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北条早雲 I 登場人物

2020-05-07 21:50:36 | 読書
富樫倫太郎の北条早雲1−5巻の1巻目を読む。
備中、今の岡山に生まれて、今日に出て31歳で駿河に行くまで。応仁の乱の時代。
京での出世は、この時代から生まれと、いかにうまく立ち回るかによる。
この時代の支配層と、市民の格差がよく分かった。

登場人物が多いので、まとめました。

鶴千代丸  主人公の幼名
(伊勢新九郎) 主人公 元服後
(宗瑞)    主人公 出家後
(早雲庵宗瑞) 主人公 隠居後
 
伊勢新左衛門盛定  主人公の父
時子        主人公、孫一郎、保子、亀若丸の実の母
伊勢貞親      時子の父で伊勢家の当代 盛定より2歳下
芳野        伊勢貞親の妻
伊勢貞宗      伊勢貞親の嫡子 貞親の次の当代
常盤        主人公の継母 虎寿丸の実の母
孫一郎       主人公の兄 主人公より5歳上
保子        主人公の姉 主人公より3歳上
亀若丸       主人公の弟 
(弥次郎)     亀若丸の元服後の名
虎寿丸       主人公の弟 
伊勢貞道      主人公の養子先
 
大道寺市松     主人公の従弟 主人公と同い年
(大道寺弓太郎)  市松の元服後の名
山中才助      主人公の幼なじみ 主人公より3歳上
(山中才四郎)     山中才助の元服後の名
在竹正太      主人公の幼なじみ 主人公と同い年
 (在竹正之助)   在竹正太の元服後の名
権介        盗賊退治に加わった幼なじみ
 (多目権平衛)      権介のその後の名
又助        盗賊退治に加わった幼なじみ
  (荒川又次郎)
片山三郎左衛門   常盤の世話役
山音        三郎左衛門 の妻で常盤の乳母
柴田邦右衛門    高越城の執事
房江        高越城の下女
源助        高越城の下男  房江の夫
 
門都普       山の民 クグツ
亜未香       門都普の妹
甫留手       門都普のばば
燕象        門都普の父
 
仁泉        法泉寺の住職
宗哲        修行僧 法泉寺で主人公と知り合う
宗順         京  大徳寺の僧
宗仁        宗哲の師
 
今川義忠       駿河の守護 保子の嫁ぎ先
栄保         保子の娘
龍王丸        保子の娘長男
小鹿範満       義忠の従兄弟
足利政知       小鹿範満を支援 堀越公方
上杉政憲       小鹿範満の祖父
太田道灌       扇谷上杉の重臣  小鹿範満を牽制 
九島源右衛門     龍王丸を支持する今川の重臣
三郎兵衛       源右衛門の長男
 
細川勝元       有力守護大名 はじめ義視の後ろ盾 東軍
山名持豊       有力守護大名 はじめ義尚の後ろ盾 西軍
骨皮道賢       細川勝元にかかえられた盗賊(足軽)
真砂         小笠原政清の娘
あんず         真砂につかえる女童
伊勢時貞       御物奉行 伽耶の父
伽耶         主人公の嫁  小笠原政清の姪
葉月         伽耶の母
鶴千代丸       主人公の長男 伽耶との間の子
 
足利義政
日野富子       義政の妻
足利義尚       義政と富子の子
義尋         義政の弟 出家していた時の名
(足利義視)     義尋 が還俗した名
 
荒木鷹之助      義政の御供衆
季瓊         蔭涼軒主 (土倉、酒屋などに影響力あり)
浄円         納銭方会所頭
 
仁左衛門       京で新九郎を警護した 40代の武士
彦三郎        京で新九郎を警護した 20代の武士
桔梗         京の羽林の湯の女童
海峰         京の羽林の湯で知り合った 土倉(金貸し)
お万阿        海峰の妻
 
六右衛門       京の貧民の元締め
斎藤新左衛門安元   扇谷上杉、道灌の軍師


 




ボローニャ紀行

2020-02-11 14:55:17 | 読書
井上ひさしがずっと好きだったボローニャに取材をかねて仕事で行けることになった。その時の紀行文。 井上ひさしは「吉里吉里人」しか知らなかったが、おもしろかった。
現地に着いていきなりスリにあうアクシデントあり。
まず、行ったこともなかったのに、憧れまで抱いていたことに驚き。 
世界初の大学ができた地であり、自治も優れている。 ナチスドイツへの抵抗運動で2千人以上の死者を出しても街を守った。 とにかく、自治は優れているが、ベルルスコーニのような人が首相になる国政とのギャップなど。 中田英寿が一時居たことくらいしか知らなかっとことが恥ずかしくなった。
イタリアに興味が出てくるおすすめの一冊。





 

