レビューっていうか翻訳っていうかただの和訳ですん(●´ω`●)
ビブリア3巻に登場し、とても気になっていた小説です。SFです。
3ブロックぐらい先に翻訳文がありますので、スクロールしてお読みください☆↓↓↓
「初対面の主人公に向かって、彼女はこう言うんです」
栞子さんは内緒話をするように、俺に顔を寄せた。間近で見る彼女の瞳は、興奮を物語るように輝いていた。
「『おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた』」
胸がざわっと波打った。本当に自分が丘の上でそう言われた気がする。
「い、いいですね、すごく」
「でしょう。こんな可愛いこと言われたら、好きになってもおかしくないですよね」
と、屈託なく笑った。自分がなにをしているのか分かっていないらしい。
ほら、ほら、ほら!ビブリアもたんぽぽ娘も,読みたくなりましたでしょ?
この小説は「CLANNAD」っていうアニメ(ゲーム?)にも登場しているようですね。
既に出版されている翻訳本は絶版で,これを収録しての発売を予定していた河出書房さんの『奇想コレクション』も、
何年も発売予定のまま、いっこうに出版されない「たんぽぽ娘」。。
モー待ってらんないょ!!!!!
今出してたら、ビブリア効果でかなり売れただろうに。もったいない。
幸い短いので,自分で訳してみました。
素人なので、間違っているところやおかしいところは少なからずあると思います。
それでよければ,引用などはご自由にどうぞ☆でもminacoの名前を出すか、リンクしてくださるとありがたいです(´□`*)ゞ
なお,誤訳など直接ご指摘いただくことは大歓迎です!!!
美しく訳すのって難しいですね!少なくとも話の筋は追えると思います。
お手数ですが、読みやすいようにご自分でウィンドウ幅などを調節なさってください。
では、いってらっしゃいませ。
(*2013年3月1日一部修正)
「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング、1961年
『ごく一般の中年男であるマークは、妻に急な仕事が入ったため、一人田舎町で休暇を過ごしていた。
ある日、近くの丘まで出かけてみると、そこにはタンポポ色の髪を持つ可愛らしい少女が立っていた。
彼女は未来から来たという。気があった二人は急速に親しくなっていくが、少女は突然姿を消してしまう。
彼女にはある重大な秘密があった・・・』
1
丘に立つその少女は、エドナ・ミレイ(*アメリカの詩人)を思わせた。それは、少女が午後の陽射しの中でタンポポ色の髪を風になびかせていたからかもしれないし、少女が身にまとう白い古風なドレスが、彼女の細く長い足に巻き付いていたからかもしれない。いずれにしてもマークは、彼女が過去からやってきたという、はっきりとした印象を受けた。そしてそれは見当違いなことだった。というのは、実際のところ、彼女は過去からではなく、未来からやってきたのだったから。
丘を登って息をつかせていた彼は、少女の後ろにいくらか距離をとって休んだ。彼女はまだ彼に気付いていなかった。彼は、どうすれば彼女を驚かさずに自分の存在を知らせることができるか考え、考えをまとめるため、パイプに草を詰め、手を丸めてそれをおおいながら火をつけた。もう一度少女を見ると、彼女はこちらを向いて興味深そうにマークを見つめていた。
空がかなり近いことと、顔に当たる風の心地よさを感じながら、マークはゆっくりと少女に向かって歩いていった。もっと散歩をするべきだな、と彼は思った。丘に来るときに彼は森を歩いていたのだが、今は後ろにその木々が広がり、秋のはじまりで暖かく色付いていた。森の向こうには釣り用の桟橋と小屋のある小さな湖が見えている。妻が突然陪審員として招集され、マークはせっかくの夏休みを、2週間一人で寂しく過ごさねばならなくなった。昼間は桟橋で釣りをして、涼しい夜はリビングにある垂木のついた暖炉の前で読書をする。2日間そうして過ごした後、彼は何の気なしに森に出かけて丘を登り、そして少女を見つけたのだった。
少女の瞳は青かった。彼女のほっそりとしたシルエットをふちどる、空のように青かった。顔は卵形で、若く、柔らかく、愛らしい。彼は手をのばし、風が触れるその頬を撫でたい衝動に抗わねばならないほどで、それは強烈なデジャヴであった。手は脇にぴたりとついたままであったが、彼は自分の指先が震えているのを感じた。
"どうした、俺は44歳だぞ。"彼はうろたえた。"それにこの娘はきっと20歳にもなっていない。いったい俺はどうしちまったっていうんだ?”
「景色は気に入ったかい?」彼は少女に聞こえるように問いかけた。
「ええ、とても」彼女は答えて振り返り、興奮気味に腕で半円を描いた。「とっても素晴らしいわ!」
マークは少女の視線を追った。「うん。そうだね」二人の眼下には9月の色を帯びた森が低地まで広がり、離れたところの小さな村を囲んで、郊外の居留地の前まで押し迫っていた。遠くの方では、コーヴ市のぎざぎざした影を和らげる霧のせいで中世の城を思わせて、夢よりも非現実的な景色があった。「君も街から来たのかい?」彼はたずねた。
「ある意味、そうね」彼女は言い、微笑んだ。「私は今から240年後のコーヴ市から来たの。」
その微笑みは、少女は彼が話を信じるとは思っていないことを表していた。しかし彼が信じたふりをすれば素敵だと、暗に言っている。マークは微笑み返した。「だとすると、西暦2201年ということになるね?街はだいぶ大きくなっているだろうね。」
「ええ、そうよ。巨大都市の一部になっていて、全ての道がそこまでつながっているわ。」少女は足元に広がる森を指差した。「2040番通りはあのカエデの森を突き抜けているのよ。」彼女は続けて言った。「あそこのニセアカシアの木立が見えて?」
「ああ。見えるよ。」
「そこに新しいショッピングセンターができているのよ。中にあるスーパーマーケットはとても大きくて、全部見るのに半日かかるぐらい。それに、アスピリンからエアロカーまで、ほとんどのものが揃うんだから。スーパーの隣には、っていうのはあそこのブナの木立の所なんだけど、そこには最先端のデザイナーの作品を取り扱う、大きな洋服店があるわ。今着ている服はちょうど今朝、そこで買ったの。綺麗でしょう?」
綺麗だとすれば、それは彼女が着ているからだ。しかしマークは礼儀正しくその白いドレスを観察した。見たことのない素材でできており、綿菓子と海の泡と雪を合成させたもののような気がした。きっと、ミラクルファイバー製造業者によって造られる合成技術に、もはや限界はないのだ。若い娘のほら話にしたって同じだ。「君はタイムマシンに乗ってここに来たんだね?」彼は少女に言った。
「ええ。父が発明したの。」
マークは彼女を注意深く見つめた。こんなに純粋な表情は今まで見たことがなかった。「ここへはよく来るのかい?」
