おこしやす福井

故郷福井。。紹介します

比嘉照夫さん 文

2006年03月07日 | Weblog
私はひとつの信念のようなものをもちはじめていました。それはいまの時代は「こうありたい」という目標を掲げて、それに向かって努力すれば、たいていのこと
は実現可能だということです。
 いまはある意味では大変に恵まれた時代です。その恩恵は科学技術によってもたらされ
たといってよいでしょう。たとえばー〇〇〇メートルのタワーをつくりたいと思えば、そ
んなものはわけなくつくれます。沖縄から九州まで橋をかけたいというのであれば、浮橋
であれなんであれ、現在の技術なら可能です。経済効果などを考えて、やるかやらないか
は別にして、技術的にできないことはありません。
 昔はそういう発想が仮にあっても、技術的な制約がありました。いまは月へ飛ぼうと
いう発想が出てくると、月へ行けるわけですから、だれも不思議に思いません。しかしだ
れかがそういう発想をしなければ、いまだに月は兎の餅つきの世界にとどまっていたかも
知れないのです。いまはもう人間の考えることはおおむね実現できる時代になったといっ
てよいでしょう。得られたもうひとつの信念は、人間の考えることはすべて自然界
に存在し、科学はたんに自然の偉大さを説明する道具に過ぎないということです。
 そういう観点から眺めてみると、いったい世界はこれからどうなるのかという問題が出
てきます。まずいえることは、戦争ができない状況になってきたことです。小競りあいは
ありますが、本格的な戦争はもうだれにもできない。これまでの世界史にこんな時代はあ
りませんでした。
 戦争ばかりではありません。われわれの生き方も同じです。たとえば出世の哲学とか成
功の理論といった本を見ると、だいたいが他人に勝つことが基本になっています。出世と
いうのもその最たるもので、他人に勝たないとおしまい。だから「勝て、勝て、勝ったほ
うが正義だ」とさんざん教えています。いまでもそんなことを書いた本がベストセラーに成ったりしますがいままでの人類の歴史は戦いのなかでつくられ、勝ったほう
が正義になってきたのです。


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1 コメント

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れんげさんえ (福ちゃん butii@goo)
2006-03-23 14:04:32
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