「しつこく」新×3もろもろ日記

今になって夫が「進撃の巨人」に興味を持ち始めました^^

闇の子供たち(江口洋介・宮崎あおい・妻夫木聡出演映画)※ネタバレややあり

2008年08月08日 | 映画・舞台
梁石日の長編小説を映画化。江口洋介主演。宮崎あおい・妻夫木聡
豊原功輔・佐藤浩市が脇を固める。2時間半とちょっと長めの上映時間。
レディースデーのせいか、結構混み合ってました。

内容は、タイでの「臓器売買」「幼児売春」について、というのは知っていましたが
実際見ると、予想していた以上にショッキングな内容で思わず目をそむけたくなるシーンもありました。
いつの時代も犠牲を強いられるのは弱い立場の子供なのだろうか。。
ラストに挿入されるカットを見ると改めて、「これでいいはずがない」という思いに駆られました。

報道に携わる者として、その場にいて被害者をなぜ助けないのか?という声もあるかもしれない。
しかし被害者1人を助けただけではその問題の抜本的な解決にはならず、
事実を暴いて表沙汰にし、世に問うことで、事件解決の一歩になれば・・
という新聞記者・南部(江口)の意見はもっともだと思った。

宮崎あおい演じるタイにやってきたNGO職員・恵子は、直情径行すぎる嫌いはあったが、
タイのNGO職員と働いていくにつれ、彼女がタイの子供たちを救おうとする真摯な思いが伝わってきた。
あおいちゃんは今、「篤姫」の印象が強いんだけど、本当はこんなかわいい声で
しゃべる人だったんだよな。やっぱり「姫」で役作りしてるんだと思ったりもしました。
妻夫木聡のちゃらんぽらんそうで実は気の弱いフリーカメラマンも、実際いそうな感じがしました。

この映画(原作小説)はどこまで本当なのか?というのも気になる所だけれど
牢屋のような劣悪な環境に押し込められた彼らの絶望しきった顔、あれは子供の顔ではない。
こんな少年少女時代を過ごせば、まともな大人になれといっても無理な話だと思う。

今の日本の医療問題にも大きく関わっている話なのだが、
子供たちの澄んだ瞳を濁らせてしまうのは、いつも大人の身勝手なのだと痛感。
最後のあたりの展開が性急だったが、南部の誰にも言えなかった心の闇。
彼の苦悩と孤独を考えるとまたたまらない気持ちになった。


(追記)まったく本文には関係ないですが、「徹子の部屋」に映画の宣伝かねて
渡辺謙の長男・大さんが出ていました。いや~お父さんに生き写し!
20年ぐらい前、NHKの朝ドラ「はね駒」で斉藤由貴の相手役で
はじめて見た謙さんのことを思い出しました。

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6 コメント

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映画を見てはないのですが… (ree)
2008-08-08 14:07:32
臓器移植は健全なシステムで運営されていれば、こんなすばらしいことはないと考えます。

しかし、如何せん往々にして臓器は足りない。
ましてや子供の臓器ドナーなんてそう簡単には見つかるはずもない。
となると、供給が足りなければ、いろんな手段を使って需要に応じる。
これが現実なのではないのでしょうか。

臓器移植にまつわることで、こんな残酷な事実があることは、臓器移植にすべての望みをかけているご本人やご家族にとっても、非人道的な手段で命をも奪われる人たちにとっても、不幸の何者でもありません。

こうゆう場面に比較的遭遇せず、むしろ需要側である日本としては、臓器移植にまつわる背景をもっと直視し、今後の臓器移植をどう考えていくのかを真剣に考えていかねば、いつまでたってもこうゆう自体はちっともなくならないと思います。
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おっしゃるとおりで (のら)
2008-08-08 14:34:35
私もじゃあどうやったらこういうことがなくなるのか?と自分なりに考えてみたのですが
子供の臓器移植の際に、ドナーが見つかりづらいというのはわかりますし、そうなると、こういう方法も現時点ではやむを得ないのか・・ということも同時に感じましたね。

生きている子供の臓器を、というのはショッキングではありましたが、親はやっぱり自分の子供には一日でも長く生きて欲しい。闇のルートならば、金額も安く、しかも迅速に移植されるのならば、そのルートにすがってしまうのは当然のことであろうと思いました。

NGO職員の恵子(宮崎あおい)はその点を考慮せず、ただ「タイの子供たちがかわいそう」と親を責めるようにまくし立てるシーンがあったので・・それはどうなんだろう?と疑問に感じたのでした。

これからどうしていくのか、日本の医療制度には問題点が多数ありますが、臓器移植についてもそのあり方について深く考えていかないといけないのだろうと思いました。

難しいテーマの映画でしたが、見てよかったと思いました。reeさんもコメントをありがとうございました。
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本の方を読みました (iruka)
2008-08-20 09:54:33
上映する映画館が少なく行きたいけど、
行かれるかどうかわからないので原作を読みました。
描写がすごくって、気持ち悪くなるくらいでした。
でも、本当にあることなので、目を背けず読もうと思って最後まで読みました。

何のためにこの世に生れてきたのか、分からなくなるような子供たちの姿。

いつかこういったことがこの世から無くなる日が来ることを願いたいです。
きっと無理なんでしょうね。

臓器移植は切実な問題ですね。

本の方だけどTBさせてくださいね!
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TBありがとうございます (のら)
2008-08-20 10:17:33
今、記事を拝見してきました。原作者の名前に見覚えがあると思ったら・・「血と骨」の作者でもあるのですね。映画でも見ていて辛いシーンも多く、阪本監督も演じる子供の精神面にはずいぶん配慮して撮影したのだと聞いています。

irukaさんの記事を読んでいて、「映画は原作にかなり忠実だな」とも思いました。ゴミ捨て場に捨てられ、脱出した少女の末路もそのまま描かれていました。

この世に生まれてきて、同じ人間なのに、こんな不平等があっていいのか?と。貧しい国・家に生まれたからと言って。。どうしようもないやりきれなさを感じました。

おっしゃるとおり、こういったことが世の中から完全に消え去ればいいのですが。。やはり難しいことなのでしょうか。。
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よく出来てたと思います (iruka)
2008-09-06 07:12:40
映画観てきました。
原作に忠実でしたね。
広場のデモのシーンは原作の方が良かったです。
原作では鉄砲ではなく、火をつけたり略奪したり、その場に居た人たちも一緒になってしまって暴動を起こすというもで、
NPOのひとたちは警察に捕らえられてしまいました。
最後の違うシーン。
痛かったです。
映画の方もトラバさせて下さいね!
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ごめんなさいTBは・・ (のら)
2008-09-06 11:55:20
うまく反映されていないみたいです

私は原作は読んでませんが、上のコメントにも書いたとおり、「原作に忠実なんだろうな」と
思っていました。

広場のデモのシーンは最後のほうで
バタバタと起きたという感じがしましたが、
しかも信じていた仲間に裏切られて・・・
原作では皆一緒に蜂起したのですね。

最後の南部の秘密、もしや?と思うシーンもいくつかあったものの、ショッキングでしたよね・・・

今から記事拝見しに行きます。
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