私の名はティアル・チャスカ。母と同じ金色の髪を持つ。父はインカの王族。しかし、ポンチョひとつを残してみまかった。
街で銀色の髪を持つ男に出会った。彼の名はファン。
彼に誘われ、海事学校に入校した。そこで、操船や交易について学び、優秀な成績なら、ファンの船で彼の祖国へ連れて行ってくれるという。私の髪が疎まれない国へ。
1月1日
卒表以来はじめてファンに会える。
学校に通っている間、ファンはときどき私の住んでいる家に遊びに来てくれた。
男ばかりの学寮ではなにかと不都合が多いだろうと、ファンが街中に家を借りてくれていたのだ。そこには、夕食だけ作りに来る賄(まかない)のおばさんがいた。
だけど、最近は、ファンが遠縁にあたるエスカウンテ様の御用で海に出ていることが多く ちっとも会えなかった。
だからうれしい。たとえ、こちらから、無愛想な衛兵のいるお屋敷に伺わなければならないのだとしても。
街で銀色の髪を持つ男に出会った。彼の名はファン。
彼に誘われ、海事学校に入校した。そこで、操船や交易について学び、優秀な成績なら、ファンの船で彼の祖国へ連れて行ってくれるという。私の髪が疎まれない国へ。
1月1日
卒表以来はじめてファンに会える。
学校に通っている間、ファンはときどき私の住んでいる家に遊びに来てくれた。
男ばかりの学寮ではなにかと不都合が多いだろうと、ファンが街中に家を借りてくれていたのだ。そこには、夕食だけ作りに来る賄(まかない)のおばさんがいた。
だけど、最近は、ファンが遠縁にあたるエスカウンテ様の御用で海に出ていることが多く ちっとも会えなかった。
だからうれしい。たとえ、こちらから、無愛想な衛兵のいるお屋敷に伺わなければならないのだとしても。
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