「あら、そうよ。お気に入りの時代なの。時にはここに何時間も立っていて、ずっとずっと見ているのよ。おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。」
「でも、"昨日"というのはどういうことかな?」マークは聞いた。「いつも同じ時間に戻っているのではないの?」
「あなたの言いたいことは分かるわ。」少女は答えた。「どういうことかっていうとね、タイムマシンは普通のものと同じように時間の経過の影響を受けるのよ。もしきっかり同じ時間に行きたければ、毎回24時間戻して設定しないといけないの。私はそんなことしないわ。だって、違う日に来る方が楽しいもの。」
「お父さんは一緒に来ないのかい?」
頭上でガンの群れがV字の形を作りゆっくりと漂っていたのをしばらく見やってから、少女は「父は病気なの」と言った。「できることなら喜んで一緒に来ると思うわ。」彼女はそこで慌てたように付け足した。「でも、私が見たものを全部教えてあげるから大丈夫。一緒に来るのとほとんど同じよ。そうじゃなくて?」
そう訴える眼差しには、心に響くほどの熱がこもっていた。「絶対そうだよ」マークも熱をこめて言った。「タイムマシンを持っているっていうのは、素敵に違いないね。」
少女はまじめな顔でうなずいた。「美しい草原に立つのが好きな人たちへの贈り物だわ。23世紀には、そんな草原はあまり残っていないの。」
マークは微笑んだ。「20世紀でもそんなにたくさん残っていないよ。かなり貴重なコレクターズアイテムだと考えていいんじゃないかな。僕ももっと遊びに来ないといけない。」
「あなたはこの近くに住んでいるの?」と彼女はたずねた。
「ここから3マイルほどの小屋に泊まっているんだ。休暇のはずなんだけど、どうもちょっと違う感じでね。妻は陪審員で仕事に呼ばれてしまって一緒に来れなかったし。でも休暇を延期できなかったから、ソロー(*アメリカの思想家)を気取るはめになってしまったのさ。僕はマーク・ランドルフ。」
「私はジュリーよ」少女は言った。「ジュリー・ダンヴァース。」
その名前は彼女によく似合っていた。白いドレスも同じように似合っていた。青い空も、この丘と9月の風も似合っていた。恐らくこの少女は、森の中の小さな村にでも住んでいるのだろう、しかしそんなことはどうでもよかった。もし彼女が未来から来たふりをしたいのなら、マークは喜んでそれにつきあうつもりだ。困ったことなのは、彼が最初に少女を見たときの感情であり、彼女を見つめるたびに襲われる愛しさの方であった。「君は何の仕事をしているの、ジュリー?」彼はたずねた。「それともまだ学生かい?」
「秘書になる勉強をしているわ」彼女は言い、小さなステップを踏んでつま先立ち、可愛らしくくるりと回って胸の前で両手を組んだ。「本当に私、秘書になりたいのよ。」彼女は続けた。「大きくて立派なオフィスで働いて、偉い人たちが話すことを記録するのって、とにかく素晴らしいに違いないわ。私を秘書に雇ってみたいかしら、ランドルフさん?」
「もちろんだよ。」彼は言った。「妻は僕の秘書だったことがあってね、戦争前のことだけど・・・。それで僕たちは出会ったのさ。」どうして自分はそんなことを話したのか?彼にはわからなかった。
「奥さんはいい秘書でした?」
「最高だった。彼女を失うのは痛手だったよ。でも、秘書としては失うけれども、別の意味では手に入れるのだものね。だから、失うと言うのはふさわしくないな。」
「ええ、そうね。あら、ランドルフさん、私もう帰らなくてはならないわ。パパが、私が見たものを全部聞きたくて待っているし、夕飯を作らなくちゃ。」
「明日もここへ来るかい?」
「たぶんね。毎日来てるもの。今日のところはさようなら、ランドルフさん。」
「またね、ジュリー。」彼は言った。
マークは少女が軽い足取りで丘をかけ下り、カエデの森に――今から240年後の2040番通りなる所へ――消えるのを眺めていた。44歳の男は笑っていた。なんて可愛らしい女の子だろう、と思った。こんなにもとんでもなく不思議なこと、こんなにも人生をワクワクさせることは、刺激的であるに決まっている。彼は今までその2つを拒否していた分、いっそうありがたく思えた。20歳のとき、マークはロースクールで学ぶ真面目くさった男だった。24歳のとき、彼は自分の業務を持ち、それは小さいものだったが,彼は完全に夢中になった――いや、完全にではなかったけれど。彼がアンと結婚してから少しのあいだ、急いで稼ぐ必要はなくなった。そして、戦争が始まり、もう1つの期間――前のよりもずっと長いもの――があった。収入を得ることが、ときには卑劣な義務にさえ思えたほどに、マークが民間の仕事に戻った後それは大変なものであった。つまり、彼は息子を妻同様に支え、仕事はそれまで以上に忙しくなったのだ。最近は毎年、4週間の休暇――アンと息子のジェフと共にリゾートで過ごす2週間と、ジェフの大学が始まった後に湖のそばの小屋でアンと二人で過ごす2週間――を自分に許しているが。けれども今年はその2つ目の休暇を、一人きりで過ごしていたのだ。まあ、今となっては、一人きりというわけでもないかもしれないが。
パイプは少し前に火が消えていたが、彼はそれに気がついてさえいなかった。火をもう一度つけて、風を受けながら深く吸い込んだ。そして丘を下り、小屋に向かって戻り始めた。すでに秋分は過ぎ、日はかなり短くなっている。辺りはほとんど暗くなっていて、湿った夜がすでに、かすんだ空気の中に広がっていた。
マークはゆっくりと歩き、彼が湖に着く前に太陽は沈んでいた。湖は小さいが深く、森の木々がその淵まで生えていた。小屋は岸から少し行った松林が囲む所にあり、曲がりくねった小道が桟橋へ続いている。その後ろには砂利の車道が高速へ繋がる埃っぽい道へと導いていた。裏口には彼のワゴン車が止めてあり、時がくればマークをすぐに文明社会へ連れ帰るために待っている。
彼は台所で簡単な夕食を作って食べ、読書をしにリビングへ入った。小屋の発電機がブンブンうなっていることを除いては、近代人間が受け継いだうるさい音が邪魔していない静かな夜だった。暖炉の傍の、本がたくさん詰まった棚からアメリカの詩人の作品集を選び出して座った彼は、パラパラとページをめくる指を「丘の上の午後」で止めた。彼は大切にしているその詩を3回読んだが、読む度に少女が陽の光の中に立っている姿が浮かんだ。風になびく髪、長く華奢な足を柔らかな雪のように包み込む白いドレス・・・。彼は何かがぐっと、のどに詰まるような感覚を覚えた。
