このブログでは人権をテーマに、「5分からできる社会活動」を考えています。
(1) 記事やニュースに反応してみる
(2)新聞社にメールを送る
(3)企業の取り組みを調べてみる
(4)ネット署名
(5)リツイートで、がんばる人を応援
(6)寄付で、がんばる人を応援
(1)記事やニュースに反応してみる
たとえば朝のニュースを見たり新聞を読んだりして、何か言いたくなったとしますね。
そんなときSNSなどで意見を書き込みたくなりますが、けっきょく感情の垂れ流しで終わってしまいがちです。
そこで、まずネットで検索をかけて、問題となる記事を探し出します。複数のニュースサイトが見つかりますが、その中で一番まじめに書いていそうなものを選びます。
たいていのサイトにはTwitterなどの拡散ボタンがあります。これをクリックして、そのまま、あるいは一言コメントを添えてつぶやいておきます。
もちろんそんなことをしても、私のフォロワーなんてたかがしれてるし、人目に触れる確率は低いです。
しかしそのニュースへの反響数としてはカウントされるので、そのニュースに興味を持っているよというメッセージになります。
閲覧数やリツイート数が増えれば、世論の関心が高いテーマと認識され、さらにメディアに取り上げられることもあるかもしれません。
また、バッシングや誹謗中傷、差別的な意見が増殖しがちなネット上で、そのような書き込みに数で対抗するための参戦でもあります。心の中で思っているだけというよりは、意見を表明した方がマシだと思うのです。
(2)新聞社に意見を送る
とても重要だと思う記事を見つけたら、メールを送るんですよ。
たいていの新聞社はHPの中に、ご意見・投稿のコーナーがあって、そこからメールを送れるようになっています。昔は封書で送っていたのだから、便利になったものです。
といっても、私は別にこれといった立派な見解を書くわけではないんです。とにかく良い記事だ、重要な問題だと思う、このテーマを取り上げてくれてありがとう、みたいにヨイショするんです。
実は私、以前は新聞社に偉そうなメールを送っていました。「この問題に関して日本人もメディアも無関心すぎる。どうしてもっと取り上げないんですか。」みたいな。
今では反省しています。私が偉そうなことを言わなくても、ちゃんとメディアは動いていることがわかったからです。普段から散発的に記事を出しておいて、ノーベル平和賞なんかをきっかけに、一気に特集を組む、みたいなパターンもありますね。
そもそも私は普段から新聞をくまなくチェックしているわけでもないので、「この問題に関する記事が少ない」などと指摘できる立場ではないし。そもそも何もしていない人間が、苦労して記事を書いている人たちに偉そうなことを言える立場でもないし。記者さん達は遠くまで出かけていって、苦労して歩き回って、聞くのもつらいような話に耳を傾けているんですよ。
私がメールを送るのはたいてい、「聞きたくなかった、知りたくなかった、あるいは忘れていたかった話」を新聞が強制的に思い出させてくれたときなんです。
そんなわけで、謙虚にお礼を言うことにしたのです。(1)の話ともかぶることですが、記事に対する反響が多ければ、励みにもなるでしょう。世論の関心が高いテーマだと思われれば、継続的に取り上げられ、さらに世論を喚起することもあるでしょう。逆に反応が少なければ、みんなこういうことに関心がないんだなと失望され、あまり取り上げられなくなってしまうかもしれません。
(3)企業の取り組みを調べてみる
たとえば、2018年にムクウェゲ医師がついにノーベル平和賞を受賞されたとき、それをきっかけに紛争鉱物について調べてみました。
といっても、この時点ではすでに、紛争鉱物は(少なくともタテマエ上は)使われていないことになっており、どの企業のHPにもそのことは書いてあったので、取り組みについて実際に企業に問い合わせたりはしませんでした。
ただ、企業によってサイトへの気合いの入れ方は違います。詳しく説明している企業もあれば、いちおう形ばかり作ってお茶を濁している感じの企業もあります。
家電買い替えの際には、人権問題に積極的に取り組んでいると評価の高いメーカーのものを優先的に選ぶこともできるでしょう。
極端な話、各メーカーの環境や人権への取り組みに関するサイトにアクセスするだけでも、無駄ではありません。アクセス数は記録として残るでしょうから。「一応こういうページ作ったけどさ、たいして誰も見ないじゃん」などと思われてしまってはいかんのですよ。
(4)ネット署名
ネット署名の力というのは、なかなか侮れないようです。メーリングリストから署名のお願いがきて、それから間もなくメディアでその問題が取り上げられる、ということはよくあります。
当然のことですが、ワンクリック、指先ひとつ動かしただけで何かが変わるわけではありません。
署名を募った人たちが、集まった署名をあちこちに提出したり、メディアや議員に働きかけたりと、継続的にがんばっているわけですよ。そのとき、提出する署名数が多い方が心強いのではないでしょうか。ささやかながら、協力させていただきましょう。署名のあとはSNSなどで拡散すると、なお良いですね。
アムネスティのオンライアクションはこちら。
Azaazのサイトはこちら。
Change.orgのサイトはこちら。
過去のネット署名関連記事についてまとめたものは、ネット署名黎明期の話をご覧ください。
(5)リツイートで、がんばる人を応援
自分自身がツイートすることはあまりないのですが、良い取り組みを見つけたらなるべくリツイートします。
リツイート数が増えれば、関心を持ってる人、応援してる人がたくさんいるんだというメッセージになります。逆に「無関心」というものは、被害者には「見捨てられている」という絶望を、加害者には「黙認されている」という希望を与えてしまいます。
また(1)の話ともかぶりますが、バッシングや差別発言に対して、数で対抗しようという試みでもあります。
私はSNSを使うにあたって、個人的な交流用のものと社会活動用のものとでは、アカウントを分けています。人のメッセージを拡散する場合、いちいち知り合いに大量に送りつけるのはさすがに迷惑かと思いまして。こういうものは、興味のある人たちが見てくれればいいと思うんですよ。
ただ、善意のつもりで拡散したら、デマやフェイクやバッシングに協力してしまっていたということもあるので、リツイートといえども慎重にやるべきとは思います。
私は生の映像はあまりリツイートしません。本当かどうかわからないので。誰かの「意見」をリツイートすることが多いです。
(6)寄付で、がんばる人を応援
寄付というのは身銭を切るわけですから、なかなか気軽にできるものではありません。
私は「寄付は未来への投資」と考えることにしています。よりよい未来を作るという自分の夢のための、もうひとつの税金みたいなものです。常に有望な投資先を探すような気持ちでやると楽しいかもしれません。
昔から活動をしている老舗の団体は確実ですが、世界は常に変化し需要も変化しているので、新しい投資先も加え分散投資してみるのもいいですね。
あと確定申告すると、けっこうな額の税金が返ってきます。
最後に。
ハンス・ロスリングは著書『ファクトフルネス』で、社会が改善されていることをデータで確認しようと説きました。
それは「世の中はどうせ良くなるんだから放っておいてもいい」と思うためではなく、「今までの努力が実っているのだから、この努力を続けよう」と思うためです。
ごく普通の人間のちょっとした努力も、無駄ということはありません。小さな改善の積み重ねは、大きな改革にも匹敵すると信じます。
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