思議』に関するエピソードトークもかなり面白かった。このアルバムは“明菜の声が聴こえない”、不良品じゃないかとの問い合わせが殺到したらしいが、確かに僕も当時リアルタイムで聴いて、“なんじゃこりゃ~!”と思ったのが懐かしい。この反動でその後のアルバム『Crimson』は、竹内まりやと小林明子により5曲ずつ提供したことで、素晴らしいシティーポップアルバムに仕上がった。中森明菜もこのアルバムが好きだというかなり貴重なコメントが聞けたのも嬉しい限りだ。ちなみに『Crimson』は竹内まりや作詞・作曲の『OH NO, OH YES』、『駅』が収録されているので、僕も大好きなアルバムだが、この有名な2曲に加えて、『約束』も今回オンエアされたのには感激。
また、アルバム『Wonder』(アルバム『不思議』の声がちゃんと聴こえるバージョンとしてリリースした異色アルバム)のジャケット撮影時に漆にかぶれたエピソードも披露されたり、90年代の始めにニューヨークに行った時のエピソードなども披露され、全編英語のアルバム『Cross My Palm』をニューヨークで録音したことなどについてのトークあり。当時『少女A』が嫌いで、ジャケット撮影の時も怒っていたとのエピソードトークも本人の口から聞けたのは貴重。4時間ぶっ通しで多くの中森明菜のリクエスト曲がオンエアされたので、それだけでも最高なのだが、ちょくちょく差し込まれた中森明菜のスタジオでのトークがいずれも本当に貴重な話ばかりで、中森明菜の全盛期から止まったままの時間が再び動き出したような感覚があって、ファンとしてはまさに感動ものである。
中森明菜は今年ファンクラブ向け限定ライブを開催したことで、いよいよ本格復帰に向けて歩み始めたこともあり、今年は記念すべき年となった。昨年までもNHKで特番や過去のライブ映像が放送が放送されて、高視聴率を記録していたので、復帰に向けた地ならしは少しずつ行われてきた。そして先日、香取慎吾のニューアルバムで『TATOO』をカバーした際に中森明菜もデュエットとして参加していることも発表され、2人でのレコーディングの模様なども公開されていた。今年の紅白で生歌唱で復帰かとの噂も絶えないが、少なくとも完全復帰とまではいかずとも、部分復帰に向けた準備は着実に進んでいるのがファンとしては嬉しい限りである。
番組の後半では中森明菜へのサプライズゲストとして、『夜のヒットスタジオ』の司会をされていた芳村真理さんからのコメントがあり、当時の貴重な話が聞けたことや、“また会いたい、会いたい、会おうね~”というラブコールが何度もあって中森明菜も感激していたが、芳村真理さんのコメントは事前に録音したものを紹介していただけなのに、まるでリアルタイムで対談しているかのような掛け合いに聞こえて、素晴らしかった。
4時間番組の中でリクエストでオンエアされたのは下記17曲。昨年のオールタイムリクエストに比べてると、今年は定番の人気シングルというよりもB面、アルバム曲など結構マニアックな選曲され、かなり聴き応えのある内容だった。
- TATOO
- 十戒
- サザン・ウィンド
- トワイライト-夕暮れ便り-
- 難破船
- Don’t Tell Me This is Love
- 愛撫
- 少女A
- Dear Friend
- TANGO NOIR
- Le Boheme
- 約束
- Rose Bud
- ミ・アモーレ
- ドラマティックエアポート(北ウィングPart2)
- スローモーション
- fin
また番組の中で、視聴者の皆さんからリクエストが多かった順位として、“リクエスト曲ベスト10”として発表された。それがこちら。どの曲も中森明菜を代表する名曲ばかりだが、やっぱりデビュー曲の『スローモーション』強し!僕も『スローモーション』、『セカンドラブ』、『北ウィング』の3曲は大好きだ。ツッパリ・クール系で言えば、『少女A』と『十戒』は思い出深い。
- スローモーション
- 少女A
- Desire
- セカンドラブ
- 北ウィング
- ミ・アモーレ
- 十戒
- 難破船
- 飾りじゃないのよ涙は
- サザンウィンド
昨年末に放送されたラジオでも、中森明菜の肉声が聴けたことで大感動したが、今年は一気にパワーアップして、肉声どころか、かなり長時間に中森明菜のトークを聞くことが出来たことは号泣ものであった。完全復帰まではまだ少し時間が必要かもしれないが、ぜひ生明菜にまた早く会いたいと強く思わせる素晴らしい番組であった。来年の放送はぜひ生出演して欲しいし、映像でも早くその姿が見れることを2025年は大いに期待しながら新年を迎えたいと思う。中森明菜、ありがとう~!