マークは本を棚に戻し、丸太作りのベランダへ出て、パイプを作って火をつけた。彼は妻であるアンのことを考えようと自分に強いた。アンの顔が脳内を占める――引き締まった、しかし優しいあご。温かく、思いやりのある瞳。そこには彼がどうしても正体がわからない恐れのようなものがあった。静かな柔らかさのある頬、優しい微笑み―。それぞれの特質は彼女の活気に満ちた明るい茶色の髪と背の高さ、しなやかな品の良さによってより強くなった。妻のことを考えるときはいつもそうなのだが、彼女が年をとらないことに――だいぶ昔の朝、マークが見上げ、びっくりさせてしまい、彼の机の前におどおどと立っている姿を見ていた頃――から変わらず、一体どうやって彼女が愛らしいまま年月を重ねてきたのかに、驚くのだった。あれからほんの20年後に、自分の娘ほど歳の離れた,空想好きな少女に会うことを心待ちにすることになるとは、想像もつかないことだった。いや、心待ちになどしていないさ――それほどには。一時の気の迷いだ・・・ただそれだけだ。少しの間、感情のコントロールが利かなくなって、ぐらついていたのだ。今や彼の足はきちんと地についていて、平穏で分別のある世界に戻っていた。マークはパイプをトントンとたたいて灰を出し、小屋の中へ入った。寝室に行き服を脱いで、ベッドにもぐり込み、電気を消した。彼はすぐに眠れる方なのだが、なかなか寝付けなかった。やっと眠くなってきた頃、からかうような夢とともに、ぱらぱらとした断片が彼を襲った。
"おとといは兎を見たわ"と彼女は言った。"きのうは鹿、今日はあなた。"
2
2日目の午後、ジュリーは青いドレスを着ていた。タンポポ色の髪には、結ばれた青いリボンがよく似合っていた。丘を登った後、しばらく彼は立ったまま動かず、のどにつまる何かが過ぎ去るのを待っていた。それから歩いていき、風に吹かれている少女の隣に立った。しかし彼女の首やあごのなだらかな曲線は、例の、のどの違和感を連れ戻し、彼女が振り返って「こんにちは、来てくれるとは思っていなかったわ。」と言ったときには、答えるのにかなりの時間がかかってしまった。
「でも、来たじゃないか。」やっとのことでマークは言った。「君だって。」
「ええ。」彼女は言った。「嬉しいわ。」
近くにある、露出した花崗岩がベンチのような形をしていたので、二人はそこへ座って景色を見渡した。マークはパイプを詰めて火をつけ、風の中に煙を吐いた。「私のパパもパイプを吸うわ。」少女は言った。「火をつけるときにはあなたと同じように、手を丸くしてつけるのよ。たとえ風が吹いていないときでもね。あなたとパパは似ているところがたくさんあるわ。」
「君のお父さんのことを話してくれないか。」マークは言った。「君自身のこともね。」
彼女は話してくれた。自分が21歳であること、父親は政府の物理学者を引退していること、2040番通りの小さなアパートに住んでいること。4年前に母親が亡くなってからずっと、父親のために彼女が家を切り盛りしていること。その後で、マークは彼自身のことと、アンとジェフのことを話した――いつかジェフと共同経営したいと思っていること、アンがカメラ恐怖症であること。結婚式の日に写真を撮られることを彼女がどんなに嫌がったかということ、それからもずっと嫌がっていること、家族3人で去年の夏キャンプに行って素晴らしい時間を過ごしたこと。
彼が話を終えたとき、彼女は言った。「なんて素敵な家族と人生を送っているのでしょう。1961年に暮らすのは素晴らしいに違いないわ!」
「君の持っているタイムマシンでなら、好きなときにここへ来ることができるだろ。」
「そんなに簡単にはいかないわ。パパを一人にしちゃうことを別にしても、時間警察を考慮しないといけないわ。あのね、時間旅行の権利は政府の支援を受けている歴史家のメンバーに限られていて、一般人には禁止されているのよ。」
「問題なくやっているように見えたけれど。」
「パパが自分でタイムマシンを発明したから。時間警察はそのことを知らないの。」
「だけど、それなら君は今も法を破っているということなんだね。」
彼女はうなずいた。「でも時間警察の人たちがそう思うってだけよ。彼らの時間の概念範囲でだけなのよ。私のパパはパパ自身の概念を持っているわ。」
彼女が話すのを聞いているのはとても楽しかった。話している内容はそれほど重要ではなく、嘘みたいな話だろうと何だろうと、とりとめなく話していてほしかった。「その話、聞かせてくれないか。」彼は言った。
「まず、公式の概念についてお話するわね。公式概念を支持する人は、未来から来る人誰一人として、過去で起きるどんなことにも物理的に関わってはいけないと言っています。なぜなら、未来の人の今現在に矛盾が生じてしまうし、それに、未来の出来事はその矛盾に合わせるために、入れ替えられてしまうからよ。その結果、時間旅行省は権限を認められた職員のみがタイムマシンを使えるよう徹底して、もっと素朴な人生を切望したり、永遠にいつでも別の時代へ行けるよう歴史家を偽ったりする時間旅行者を取り締まるための,警察を配備したの。
でも私のパパの概念によれば、時間のシナリオはもう記されているんですって。とっても広い視野で見ると、パパが言うには、起ころうとしている全てのものは、すでに起こっているのよ。だから、もし未来からやって来た人が過去の出来事に関わったら、その人はその出来事の関係者になるってことなの――それに関わったという単純な理由でね――というわけで、矛盾が生じるわけがないんだわ。」
マークはパイプが欲しくなり、深く一服した。「君のお父さんはとても面白い人のようだね。」彼は言った。
「あら、そうなのよ!」熱で彼女の頬がピンク色に染まり、瞳の青い色を輝かせた。「あなたはパパが読んだ本の数を信じられないと思うわ、ランドルフさん。もう、私たちのアパートは本で破裂しそうよ!ヘーゲル、カント、ヒューム、アインシュタイン、ニュートンにヴァイツゼッカー。私も・・・私だって、いくつか読んだわ。」
「僕も同じぐらい持っているよ。僕も読んだ。」
少女はうっとりと彼の顔を見つめた。「なんて素晴らしいの、ランドルフさん。」彼女は言った。「私、かけてもいいわ!私たちは本当に趣味が合うって。」
続いて起こった会話は、そのことを決定的に裏付けた――超越論的審美学、バークレイアニズムと相対性理論は、9月の丘の上で中年の男と少女が議論するには、およそふさわしくない話題だったと、彼は間もなく考えた。まして男は44歳で少女は21なのだ。しかし幸運なことに、そこには補うものがあった。彼らの超越論的審美学についての活気溢れる議論は、先天的または後天的な結論よりも重要なこと引き出した。とっても小さな宇宙を、彼女の瞳に引き出したのだ。彼らのバークレイの分析は善良な主教の元来の弱点を挙げるだけではなく、少女の頬に赤みをさす手助けもした。そして彼らの相対性理論の考察は、Eが一定不変にmcの2乗に等しいこと以上に、知識は邪魔者なんかではなく、女性的魅力を引き出すことを証明した。
