サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

リトグラフに挑戦/第二製版

2015年12月11日 | 他の作品いろいろ

リトグラフ入門、第2回です。
「元田先生、今日も宜しくお願いします!」
「あ、どうぞ宜しくお願いします」

「では、きのう塗布したゴム液を新しい生ゴムで溶かして、もう一度ゴム引きしましょうか」
「そんな必要あるんですか?」
「その方がいいみたいです。ボール状のウェスで乾拭きしましょう」

「次にプリントクリーナー(灯油でも可)で描画材を消して下さい」
「ハイ」

「次はエゲンラッカー(※)ですね~全体に塗布したら薄く均一に拭き上げます」 ※アルミニウム版用の製版補強材

「そして、次は…」
「チンクター(※)ですね!この2つはセットで使うんですよね」 ※画線の補強材
「そうです。よく覚えてますね~」
「へへへへ」

 

「ここで初めて水を使います」
「おっ、チンクターが溶け出しますね~なんか汚れてきましたけど…大丈夫ですか?」

「製版インクを盛れば、取れますよ。どれどれ…」

「お、お~」
「じゃあ乾燥させて、またラズン→タルクです」
「製版インクを固めちゃうわけですね」

 

「次、また水洗いです」
「え、またですか?しつこいな。この辺りの行程が面倒なのよね~オレ、どっか省いちゃいそうですもん」
「だから失敗するんですよ!」
「…」

「もし汚れがついてたら、ここで消したり削ったりするんですけど、今回は大丈夫そうですね~」

「エッチ液を塗布(※)して全面を水拭き、そして乾燥しましょう」 ※版の汚れの除去

「…乾きましたね。じゃあ、周りから全体にゴム引きして製版終了です」

「先生、ありがとうございました。明日も宜しくお願いしま~す!」

 

ホント、面倒な行程を経てようやく版が安定するリトグラフなのです。
さぁ次回は、いよいよ《刷り》編です!

本日のツーショット。

 

武蔵野美術大学6号館・リトグラフ工房にて

 

 

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リトグラフに挑戦。

2015年12月09日 | 他の作品いろいろ

プロ野球シーズンが終わり、ようやく自分のことができるようになりました。
自分のことってば、それは「に褒められたくて」シリーズ!
描きたい人、褒められたい人はまだまだいっぱいます。
しかも取材を終えてるにもかかわらず着手してなかったり、なんとも失礼な状態で伸ばし伸ばしになってて…
やろう。いま、やろう!

特定のアノ人に、気持ちを伝えるための版画です。
そして、そのプロセスこそが作品です。

というわけで、今回チャレンジするのは…

リトグラフ!

僕にとって、10数年ぶりのリトグラフ。うわ~…不安です。でも大丈夫。先生がいるから。
では、先生を紹介します。

元田久治センセ~ィ!

 「ハイ、よろしくお願いします」

僕は今、武蔵野美術大学の油絵学科版画専攻の講師をしているのですが、元田くんもその一人なのです。
チャンス!

この機、逃すまじ!というわけです。
僕は専門が銅版画なのでね。

自分の頭ん中を整理するためにも、その行程をご説明します。

使用する版は、アルミ版です。(表面を砂目状に研磨してあります)
描画材は、ダーマトグラフ(三菱鉛筆)と解き墨を使いました。
リトグラフは水と油の反発作用を利用するので、脂肪性の描画材を使います。

作業中の様子___



アルミ版中央の描画がダーマトグラフによるもの。その周りを筆で塗っていますが、それが解き墨です。

ジャ~ン!

これで描画終了。これ、誰か分かります?

 

さて、次に製版です。

描画した部分を親油性に、その他の部分を親水性にします。
この行程を経ないと、インクをのせたとき画面全体が真っ黒になっちゃいます。ゾ~

ここで使用するのは、
・ラズン(脱脂した松脂の粉末/青ラベル)
・タルク(ストンパウダー/赤ラベル)
・アラビアゴム(生ゴム)

描画部分に、ラズン→タルクの順番に軽く擦り込みます。

その上からスポンジで生ゴムを叩くようにして塗布。ウェス(ボロ布)で叩くようにして乾拭き。

これで第一製版終了。今日の作業はここまで。
このまま一日放置することで、描画していないところの親水性を高めます。

では先生、明日も宜しくお願いします!

 

本日のツーショット。

武蔵野美術大学6号館・リトグラフ工房にて

 

 

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ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」を解説します!

