私には天職など無く神様に仰せつかった事が当理論建設だったもので

　まあ、教師なんてものは天職などでなくても甘んじて努めて勤め上げるもの、そうですがね。

　それがデキなかったのだから仕方がない、私はつくづく表題のように自覚するばかりですよ。自分には天職など無い、そうですねえ、嫌な自覚だけど持たなくてならないです。こんど生まれてくるときはどうしよう、そうですね、それも気になるけどそんな悠長なことを言っておられません。とにかく私はユニバーサルフロンティア理論を建設したし、その間の事情はほとんど神様に仰せつかったようなものだ、そうですがな。

　理論物理学体系の根本に誤りがあり、それを正したようなことをするのは天命であったと悟らざるを得ません。

　なーんてね、それも柄じゃないなあって感じだってしますよ、ですけどね、なんか人生の初期から運命づけられて生きてきたような気がするんです。これは錯覚なんかであり得ない、確かな実感を伴っている自覚なんですから。天職じゃないなら教師なんか辞めちまえ、やっぱりそう命令されてのことであるような心地がしますし、小学校の頃からの運命で造った理論だという気さえするんです。韓=南部模型はちょうどその頃ですか、なんか夢を見たような気がするんですよね、夢の中で「死後の名声は保証してやる」と言われる夢を一回だけ見ました。

　その時は理論の中身なんか何にも出てきてませんよ、なんかその言葉だけを覚えております。

　死後の名声なんて嫌なこった、そう贅沢を言えば何もかもが消える、そんな暗示にうなされる小学生だったものです。


（どうなんでしょう、本当に・・）