その瞬間の雰囲気はずるずると、思った以上に長く続き、マークがベッドに入るときもまだ彼を取り囲んでいた。その時間、彼はアンのことを考えようとすらしなかった。うまくいかないと思ったのだ。そうする代わりに、暗闇の中に横たわり、次々と浮かんでくるものにとにかく思考を任せた。するとどれもこれもが、9月の丘とタンポポ色の髪を持つ少女のことばかりだった。
"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
翌朝、彼は小さな村まで車を走らせ、自分に手紙が届いていないか郵便局へ確認に行った。何も届いていなかったが、別に驚かなかった。ジェフは自分と同じぐらい筆無精だし、アンは今、外部と連絡を取れないのだろう。マークは仕事をしているとき、秘書に、本当に緊急でない限り連絡するなと言っていた。
彼は皺だらけの郵便局長に、この辺りにダンヴァースという一家が住んでいるかを尋ねようか考えた。しかしやめた。ジュリーがせっかく、わざわざ作りあげた関係を壊してしまうことになるし、彼は自分たちのそんな関係を信用に足るものだとは思っていなかったが、崩したいとも思わなかった。
その午後、彼女は髪の毛と同じ黄色い色のドレスを身に纏っており、やはり、彼女を見たときに彼ののどに何かがつまる思いがして、口をきくことができなかった。けれどその瞬間が過ぎ去り言葉が出始めると順調で、二人の思いは活き活きとした小川のように、午後の涸れ谷を陽気に横切っていった。今回、二人が別れるときにこう聞いたのは少女の方だった。「明日はここへいらっしゃるの?」――これは彼の台詞を盗っただけではあるが――その言葉は森を抜けて小屋へ帰る間じゅう、彼の鼓膜で歌い踊り、ベランダでパイプをふかす夜の後には子守唄となり彼を眠りへ導いた。
次の日の午後に彼が丘へ登ったとき、そこには誰もいなかった。最初、彼は何も考えられないほどに失望した。そして彼は考えた。彼女は遅れている、それだけだ。もうすぐ来るだろう。それから彼は花崗岩のベンチに腰を下ろして待つことにした。しかし彼女は来なかった。時間は何分と経ち――何時間と経った。森の影は這うように伸び、丘の途中まで登ってきていた。空気も冷たくなってきた。彼はとうとうあきらめ、みじめな様子で小屋へ向かった。
その次の日の午後も彼女は現れなかった。次の次の日も。彼は食べることも眠ることもままならなかった。釣りはつまらなくなり、読書もできなくなった。その間じゅう彼は自分自身が嫌いだった。失恋した学生のような体たらくの自分が嫌いだった。可愛らしい顔や足に舞い上がる他の40代の馬鹿どもと変わらない自分が嫌いだった。数日前までの彼は妻以外の女性が気になることすらなかったというのに、今や、1週間も経たないうちに、少女が気になるどころか恋に落ちるまでになってしまったのだ。
4日目に丘に登ったとき、マークの希望はすっかり消えていた――しかしふいに、希望は太陽の中に立ったときによみがえった。彼女は今度は黒いドレスを着ていたので、彼は彼女がなぜ来なかったのか理解できたはずだった。けれど彼はわからなかった――丘に登って、彼女の目から涙がこぼれ、唇が震えだすのを見るまでは。「ジュリー、どうしたんだい?」
少女は彼にすがりついた。その肩は震え、彼の上着に顔を押し付けた。「パパが死んじゃったの」彼女は言った。それからどういうわけか、彼は、彼女が葬儀のあいだ涙を流さずにいて、父親が死んでから今ここで初めて泣いたのだと悟った。
彼は彼女に優しく腕を回した。彼は今まで彼女にキスをしたことはなく、このときは・・・軽くしかしなかった。彼の唇は彼女の額を遠慮がちに触れて、少しだけ髪にも触れた。――それだけだった。「かわいそうに、ジュリー」彼は言った。「君にとってお父さんがどれだけ大きな存在だったか、僕にはわかっているよ。」
「パパには自分が長く生きられないことが、ずっと前からわかっていたのよ」彼女が言った。「研究所でストロンチウム90の実験をしていたときから知っていたんだわ。でも誰にも言わなかった――私にさえも・・・もう生きていけないわ。パパがいないなら、生きる意味なんて何もないわ――何も、何も、なんにも!」
彼は少女をきつく抱きしめた。「君は何か見つけるさ、ジュリー。そして誰かを、ね。君はまだ若い。だってまだ子供じゃないか、そうだろう。」
彼女は急に頭をぐいと引き、涙の引いた瞳を彼に向けた。「子供なんかじゃないわ!そんなこと言わないで!」
驚いた彼は彼女を離し、後ずさりした。彼女の怒った顔を初めて見た。「そういう意味では・・・」彼は言いかけた。
彼女の怒りはその唐突さに劣らず、儚いものだった。「私を傷つけようとしたわけじゃないことはわかっているわ、ランドルフさん。でも私は子供ではないわ、本当に、子供なんかではないのよ。もう二度とあんなこと言わないって約束して。」
「わかった」彼は言った。「約束する。」
「もう行かなくちゃ。」彼女は言った。「やることが山ほどあるの。」
「ねえ・・・明日は、ここへ来るかい?」
少女は彼を長い間見つめていた。夏のにわか雨の後の霧のせいで、彼女の青い瞳は輝いていた。「タイムマシンが壊れかけているの」彼女は言った。「取り替えなくてはならない部品があって・・・でも私はどうやればいいのかわからないのよ。私たちの・・・私のタイムマシンはたぶん、あと1回ぐらいなら使えるかもしれないけど、でもそれもわからないわ。」
「でも、来ようとしてはくれるんだよね、そうだろう?」
彼女はうなずいた。「ええ、やってみるわ。それで、ランドルフさん?」
「なんだい、ジュリー?」
「もし来れなかったときのために・・・覚えておいてもらうために言うけど・・・私、あなたを愛してるわ。」
そして彼女は行ってしまった。丘を跳ねるように駆け下り、一瞬で、カエデの木立の中へ消えてしまった。マークの手はパイプに火をつけるとき震えていて、マッチで指を火傷してしまった。その後どうやって小屋へ戻ったのか、夕食を済ませたのか、ベッドへ入ったのか、思い出せない。自分の部屋で目が覚めて、朝キッチンへ行くと水切り台には夕食の後の皿が置いてあったので、それらのことは全て済ませているはずなのだけれど。
彼は皿を洗い、コーヒーを入れた。朝は桟橋のふちで釣りをして過ごし、何も考えないようにつとめた。後で現実に直面するのだ。今は、彼女が彼を愛しているということと、あと数時間後にもう一度ジュリーに会えると思うだけで十分だった。壊れかけたタイムマシンでも、あの小さな村から丘まで彼女を運ぶのに、何の問題もないはずだ。
彼は丘に早めに到着して花崗岩のベンチに座り、少女が森から出てきて丘を登るのを待っていた。自分の動機が早鐘を打つように聞こえてきて、手が震えているのがわかった。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