銀の匙 のスローリーディング

2019-09-29 12:18:18 | 読書

銀の匙 中勘助

 1915年(大正4年)4月17日から6月2日まで後編全47回が東京朝日新聞で連載された。

本棚の引き出しにしまった小箱の中にある銀の匙をきっかけに、その匙を見つけた幼年期の伯母の愛情に包まれた生活を回想する。

 灘中学校の国語教諭の橋本武が一冊を3年間かけて読み込む授業を行っていたことでも有名。

 どこまでできるか分からないが、灘中学に通っているつもりになって、スローリーディングしてみる。

 

私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の抽匣《ひきだし》に昔からひとつの小箱がしまつてある。それはコルク質の木で、板の合せめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはつてあるが、もとは舶来の粉煙草でもはひつてたものらしい。

 粉煙草が入っていたコルク質の木でできた小箱

粉煙草は馴染みが薄いが、鼻の内側の粘膜に付着させてニコチンを摂取するタバコ。日本人にとっては怪しい感じもしますが、普通の紙巻たばこより遥かに長い歴史があります。読んで字のごとく香りを楽しむタバコです。英語ではSNUFF(スナッフ)と言います。ムーミンに出てくるスナフキンの名前の由来でもあります(スナフキン=嗅ぎタバコを嗜む者)手の甲の親指、人差し指の付け根のくぼみに適量(一つまみほど)のスナッフを載せ、鼻から吸引するのが一般的な摂取法です。この三角形の窪みは医学の世界では「解剖学的嗅ぎ煙草入れ」と呼ばれています。

 

なにもとりたてて美しいのではないけれど、木の色合がくすんで手触りの柔いこと、蓋をするとき ぱん とふつくらした音のすることなどのために今でもお気にいりの物のひとつになつてゐる。なかには子安貝や、椿の実や、小さいときの玩《もてあそ》びであつたこまこました物がいつぱいつめてあるが、そのうちにひとつ珍しい形の銀の小匙のあることをかつて忘れたことはない。

 

子安貝

タカラガイ科に属する大形の巻貝の俗称。殻は卵形で光沢があって厚く堅い。古くから、安産のお守りとされた。殷王朝(紀元前1600年~1046年)の時代には貨幣として使用された。ベトナム、モルディブなどでしか採れません。希少性と豊産を示すような形状などから宝物としても珍重された。

椿の実 

カチカチの固い殻に種が入っている構造になっています。種が成熟してくると、殻が三つに割れて、中の種がむき出しになって地面に落ちます。

 

それはさしわたし五分ぐらゐの皿形の頭にわづかにそりをうつた短い柄がついてるので、分《ぶ》あつにできてるために柄の端を指でもつてみるとちよいと重いといふ感じがする。私はをりをり小箱のなかからそれをとりだし丁寧に曇りを拭つてあかず眺めてることがある。私がふとこの小さな匙をみつけたのは今からみればよほど旧い日のことであつた。

 

さしわたし  あまり使わない言葉だが、直径の意味

5分  1尺=3.03cm   10分=1尺 よって5分は1.5cmくらい

 

さしわたし五分の円形の頭  かなり小さい匙であったようだ

 

 

 


夜のピクニック

2019-06-24 20:54:28 | 読書

夜のピクニックを読んだ

佐藤優が絶賛との情報あり、読んでみた。

夜を徹して全校生徒が80キロを歩くという、北高の伝統行事を題材にした小説。甲田貴子と西脇融の関係性を軸に話は展開する。

みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。というフレーズが出てくる。長距離を、しかも夜を徹して歩くという「非日常」に加えて、卒業を控えた高校生3年であるという刹那感。そうした状況全てが、登場人物の関係性、内面に徐々に変化をもたらす。大きな事件が起こるわけでなく、ただ少しずつ友人同士の関係性に変化が出てくる。

非日常の状況では、日常ではとても考えなかった様なことを考えたり、言えない様なことを言えたりする。なぜか分からないが、人は周りの環境、状況に影響を受けて、それが人生に大きな影響を知らぬ間に与えたりもする。

学年ごとに歩く団体歩行を終え、後半の自由歩行では、それぞれが「一番の友達」とゴールを目指すクライマックスに続いてゆく。

(夏休み明けくらいから、ずっと歩行祭のこと考えてるじゃん。考えてるっていうか、ずっとどこかで気に掛かってる。でも実際はたった1日で、足が痛いとか疲れたとか、文句言っているうちに終わっちゃうんだよな。)

と西脇融がゴール近くで呟いた。

しかし非日常の影響で何かが変わっても、それはあくまで非日常であり、その後にはまた延々と続く日常が帰ってくる。日常に帰ったときどうなるか、人はまた不安になったりする。

青春時代の、短い非日常を切り取って、その機微を見事に表現している。佐藤優の言うように、やはり名作だと思った。

 

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