今日は雨です。
6:30頃から降り出しました。
その前に、散歩を終えていましたから、濡れずに済みました。
続いていた乾燥注意報も解消するでしょう。
老人性乖離
納骨を済ませ、「形見分けをしたい、僕の嘱託契約も後一年になった。来年の3月一杯で此処を引き払うので、君がいらなければ、総て処分する。」旨を、春菜に連絡を取った。春菜は「丁度良かった。」と、仏頂面をして渋々やってきた。そして、選別しながら言うのには、「私、結婚するの。」卒業と同時に結婚し、新しい戸籍で、新生活をスタートしたいのだそうだ。驚いて、「誰とだ。」と聞くと、「アンタの知ったことじゃない。」と端から聞く耳を持たない態度だ。式は、どうするのかと聞くと、届だけで済ます。相手が勘当同然なので、それでいいのだそうだ。「大丈夫かい。そんな相手と結婚して生活が成り立つの。」「アンタには関係ないでしょう。」と、闘争モードだ。春菜は一日でも早く、均の呪縛から、逃れたかったのである。それには、除籍が一番だ。結婚して相手の籍に入れば、簡単だ。そうなれば、明日からも、完全に他人なのだから、街で会っても簡単に声をかけないでくれと、ダメ押しされてしまった。次に春菜は保険金はどうしたと聞く。車両保険は、保険料の払い込みが完了していないから、契約は成立していない。保険金の請求等できる筈もないのだ。春菜は、一年分の保険料をも保子に手渡していたので、均がネコババしたのではないかと、思ったらしい。「あゝそれなら保子の財布にソックリあるから持って帰るといい。」「生命保険は無いの。有るでしょう。」と更に聞く。どうやらこれが本命らしかった。聖を受取人にして、保子に一千万の保険をかけていた。これは保子が親戚に借金している額に相当する。もし、保子に万が一の事があれば、聖に受け取った保険金で支払ってもらうための算段だった。聖は死んだ。誰が受け取るのかと問う。契約書には第二受取人として均の名前が記されていた。「ぼくだよ。」答えると、それに対して、疑義があるという。疑義と言はれても、契約は有効だし、保険料も均が払い続けてきた。だが、春菜は、聖と唯一血が繋がっているのは、自分だけだ。だから、保険金の正当な受取人は自分だし、母親の資産は、直属の自分しか相続できない筈だとも主張するのだ。均は争う気もしなかった。
6:30頃から降り出しました。
その前に、散歩を終えていましたから、濡れずに済みました。
続いていた乾燥注意報も解消するでしょう。
老人性乖離
納骨を済ませ、「形見分けをしたい、僕の嘱託契約も後一年になった。来年の3月一杯で此処を引き払うので、君がいらなければ、総て処分する。」旨を、春菜に連絡を取った。春菜は「丁度良かった。」と、仏頂面をして渋々やってきた。そして、選別しながら言うのには、「私、結婚するの。」卒業と同時に結婚し、新しい戸籍で、新生活をスタートしたいのだそうだ。驚いて、「誰とだ。」と聞くと、「アンタの知ったことじゃない。」と端から聞く耳を持たない態度だ。式は、どうするのかと聞くと、届だけで済ます。相手が勘当同然なので、それでいいのだそうだ。「大丈夫かい。そんな相手と結婚して生活が成り立つの。」「アンタには関係ないでしょう。」と、闘争モードだ。春菜は一日でも早く、均の呪縛から、逃れたかったのである。それには、除籍が一番だ。結婚して相手の籍に入れば、簡単だ。そうなれば、明日からも、完全に他人なのだから、街で会っても簡単に声をかけないでくれと、ダメ押しされてしまった。次に春菜は保険金はどうしたと聞く。車両保険は、保険料の払い込みが完了していないから、契約は成立していない。保険金の請求等できる筈もないのだ。春菜は、一年分の保険料をも保子に手渡していたので、均がネコババしたのではないかと、思ったらしい。「あゝそれなら保子の財布にソックリあるから持って帰るといい。」「生命保険は無いの。有るでしょう。」と更に聞く。どうやらこれが本命らしかった。聖を受取人にして、保子に一千万の保険をかけていた。これは保子が親戚に借金している額に相当する。もし、保子に万が一の事があれば、聖に受け取った保険金で支払ってもらうための算段だった。聖は死んだ。誰が受け取るのかと問う。契約書には第二受取人として均の名前が記されていた。「ぼくだよ。」答えると、それに対して、疑義があるという。疑義と言はれても、契約は有効だし、保険料も均が払い続けてきた。だが、春菜は、聖と唯一血が繋がっているのは、自分だけだ。だから、保険金の正当な受取人は自分だし、母親の資産は、直属の自分しか相続できない筈だとも主張するのだ。均は争う気もしなかった。