彼は待って待って待ち続け、そして少女は来なかった。次の日も来なかった。影が長くなり空気が凍るほどになると、彼は丘を下りカエデの森へ入る。やがて彼は森の中へ続く小道を見つけ、正確に辿り、あの小さな村へ抜けた。小さな郵便局の前に立ち寄り、手紙が届いていないか確認した。皺だらけの郵便局員が何も届いていないと告げた後も、彼は少しの間ぐずぐずと残っていた。「あの・・・この辺りに、ダンヴァースという名前の家がありませんか?」彼はつい口に出してしまった。
郵便局員は首を振った。「聞いたことないね。」
「最近、町でお葬式がありませんでしたか?」
「ここ1年ぐらいはないと思うがね。」
それからというもの、彼は休暇が終わるまで毎日丘に登ったが、心の中では少女が戻ってこないことがわかっていた。彼女はまるで最初から存在しなかったかのように、全く彼の元から消えてしまった。夕方には取り憑かれたように村へ通い、やけになって、郵便局員が勘違いしているという希望を抱いていた。しかしジュリーを思わせるものは何も見つからず、彼女の容貌を通りすがりの人に説明してみても、欲しい情報は何も得られなかった。
10月の始め、彼は街に戻って来た。できる限り、アンとの関係は何も変わっていないように振る舞った。しかし彼女は少し彼を見ただけで、何かが変わったことに気付いているようだった。彼女は何も聞かないけれど、月日が過ぎるにつれて口数が少なくなり、アンの瞳に見えるあの恐れは、日に日に顕著になっていってマークを困惑させた。
彼は、日曜日の午後は田舎までドライブして丘を訪ねる習慣にした。木々はもう黄金色に染まり、空は1ヶ月前よりも青くなっていた。数時間の間、花崗岩のベンチに座り、あの少女が姿を消した所を見つめていた。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
11月半ばの雨の夜、彼はスーツケースを見つけた。それはアンのもので、偶然見つけたのだった。彼女は町へビンゴをしに行っており、家には彼1人だった。4つほどやかましいテレビ番組を2時間見た後、彼は前の冬に奥へしまったきりのジグソーパズルを思い出した。
何でもいい――どんなものでも構わない――そう思った彼は、ジュリーのことを忘れるため、パズルを取りに屋根裏部屋へ上がった。彼がそのそばに積まれた箱を引っ掻き回して探しているときに、そのスーツケースは棚から落ちてきたのだった。そして床にぶつかりはじかれたように開いた。
彼はスーツケースを拾うためにかがんだ。それは結婚当初借りていた小さなアパートへ彼女が持ってきたものと同じで、彼女が常に鍵をかけて、笑いながら、妻が夫にさえも秘密にしておくべきものが入っているのだと言っていたのを思い出した。鍵は年月を経て錆びており、落ちた衝撃で壊れていた。
ふたを閉めようとして、白いドレスのすそがはみ出ているのに気付き、彼の動きは止まった。その素材はなんとなく見たことがある。これと似た素材を見たのは、そんなに前のことではない――綿菓子と海の泡と、雪を思わせる素材だ。
彼はふたを開け、震える指でドレスを取り出した。その肩の部分をつかみ広げてみると、優しい雪がふわりと部屋に舞っているようだった。そのドレスを長い時間見つめていると、のどに何かがつまるような思いがした。それから優しくドレスをたたみ直し、スーツケースへ戻してふたを閉めた。スーツケースはひさしの下のあるべき所へ戻した。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
雨は屋根を打ちつける。のどにつまる何かは、今や泣きそうになるほどとても痛かった。ゆっくりと、彼は屋根裏部屋の階段を下りて、螺旋階段からリビングへ入った。暖炉の上の時計は10時14分を告げている。数分のうちにアンの乗ったビンゴバスは彼女を角で降ろし、彼女は通りを歩き、玄関に着くだろう。そしてアンは・・・いや、ジュリーは。ジュリアンだろうか?
それが彼女のフルネームだったろうか?おそらく、そうだろう。人はいつだって、呼び名を決めるときに元の名前の一部を残すものだ。名字を完全に変えることで、彼女は恐らく、名前の方は本名を残しても安全だと考えたのだろう。名前を変えることの他にも色々したのだろう・・・時間警察から逃れるために。彼女がちっとも写真を撮られたがらないはずだ!昔、仕事をもらうためにびくびくしながらマークの事務所を訪ねたときは、どれほど恐い思いであったことだろう!知らない時代に一人ぼっちで、父親の時間の概念は正しいのかもわからず、40歳で彼女を愛してくれるであろう男性は20歳でも同じ気持ちを抱いてくれるのかも、わからないままだったのだ。彼女は自分で言っていた通り、ちゃんと戻ってきたのだった。
"20年間"と、彼は不思議に思った。"ずっと知っていたんだ。9月のある日、俺が丘へ登り、彼女の姿を・・・太陽の中に佇む、若くて、愛らしい姿を見て、そして再び恋に落ちることを。知っていたに決まっている。あれは私の未来であったと同時に、彼女の過去であったのだから。でもなぜ言ってくれなかったんだ?どうして今もなお黙っているんだ?"
彼はふいに理解した。
息が苦しくなり、玄関へ行きレインコートをかぶって雨の中へ飛び出した。土砂降りの中を歩き、彼の顔を雨が強く打ちつけて雫が頬を滴り落ちる。雫は雨だけでなく,涙も混じっていた。アンのように――ジュリーのように――永遠に美しい人が、いったいどうして老いることを恐れるのだろうか。彼の瞳の中では色褪せることがないとわからなかったのだろうか――小さな事務所に立つ彼女を仕事机から見上げると同時に恋に落ちた瞬間から、彼女は1日も老いることはなかったと。だから丘で見た少女が彼には別人に見えたのだと、わからなかったのだろうか?
彼は通りに着き、角まで歩き続けた。彼女を乗せたビンゴバスが止まる頃、彼はそのすぐそばまで来ていた。白いトレンチコートを着た少女が降りてきた。のどにつまった何かはナイフのように鋭く尖り、マークはまったく息ができなくなった。タンポポ色の髪の毛は茶色く落ち着いて、少女らしい魅力はなくなっている。しかし優しげな愛らしさはその穏やかな顔に残っていて、長くほっそりとした脚には上品で均整のとれた美しさが、11月の通りの淡い光に照らされている。9月の太陽の黄金の輝きの中では知り得なかった美しさ。
彼女は彼のところまで歩いてきた。その瞳には、見慣れたあの恐れがあった――その強烈な恐れは忍耐のしるしだった。もう彼にはその原因がわかっている。彼女の姿はかすんでいて、よく見えないまま彼は彼女のもとへ歩いたが、そこへ辿り着いたときには視界ははっきりとしていた。彼は何年もの時を経て彼女に手が届く。雨で濡れた頬に触れた。彼女はそれですべてを悟って、瞳の奥の恐れは永遠に消え去った。彼らは手を取り合い、雨の中を家に向かって歩いていった。
<参考>
THE DANDELION GIRL原文
訳1
訳2
いかがでしたか?
