ブスで生きる

女の子は親からもらたものだけで人生の勝負がつく、と読んだ事がある。
8,5割・・・いや9割くらいは当たっているかもしれないけど、
資産はそうでも、美貌に関しては、タデ喰う虫・・なこともあると思うし、
年頃というのは「何でこんな選択を」ということもある（苦笑
それが１割？(-_-;)



以前ＴＶ見た「ビューティーコロシアム」に出ていた女子の容姿は、
正直　ブスという範疇ではなく、何が起きたんだろう、あれは特殊メークじゃないんだろうか、
顔が片方おかしな曲線で崩れて、歯茎はとんでもなく出ており、口は閉めることができない状態だった。
彼女の整形はほとんど工事だった。
切開　削る　縫合

ブスのくせに、という悪口にはまだまだ救いが余るほどある。
軽い悪口も言えないほどの醜さだと、人はその人が見えないように振舞う。



家族、友達、教師、誰も彼女を救う答を持っていない。
主人公が勤務先で逆ギレしたあたりから閉塞していた人生に穴があき、わずかな光が射しこんでくる、生きる目的が定まってからのスピード感にわくわくし、一気に読み進んで止まれない。


おまえ苦労してきたんだな、採用を断った風俗店の店長だけが彼女のこれまでの人生を想像してくれた。
処女のまま体を売ろうとしたのに、誰も買ってくれない。
やっと採用されたのがＳＭクラブのＭ役　工場の勤務でも風俗でも苦労の多い仕事しか与えられない。
顔のきれいな女はＳ（女王様役）　Ｓ、Ｍの区別がわかってないけど、合ってるかな。


風俗の給与をつぎ込んで顔のすべてを変える整形手術、そして美女誕生、これまで彼女にひどいことをしてきた人たちへの報復が始まる。

どんな程度のブスでもこんな気持ちになることはある。
自分がすごい美人だったら、こんな不愉快な目には遭わないだろうに・・・

このラストは悲しい。
もっともっといいことが起きていいはずだ。

解説の中村うさぎも良い。