ブッちゃんへ
4月8日は花祭り
お釈迦様のお誕生日です。
3年前の今日
ネ子ちゃんのお母さんは亡くなった。
愛する子を残したまま
大好きなお母さんが目覚めない
その瞬間のふたりの心境は如何許りかと。
ネ子ちゃんのお母さんも私もおひとりさまだから
この子たちを置いて死ねないね
頑張らなアカンね
なんて話してた。
なのにね。
入院するからとネ子ちゃんをお預かりしたのが7日。
1日で事態は変わった。
ひとりぼっちになったネ子ちゃんを
引き取ってくれる人はいなかった。
親族の方も友人の方も、皆自分の生活が大事。
保健所へという意見もあったようだ。
これが現実。
共通の知り合いを通して親族の方から
このままうちに置いてくれないかとのお話。
ネ子ちゃんのお母さんは
ネ子ちゃんが1~2年は暮らしていけるくらいの貯えがあったそうだ。
そういうことであれば今はそのような施設もあると提案してみたが、あまり気は進まないようだった。
要は金銭的なことと信頼性の問題だろうかと思った。
既に犬や猫を飼っているのだから一匹くらい増えたって大丈夫でしょう。
その場にいる皆が言葉にしないまでもそういう風に思っているようだった。
ワンコもニャンコも一緒に生活していると面白いし楽しい。
でも、そればかりじゃないからね。
当たり前のことだけど、ひとり増えるとお世話も増えるからね。
何も解っていないね。
新しい飼い主さんを探すという条件付きで
ネ子ちゃんはそのままうちにいることになった。
ただし、ネ子ちゃんにかかる費用
医療費、食費、ペットシート等雑費はお支払い頂く。
ここがすごく大事。
私は貧乏サラリーマンだ。
犬2匹猫2匹を飼う経済力など持ちあわせていないのだ。
エクセルで作成した支出明細を見てみると、
1年9ヶ月でかかった費用は約100万円、その8割が医療費だ。
これには乳腺腫瘍の摘出手術の費用も含まれている。
若く元気な子ならば、年に一度の狂犬病予防接種、混合ワクチン接種、フィラリア予防、健康診断代くらいで済むだろうけど、ネ子ちゃんは15歳だ。
かかりすぎなのかそうでもないのか私には判らない。
ただ、その時に必要と思われる治療をしたまでだ。
若くてもひとり暮らしでペットちゃんと暮らしている方は、自分に万が一の事があった時の事を考えて頂きたい。
ネ子ちゃんの場合も、ネ子ちゃんのお母さんに近しい方たちは全員引き取りを拒否した。
赤の他人である私が引き受けることが出来たのも、金銭的な負担をほとんど担わなくて済んだからだ。
犬ってこんなにお金がかかると思わんかった、と共通の知り合いが宣った。
あ~?
どういうこと?
こんなにって?
あんた犬飼ったことないやんね?
どんなんやと思ったん?
犬やから餌あげて散歩だけしてたらええと思ってたん?
餌言うな!
あんたも年一回会社で健康診断受けさせられるよねっ!
調子悪かったら病院行くよねっ!
おんなじやろがっ!
寒かったら暖房いれるよなっ!
暑かったらクーラーやろがっ!
おんなじやろがっ!
いや~・・・(・_・;)
当時の憤りが蘇った。
時々ね。
年配の男性がまだ若そうなワンちゃんを散歩させているのを見かけるの。
微笑ましい姿にニコッとなるけど
過ぎるのは、もし明日男性が亡くなったらあのワンちゃんはどうなるんだろうということ。
ご家族がいて、あとはみてくれる人たちがいるのだろうけど、
ついつい余計な心配をしてしまう。
ネ子ちゃんのお母さんは私より3つ年上で51歳で亡くなった。
私は他人事じゃないと思った。
ブッちゃんをおいて死んだらアカンと思った。
私はブッちゃんを亡くして辛くて苦しくて悲しいけど、看取ることが出来た。
ネ子ちゃんとネ子ちゃんのお母さんのことを考えたら、私たちは幸せなのかもしれないね。
ネ子ちゃんはうちにいても待ってた
お母さんが迎えに来てくれるのを。
私にはそのように見えた。
今はお母さんと以前のように楽しく暮らしているでしょう。
少し羨ましいなと思う。
それがネ子ちゃんの幸せ。
ネ子ちゃんのお母さんの幸せ。
暁美さん。
今日はあなたの好きな缶酎ハイを用意しましょうね。
呑みましょう。
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