2014年01月05日 | 他の作品いろいろ

さぁ、2014年のスタートです。
正月早々ではありますが、展覧会あります!
僕にとっては「プロ野球ぬりえ」と対になるシリーズ「に・褒められたくて」展、at 銀座。銀座です!
銀座・並木通りに店を構える、版画専門の老舗・養清堂画廊 

ここではオーソドックスな展示が求められます。

しかし、一枚の版画ではなく、その背景を楽しんでもらう「に・褒められたくて」シリーズです。
どうしたって説明文が必要、というか、それも作品のうち。
ですが、ギャラリー内をガチャガチャさせちゃいけません。
大事なのは、“品格”。…だって銀座ですから!

そこで考えました。
解説の類いは、このページでやっちゃおう!と。

会場の所々には、このブログのアドレスが記してあります。
絵だけでも全く分からないような作品ではないので、このページを見なければ見ないでもよし。
でも知ってたら尚のこと楽しめます。

古い記事ゆえ、今以上に拙く、赤面ものの文章ですが、それもまたその時の自分。
作品にとっては重要なテキストです。
是非、作品と合わせてお読み下さい。


ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」

会期:2014年1月7日(火)~18日(土)11時から19時(最終日-17時) ※日祝休

場所:養清堂画廊
   〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-15  
   Tel.03-3571-1312

 ※ 11日(土)16時半~ レセプションがあります。“作品解説”します。是非いらして下さい!


【内容】

「に・褒められたくて」は、憧れのアノ人に会いに行き、写真を撮らせていただき、それを元に版画を制作、
2枚刷って再びお持ちし、1枚を進呈、もう1枚にコメントをいただくことで完成する、愛の版画シリーズです。
月刊『美術手帖』に連載(2010年8月号~2013年7月号)していた「に・褒められたくて」と、その前後に
制作した「に・褒められたくて」を一同に展示します。

 

以下は、描かせていただいた方々(制作順・敬称略)のテキストです。

 

■銅版画

吉田照美
1.ラジオは友達 
2.照美 
3.照美 1stステート 
4.照美 3rdステート 
5.アクアチント 
6.照美 4thステート 
7.照美 5thステート 
8.『やる気MANMAN』終了 
9.照美に褒められたくて 
10.照美に褒められたくて その2 
11.照美に褒められたくて その3 
12.続・照美に褒められたくて その1 
13.続・照美に褒められたくて その2 
14.新・照美に褒められたくて その1 
15.新・照美に褒められたくて その2 
16.新・照美に褒められたくて その3 
17.新・照美に褒められたくて その4 
18.三軌会出品 
19.人事を尽くして天命を待つ
20.照美に褒められたくて・征服 

野村克也
1.ノムさんに会うぞ 
2.野村セオリー絆刊行記念サイン会の御報告 
3.一回目の描画終了 
4.ノム 1stステート 
5.ノム 2ndステート
6.ノム 6thステート 
7.僕のキャンプも終了
8.ノムさんに褒められたか?

あがた森魚
1.あがた森魚に昭和浪漫をみる 
2.続・あがた森魚に褒められたくて
3.続続・あがた森魚に褒められたくて 
4.きゅぽら ぱあぷるへいず
5.あがた森魚に褒められたくて・完結篇 

ドゥシャン・カーライ
1.カーライさんとの対話
2.カーライさんとの対話 その2
3.チテカラ
4.チテカラ 2ndステート
5.ちてしゃん 5thステート 
6.不思議の国のカーライ その1
7.カーライに褒められたくて
8.不思議の国のカーライ、製版終了
9.続・カーライに褒められたくて
10.From FUSSA
11.続続・カーライに褒められたくて
12.続続続・カーライに褒められたくて
13.続続続続 カーライに褒められたくて
14.カーライに褒められたくて・完結篇