正直、私は、ふぅん・・・って感じでした。笑
ロマンチックで、いい話ではありますけどね。
ビブリアの大輔くんは「読んでよかったと思える内容だった」とだけ感想を述べていて、
これは小説のネタバレを書きたくないからなのでしょうけど、私はリアルにその程度の感想でした。
そもそもタイムトリップものって、辻褄合わせようと考えるとわけわかんなくなっちゃうんで苦手なんです^^;
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>画像 「たんぽぽ娘」イメージ
PSE。
ビブリア3巻に登場し、とても気になっていた小説です。SFです。
3ブロックぐらい先に翻訳文がありますので、スクロールしてお読みください☆↓↓↓
「初対面の主人公に向かって、彼女はこう言うんです」
栞子さんは内緒話をするように、俺に顔を寄せた。間近で見る彼女の瞳は、興奮を物語るように輝いていた。
「『おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた』」
胸がざわっと波打った。本当に自分が丘の上でそう言われた気がする。
「い、いいですね、すごく」
「でしょう。こんな可愛いこと言われたら、好きになってもおかしくないですよね」
と、屈託なく笑った。自分がなにをしているのか分かっていないらしい。
ほら、ほら、ほら!ビブリアもたんぽぽ娘も,読みたくなりましたでしょ?
この小説は「CLANNAD」っていうアニメ(ゲーム?)にも登場しているようですね。
既に出版されている翻訳本は絶版で,これを収録しての発売を予定していた河出書房さんの『奇想コレクション』も、
何年も発売予定のまま、いっこうに出版されない「たんぽぽ娘」。。
モー待ってらんないょ!!!!!
今出してたら、ビブリア効果でかなり売れただろうに。もったいない。
幸い短いので,自分で訳してみました。
素人なので、間違っているところやおかしいところは少なからずあると思います。
それでよければ,引用などはご自由にどうぞ☆でもminacoの名前を出すか、リンクしてくださるとありがたいです(´□`*)ゞ
なお,誤訳など直接ご指摘いただくことは大歓迎です!!!
美しく訳すのって難しいですね!少なくとも話の筋は追えると思います。
お手数ですが、読みやすいようにご自分でウィンドウ幅などを調節なさってください。
では、いってらっしゃいませ。
(*2013年3月1日一部修正)
「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング、1961年
『ごく一般の中年男であるマークは、妻に急な仕事が入ったため、一人田舎町で休暇を過ごしていた。
ある日、近くの丘まで出かけてみると、そこにはタンポポ色の髪を持つ可愛らしい少女が立っていた。
彼女は未来から来たという。気があった二人は急速に親しくなっていくが、少女は突然姿を消してしまう。
彼女にはある重大な秘密があった・・・』
1
丘に立つその少女は、エドナ・ミレイ(*アメリカの詩人)を思わせた。それは、少女が午後の陽射しの中でタンポポ色の髪を風になびかせていたからかもしれないし、少女が身にまとう白い古風なドレスが、彼女の細く長い足に巻き付いていたからかもしれない。いずれにしてもマークは、彼女が過去からやってきたという、はっきりとした印象を受けた。そしてそれは見当違いなことだった。というのは、実際のところ、彼女は過去からではなく、未来からやってきたのだったから。
丘を登って息をつかせていた彼は、少女の後ろにいくらか距離をとって休んだ。彼女はまだ彼に気付いていなかった。彼は、どうすれば彼女を驚かさずに自分の存在を知らせることができるか考え、考えをまとめるため、パイプに草を詰め、手を丸めてそれをおおいながら火をつけた。もう一度少女を見ると、彼女はこちらを向いて興味深そうにマークを見つめていた。
空がかなり近いことと、顔に当たる風の心地よさを感じながら、マークはゆっくりと少女に向かって歩いていった。もっと散歩をするべきだな、と彼は思った。丘に来るときに彼は森を歩いていたのだが、今は後ろにその木々が広がり、秋のはじまりで暖かく色付いていた。森の向こうには釣り用の桟橋と小屋のある小さな湖が見えている。妻が突然陪審員として招集され、マークはせっかくの夏休みを、2週間一人で寂しく過ごさねばならなくなった。昼間は桟橋で釣りをして、涼しい夜はリビングにある垂木のついた暖炉の前で読書をする。2日間そうして過ごした後、彼は何の気なしに森に出かけて丘を登り、そして少女を見つけたのだった。
少女の瞳は青かった。彼女のほっそりとしたシルエットをふちどる、空のように青かった。顔は卵形で、若く、柔らかく、愛らしい。彼は手をのばし、風が触れるその頬を撫でたい衝動に抗わねばならないほどで、それは強烈なデジャヴであった。手は脇にぴたりとついたままであったが、彼は自分の指先が震えているのを感じた。
"どうした、俺は44歳だぞ。"彼はうろたえた。"それにこの娘はきっと20歳にもなっていない。いったい俺はどうしちまったっていうんだ?”
