こんにちは、長浜奈津子です🌸
寒春の三月。
それでも__ 若い芽がふきだしています。花や草木の腰がしっかりしてきました。
わたしはそろそろ、市川荷風忌の準備に取り掛かっています。本格的には四月からお稽古が始まります。
毎年、たくさんの永井荷風のファンの皆さまがお越しになりますが、今年も皆さんにお目に掛かれますことを、とても楽しみにしています。
昨年は「雪解」、父と娘のお話でした。
お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう。(本文より)
<第16回 市川荷風忌 (2024)「永井荷風と音楽 -菅原明朗との交流を中心に-」「吾妻橋」朗読>
さて、2024年 5月3日(金・祝) に予定されています、今年の市川荷風忌では…
「吾妻橋」を読ませて頂きます。
そして佐野仁美氏による講座は「永井荷風と音楽 -菅原明朗との交流を中心に-」
荷風に頼まれて、浅草の踊り子の楽屋へ連れていったのは、菅原明朗だったと聞きます。
荷風作品への作曲のことや交流について、とても興味深いテーマなので楽しみです!
第2部は、おとがたりによる永井荷風小説の朗読、どうぞ皆さんよろしければお越し下さい。
<「吾妻橋」について>
「濹東綺譚」のお雪さんのように娼婦で暮らしを立てている女性を描いています。
戦後の浅草が舞台になっていますが、主人公は「道子」という20代後半の女性。
隅田川に架かる、吾妻橋に毎晩立って客を引き、身を売っています。
道子はある時ふと、母の墓を建てたいと思った。空襲で亡くした父親と共に、両親の墓を建てたい。
/ 道子はふと松戸の寺に葬られた母親の事を思い起した。その当時は小岩の盛り場に働いていたため、主人持の身の自由がきかず、暇を貰ってやっと葬式に行ったばかり。それから四、五年たった今日、母親の墓は在るのか無いのかわからないと思うと、何やら急に見定めて置きたい気がして、道子は敷いた夜具もそのままにして、飯も食わず、明けた窓を閉めると共に、再び外へ出た。(本文より)
道子は、寺を訪ねてその住職に相談をします。このお寺は「中山法華経寺」という市川の下総中山の駅から徒歩10分ばかりのお寺です。
誰もが命を繋ぐのに精一杯、戦後の混乱期であっても、世の中から低く見られる…世を憚る娼婦が、両親を大切にして墓を建てて供養する、という孝心を書いています。
私の想像ですが、きっとモデルになる女性がいたのではないかと想像します。「濹東綺譚」のお雪さんもそうでした。
荷風先生が浅草の踊り子と一緒に、楽屋で賑やかに楽しそうに過ごしている写真がありますが、彼女たち踊り子や、娼婦たちなど、そんな女性たちの逞しさや人間的魅力、生きる力を荷風は描いています。
永井荷風の研究をされていて、評論家の川本三郎先生が、「吾妻橋」についてとてもわかりやすく、あらすじをご紹介して下さっているので、そのブログをご案内させて頂きます。
<お申し込み方法. =第16回 市川荷風忌 (2024)= >
2024年5月3日(金・祝) 第16回 市川・荷風忌
永井荷風と音楽 -菅原明朗との交流を中心に-
お申し込みは、市川市文学ミュージアムへお願いします。
お申し込みフォームや、往復はがき、でのお申し込み方法が書いてあります。
皆さん、最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございます!
<10年の歩みをまとめたサイト>
これまで市川荷風忌を中心に取り組んできた永井荷風作品と、公演チラシを並べた、一枚のページです。(資料が残っていなくて、載せきれていない公演もあります)
市川市のアート事業「ICHIKAWA ART CITY」で公開された、「濹東綺譚」の動画もご覧になれます。ご覧頂けましたら幸いです。
↓ こちらのサイトです ↓
<わたしの永井荷風関連したブログ>
<永井荷風関連のブログ:北海道編>