ヨルク・シュマイサー
そうだ 京都 行こう!
死と新生
続・死と新生
死と新生/完結篇

会田誠
会田誠に褒められたくて
窮鼠猫を噛むの巻
続続・会田誠に褒められたくて
続続続・会田誠に褒められたくて

鈴木慶一
鈴木慶一には褒められ、ないかもしれない
鈴木慶一に褒められたくて
慶一褒め、のつづき
続・鈴木慶一に褒められたくて

ホッピー神山
ホッピー遭遇記
リベンジ!ゴッドマウンテン

タケカワユキヒデ
アタック・タケ
続・タケに褒められたくて

ピエール瀧 
新作は、誰だ!?
ピエール瀧に褒められたくて

高田文夫「美術手帖(BT)2010年8月号」
松村邦洋(〃)
おすぎ「BT 2010年9月号」
KUMAさん(篠原勝之)「BT 2010年11月号」
一場靖弘「プロ野球画報」No.1「BT 2011年1月号」
唐十郎「BT 2011年4月号」
ヤン・シュヴァンクマイエル「BT 2011年5月号」
四谷シモン「BT 2011年6月号」
えのきどいちろう/綱島理友「BT 2011年7月号」
大竹まこと「BT 2011年8月号」
大林宣彦「BT 2013年5月号」

■シルクスクリーン

市川準「BT 2010年10月号」
上杉隆「BT 2010年12月号」
直枝政広(カーネーション)「BT 2011年9月号」
みうらじゅん「BT 2011年10月号」
ケラリーノ・サンドロヴィッチ「BT 2011年11月号」
山里亮太「BT 2011年12月号」
カンニング竹山「BT 2012年1月号」
春風亭昇太「BT 2012年2月号」
柳家喬太郎「BT 2012年3月号」
樋口真嗣「BT 2012年4月号」
蛭子能収「BT 2012年5月号」
ムッシュかまやつ「BT 2012年6月号」
大根仁「BT 2012年7月号」
田尾安志「BT 2012年8月号」
巻上公一(ヒカシュー)「BT 2012年9月号」
伊東四朗「BT 2012年10月号」
三遊亭白鳥「BT 2012年11月号」
渡辺祐「BT 2012年12月号」
東京ヤクルトスワローズ全選手「BT 2013年1月号」
武田鉄矢「BT 2013年2月号」

■鉛筆画

加山雄三
レッツゴー!若大将
レッツゴー!若大将 その3
加山雄三に褒められたくて

宍戸錠
サエキけんぞう/加藤賢崇/中嶋勇二「BT 2013年4月号」
電気グルーヴ「BT 2013年7月号」

_______________________________

 

P.S)8日、未発表だった『東MAXに褒められたくて』を追加しました!

※ 手前の新聞に “結婚 ユッキーナ フジモン”とあるのでその頃のもの。東さん、ありがとうございます!

 

_______________________________

 
P.S)9日。

さて、養清堂画廊は比較的分かり易い場所にありますが、一応ご説明しておきます。
有楽町方面から数寄屋橋交差点を渡り、晴海通り沿いの次の信号(並木通り口)を右折です。
目印は “マツモトキヨシ”。曲がると、こんな感じ…

写真の真ん中に見えるグリーンの看板が目印。
近づいてみましょう。

横文字で「YOSEIDO GALLERY」とあります。ここです!
JR有楽町駅から徒歩5分ぐらい。
地下鉄・銀座駅のB5出口からだと、僅か1分で着きます。
正面から見ると、

 こんな感じ。

右のショーウィンドーには、鉛筆画「レッツゴー!若大将/加山雄三に褒められたくて」が!
1Fは事務所兼商談スペース。
入口左の階段を2Fに上がったところが企画展スペースです。

ようこそ!

 

で、会場には、こんなものを用意しました。

「に・褒められたくて」閲覧用ファイル。カラー版とモノクロ版、2冊。
『美術手帖』の連載ページが展示順に並べてあります。
是非お手にとり、鑑賞の手引きとしてお使い下さい。

そして、お一人づつ個別のボードも。

 

これ、当初は作品の下に貼る予定だったのですが「ちょっとウルサイね」ってことで外しました。
これも、どうぞ持ち歩いて見て廻って下さい。

_______________________________

 
P.S)12日。

僕のもうひとつの銅版画シリーズ「大相撲・決まり手シリーズ」も販売しています。
15戦分、14種。
手軽に購入できる版画を、ということで用意した作品ですが、買っていくのは外人さんだけ…
っていうか日本人は絵を所有しなさ過ぎます!
“絵を所有する”ってイイですよ~
作者の次の展開に対する目が変わってきます。
作り手も、その目に対する責任を抱えて、次作に向かうわけです。
その関係が作品を生んでいくんです!
ということで、是非一家に一枚、ご購入を…
一枚、¥4,000-也。
宜しくお願いします~

 「上手ひねり」 イメージサイズ:11×10cm 紙サイズ:27×20cm

 「すくい投げ」 イメージサイズ:12×16cm 紙サイズ:27×20cm 

こういうのが 14枚、あります。

昨年末から続いた、ながさわたかひろ展も、残り一週間。
ここで弾みをつけて2014年は、グ、グ、グ~ンです!