「景色は気に入ったかい?」彼は少女に聞こえるように問いかけた。
「ええ、とても」彼女は答えて振り返り、興奮気味に腕で半円を描いた。「とっても素晴らしいわ!」
マークは少女の視線を追った。「うん。そうだね」二人の眼下には9月の色を帯びた森が低地まで広がり、離れたところの小さな村を囲んで、郊外の居留地の前まで押し迫っていた。遠くの方では、コーヴ市のぎざぎざした影を和らげる霧のせいで中世の城を思わせて、夢よりも非現実的な景色があった。「君も街から来たのかい?」彼はたずねた。
「ある意味、そうね」彼女は言い、微笑んだ。「私は今から240年後のコーヴ市から来たの。」
その微笑みは、少女は彼が話を信じるとは思っていないことを表していた。しかし彼が信じたふりをすれば素敵だと、暗に言っている。マークは微笑み返した。「だとすると、西暦2201年ということになるね?街はだいぶ大きくなっているだろうね。」
「ええ、そうよ。巨大都市の一部になっていて、全ての道がそこまでつながっているわ。」少女は足元に広がる森を指差した。「2040番通りはあのカエデの森を突き抜けているのよ。」彼女は続けて言った。「あそこのニセアカシアの木立が見えて?」
「ああ。見えるよ。」
「そこに新しいショッピングセンターができているのよ。中にあるスーパーマーケットはとても大きくて、全部見るのに半日かかるぐらい。それに、アスピリンからエアロカーまで、ほとんどのものが揃うんだから。スーパーの隣には、っていうのはあそこのブナの木立の所なんだけど、そこには最先端のデザイナーの作品を取り扱う、大きな洋服店があるわ。今着ている服はちょうど今朝、そこで買ったの。綺麗でしょう?」
綺麗だとすれば、それは彼女が着ているからだ。しかしマークは礼儀正しくその白いドレスを観察した。見たことのない素材でできており、綿菓子と海の泡と雪を合成させたもののような気がした。きっと、ミラクルファイバー製造業者によって造られる合成技術に、もはや限界はないのだ。若い娘のほら話にしたって同じだ。「君はタイムマシンに乗ってここに来たんだね?」彼は少女に言った。
「ええ。父が発明したの。」
マークは彼女を注意深く見つめた。こんなに純粋な表情は今まで見たことがなかった。「ここへはよく来るのかい?」
「あら、そうよ。お気に入りの時代なの。時にはここに何時間も立っていて、ずっとずっと見ているのよ。おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。」
「でも、"昨日"というのはどういうことかな?」マークは聞いた。「いつも同じ時間に戻っているのではないの?」
「あなたの言いたいことは分かるわ。」少女は答えた。「どういうことかっていうとね、タイムマシンは普通のものと同じように時間の経過の影響を受けるのよ。もしきっかり同じ時間に行きたければ、毎回24時間戻して設定しないといけないの。私はそんなことしないわ。だって、違う日に来る方が楽しいもの。」
「お父さんは一緒に来ないのかい?」
頭上でガンの群れがV字の形を作りゆっくりと漂っていたのをしばらく見やってから、少女は「父は病気なの」と言った。「できることなら喜んで一緒に来ると思うわ。」彼女はそこで慌てたように付け足した。「でも、私が見たものを全部教えてあげるから大丈夫。一緒に来るのとほとんど同じよ。そうじゃなくて?」
そう訴える眼差しには、心に響くほどの熱がこもっていた。「絶対そうだよ」マークも熱をこめて言った。「タイムマシンを持っているっていうのは、素敵に違いないね。」
少女はまじめな顔でうなずいた。「美しい草原に立つのが好きな人たちへの贈り物だわ。23世紀には、そんな草原はあまり残っていないの。」
マークは微笑んだ。「20世紀でもそんなにたくさん残っていないよ。かなり貴重なコレクターズアイテムだと考えていいんじゃないかな。僕ももっと遊びに来ないといけない。」
「あなたはこの近くに住んでいるの?」と彼女はたずねた。
「ここから3マイルほどの小屋に泊まっているんだ。休暇のはずなんだけど、どうもちょっと違う感じでね。妻は陪審員で仕事に呼ばれてしまって一緒に来れなかったし。でも休暇を延期できなかったから、ソロー(*アメリカの思想家)を気取るはめになってしまったのさ。僕はマーク・ランドルフ。」
「私はジュリーよ」少女は言った。「ジュリー・ダンヴァース。」
その名前は彼女によく似合っていた。白いドレスも同じように似合っていた。青い空も、この丘と9月の風も似合っていた。恐らくこの少女は、森の中の小さな村にでも住んでいるのだろう、しかしそんなことはどうでもよかった。もし彼女が未来から来たふりをしたいのなら、マークは喜んでそれにつきあうつもりだ。困ったことなのは、彼が最初に少女を見たときの感情であり、彼女を見つめるたびに襲われる愛しさの方であった。「君は何の仕事をしているの、ジュリー?」彼はたずねた。「それともまだ学生かい?」
「秘書になる勉強をしているわ」彼女は言い、小さなステップを踏んでつま先立ち、可愛らしくくるりと回って胸の前で両手を組んだ。「本当に私、秘書になりたいのよ。」彼女は続けた。「大きくて立派なオフィスで働いて、偉い人たちが話すことを記録するのって、とにかく素晴らしいに違いないわ。私を秘書に雇ってみたいかしら、ランドルフさん?」
「もちろんだよ。」彼は言った。「妻は僕の秘書だったことがあってね、戦争前のことだけど・・・。それで僕たちは出会ったのさ。」どうして自分はそんなことを話したのか?彼にはわからなかった。
「奥さんはいい秘書でした?」
「最高だった。彼女を失うのは痛手だったよ。でも、秘書としては失うけれども、別の意味では手に入れるのだものね。だから、失うと言うのはふさわしくないな。」
「ええ、そうね。あら、ランドルフさん、私もう帰らなくてはならないわ。パパが、私が見たものを全部聞きたくて待っているし、夕飯を作らなくちゃ。」
「明日もここへ来るかい?」
「たぶんね。毎日来てるもの。今日のところはさようなら、ランドルフさん。」
「またね、ジュリー。」彼は言った。
マークは少女が軽い足取りで丘をかけ下り、カエデの森に――今から240年後の2040番通りなる所へ――消えるのを眺めていた。44歳の男は笑っていた。なんて可愛らしい女の子だろう、と思った。こんなにもとんでもなく不思議なこと、こんなにも人生をワクワクさせることは、刺激的であるに決まっている。彼は今までその2つを拒否していた分、いっそうありがたく思えた。20歳のとき、マークはロースクールで学ぶ真面目くさった男だった。24歳のとき、彼は自分の業務を持ち、それは小さいものだったが,彼は完全に夢中になった――いや、完全にではなかったけれど。彼がアンと結婚してから少しのあいだ、急いで稼ぐ必要はなくなった。そして、戦争が始まり、もう1つの期間――前のよりもずっと長いもの――があった。収入を得ることが、ときには卑劣な義務にさえ思えたほどに、マークが民間の仕事に戻った後それは大変なものであった。つまり、彼は息子を妻同様に支え、仕事はそれまで以上に忙しくなったのだ。最近は毎年、4週間の休暇――アンと息子のジェフと共にリゾートで過ごす2週間と、ジェフの大学が始まった後に湖のそばの小屋でアンと二人で過ごす2週間――を自分に許しているが。けれども今年はその2つ目の休暇を、一人きりで過ごしていたのだ。まあ、今となっては、一人きりというわけでもないかもしれないが。
パイプは少し前に火が消えていたが、彼はそれに気がついてさえいなかった。火をもう一度つけて、風を受けながら深く吸い込んだ。そして丘を下り、小屋に向かって戻り始めた。すでに秋分は過ぎ、日はかなり短くなっている。辺りはほとんど暗くなっていて、湿った夜がすでに、かすんだ空気の中に広がっていた。