皆さま、最後の最後まで、どうぞ宜しくお願いしまっす!!

 

 

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『マクベス』

2013年12月09日 | 他の作品いろいろ

Bunkamura シアターコクーンで上演中の舞台「マクベス Macbeth」
今回は舞台を客席のド真ん中に配した全方位型ステージで、いつものコクーンとは違う雰囲気。
(これならば、お値段の安い=僕らの味方=コクーンシートからの観劇でも充分満足できそう!)

今回、宣伝ポスター、真ん中のイラスト部分を描かせてもらいました。


長塚さんの意図するところをどこまで描けたか…ちょっと不安ですが、仕上がりはイイっす!
パンフレットの表紙にも、この絵が使われています。

 オ~

渋谷・文化村界隈でこのポスターを見かけたら、じっくり読み解いてみて下さい。
チケット、残り僅かだそうです。堤真一さんが、凄いッす!

 

 

そして、

やっぱり、

ながさわたかひろ展「プロ野球ぬりえ2013 ~新たなる希望~」も、どうぞ宜しく!

 

 

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ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」

2013年11月24日 | 他の作品いろいろ

只今、目前に迫った『プロ野球ぬりえ2013 ~新たなる希望~』展へ向けての準備たけなわですが、
そんな中、年明け早々に開催する、もう一つの個展のDMが届きました。


ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」

会期:2014年1月7日(火)~18日(土)11時から19時(最終日-17時)※日祝休
場所:養清堂画廊
   〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-15  
   Tel.03-3571-1312

 

養清堂画廊は、銀座・並木通りにある版画専門の老舗です。
一度小さい展覧会を開いてもらったことがあるのですが、今回はフロア全面。
版画家としては、いよいよ来たかという感じです。
養清堂のDMは決まったフォーマットがあるので、僕はタッチしていません。

届いた箱を開けてみると…

ジャ~ン!

宛名面は、

ほう…

ジッ~と見てたら、間違いがひとつ。
『美術手帖』の連載は、2011.8月号~ではなく、“2010.8月号~”です!ノ~

まぁ、でも、よしとしよう…
3年間、計36回の連載でした。
今回はその全ての作品と、連載前に制作した作品を未発表作も含め約50作、一挙に展示します。

以下、これまで描かせていただいた方々(制作順・敬称略)です。

■銅版画

吉田照美
あがた森魚
野村克也
ドゥシャン・カーライ
ヨルク・シュマイサー
会田誠
鈴木慶一
ホッピー神山
タケカワユキヒデ
ピエール瀧
高田文夫
松村邦洋
おすぎ
KUMAさん(篠原勝之)
一場靖弘(「プロ野球画報」No,1)
唐十郎
ヤン・シュヴァンクマイエル
四谷シモン
えのきどいちろう/綱島理友
大竹まこと
大林宣彦

■シルクスクリーン

東貴博
市川準
上杉隆
直枝政広(カーネーション)
みうらじゅん
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
山里亮太
カンニング竹山
春風亭昇太
柳家喬太郎
樋口真嗣
蛭子能収
ムッシュかまやつ
大根仁
田尾安志
巻上公一(ヒカシュー)
伊東四朗
三遊亭白鳥
渡辺祐
東京ヤクルトスワローズ(2012)
武田鉄矢

■鉛筆画

加山雄三
宍戸錠
サエキけんぞう/加藤賢崇/中嶋勇二
電気グルーヴ


以上。
当然ながら、全てご本人からいただいたコメント入りです!(嗚呼…泣)
レセプションでは、それぞれの作品が完成するまでの悲喜交々をお話しようと思っています。

 

12月~1月と個展が続きます。言わば、ながさわたかひろ祭!
「プロ野球ぬりえ2013~新たなる希望~」と「に・褒められたくて」、
この2枚のDMを一緒の袋に入れて、明日から順次発送していきます。
が、お察しの通り、懐具合がヒジョーに厳しい状況のため、何通ぐらい送れるものか…
この際です。ここを覗いてくれているだろう方々には甘えさせていただこうかと…
スミマセン! 届かないかもしれません!
その辺り、哀れな男を助けると思って、どうぞご理解下さい。

皆さま、どうぞどうぞ、宜しくお願いします!!!

 

 

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