マークはゆっくりと歩き、彼が湖に着く前に太陽は沈んでいた。湖は小さいが深く、森の木々がその淵まで生えていた。小屋は岸から少し行った松林が囲む所にあり、曲がりくねった小道が桟橋へ続いている。その後ろには砂利の車道が高速へ繋がる埃っぽい道へと導いていた。裏口には彼のワゴン車が止めてあり、時がくればマークをすぐに文明社会へ連れ帰るために待っている。
彼は台所で簡単な夕食を作って食べ、読書をしにリビングへ入った。小屋の発電機がブンブンうなっていることを除いては、近代人間が受け継いだうるさい音が邪魔していない静かな夜だった。暖炉の傍の、本がたくさん詰まった棚からアメリカの詩人の作品集を選び出して座った彼は、パラパラとページをめくる指を「丘の上の午後」で止めた。彼は大切にしているその詩を3回読んだが、読む度に少女が陽の光の中に立っている姿が浮かんだ。風になびく髪、長く華奢な足を柔らかな雪のように包み込む白いドレス・・・。彼は何かがぐっと、のどに詰まるような感覚を覚えた。
マークは本を棚に戻し、丸太作りのベランダへ出て、パイプを作って火をつけた。彼は妻であるアンのことを考えようと自分に強いた。アンの顔が脳内を占める――引き締まった、しかし優しいあご。温かく、思いやりのある瞳。そこには彼がどうしても正体がわからない恐れのようなものがあった。静かな柔らかさのある頬、優しい微笑み―。それぞれの特質は彼女の活気に満ちた明るい茶色の髪と背の高さ、しなやかな品の良さによってより強くなった。妻のことを考えるときはいつもそうなのだが、彼女が年をとらないことに――だいぶ昔の朝、マークが見上げ、びっくりさせてしまい、彼の机の前におどおどと立っている姿を見ていた頃――から変わらず、一体どうやって彼女が愛らしいまま年月を重ねてきたのかに、驚くのだった。あれからほんの20年後に、自分の娘ほど歳の離れた,空想好きな少女に会うことを心待ちにすることになるとは、想像もつかないことだった。いや、心待ちになどしていないさ――それほどには。一時の気の迷いだ・・・ただそれだけだ。少しの間、感情のコントロールが利かなくなって、ぐらついていたのだ。今や彼の足はきちんと地についていて、平穏で分別のある世界に戻っていた。マークはパイプをトントンとたたいて灰を出し、小屋の中へ入った。寝室に行き服を脱いで、ベッドにもぐり込み、電気を消した。彼はすぐに眠れる方なのだが、なかなか寝付けなかった。やっと眠くなってきた頃、からかうような夢とともに、ぱらぱらとした断片が彼を襲った。
"おとといは兎を見たわ"と彼女は言った。"きのうは鹿、今日はあなた。"
2
2日目の午後、ジュリーは青いドレスを着ていた。タンポポ色の髪には、結ばれた青いリボンがよく似合っていた。丘を登った後、しばらく彼は立ったまま動かず、のどにつまる何かが過ぎ去るのを待っていた。それから歩いていき、風に吹かれている少女の隣に立った。しかし彼女の首やあごのなだらかな曲線は、例の、のどの違和感を連れ戻し、彼女が振り返って「こんにちは、来てくれるとは思っていなかったわ。」と言ったときには、答えるのにかなりの時間がかかってしまった。
「でも、来たじゃないか。」やっとのことでマークは言った。「君だって。」
「ええ。」彼女は言った。「嬉しいわ。」
近くにある、露出した花崗岩がベンチのような形をしていたので、二人はそこへ座って景色を見渡した。マークはパイプを詰めて火をつけ、風の中に煙を吐いた。「私のパパもパイプを吸うわ。」少女は言った。「火をつけるときにはあなたと同じように、手を丸くしてつけるのよ。たとえ風が吹いていないときでもね。あなたとパパは似ているところがたくさんあるわ。」
「君のお父さんのことを話してくれないか。」マークは言った。「君自身のこともね。」
彼女は話してくれた。自分が21歳であること、父親は政府の物理学者を引退していること、2040番通りの小さなアパートに住んでいること。4年前に母親が亡くなってからずっと、父親のために彼女が家を切り盛りしていること。その後で、マークは彼自身のことと、アンとジェフのことを話した――いつかジェフと共同経営したいと思っていること、アンがカメラ恐怖症であること。結婚式の日に写真を撮られることを彼女がどんなに嫌がったかということ、それからもずっと嫌がっていること、家族3人で去年の夏キャンプに行って素晴らしい時間を過ごしたこと。
彼が話を終えたとき、彼女は言った。「なんて素敵な家族と人生を送っているのでしょう。1961年に暮らすのは素晴らしいに違いないわ!」
「君の持っているタイムマシンでなら、好きなときにここへ来ることができるだろ。」
「そんなに簡単にはいかないわ。パパを一人にしちゃうことを別にしても、時間警察を考慮しないといけないわ。あのね、時間旅行の権利は政府の支援を受けている歴史家のメンバーに限られていて、一般人には禁止されているのよ。」
「問題なくやっているように見えたけれど。」
「パパが自分でタイムマシンを発明したから。時間警察はそのことを知らないの。」
「だけど、それなら君は今も法を破っているということなんだね。」
彼女はうなずいた。「でも時間警察の人たちがそう思うってだけよ。彼らの時間の概念範囲でだけなのよ。私のパパはパパ自身の概念を持っているわ。」
彼女が話すのを聞いているのはとても楽しかった。話している内容はそれほど重要ではなく、嘘みたいな話だろうと何だろうと、とりとめなく話していてほしかった。「その話、聞かせてくれないか。」彼は言った。
「まず、公式の概念についてお話するわね。公式概念を支持する人は、未来から来る人誰一人として、過去で起きるどんなことにも物理的に関わってはいけないと言っています。なぜなら、未来の人の今現在に矛盾が生じてしまうし、それに、未来の出来事はその矛盾に合わせるために、入れ替えられてしまうからよ。その結果、時間旅行省は権限を認められた職員のみがタイムマシンを使えるよう徹底して、もっと素朴な人生を切望したり、永遠にいつでも別の時代へ行けるよう歴史家を偽ったりする時間旅行者を取り締まるための,警察を配備したの。
でも私のパパの概念によれば、時間のシナリオはもう記されているんですって。とっても広い視野で見ると、パパが言うには、起ころうとしている全てのものは、すでに起こっているのよ。だから、もし未来からやって来た人が過去の出来事に関わったら、その人はその出来事の関係者になるってことなの――それに関わったという単純な理由でね――というわけで、矛盾が生じるわけがないんだわ。」
マークはパイプが欲しくなり、深く一服した。「君のお父さんはとても面白い人のようだね。」彼は言った。
「あら、そうなのよ!」熱で彼女の頬がピンク色に染まり、瞳の青い色を輝かせた。「あなたはパパが読んだ本の数を信じられないと思うわ、ランドルフさん。もう、私たちのアパートは本で破裂しそうよ!ヘーゲル、カント、ヒューム、アインシュタイン、ニュートンにヴァイツゼッカー。私も・・・私だって、いくつか読んだわ。」
「僕も同じぐらい持っているよ。僕も読んだ。」
少女はうっとりと彼の顔を見つめた。「なんて素晴らしいの、ランドルフさん。」彼女は言った。「私、かけてもいいわ!私たちは本当に趣味が合うって。」
続いて起こった会話は、そのことを決定的に裏付けた――超越論的審美学、バークレイアニズムと相対性理論は、9月の丘の上で中年の男と少女が議論するには、およそふさわしくない話題だったと、彼は間もなく考えた。まして男は44歳で少女は21なのだ。しかし幸運なことに、そこには補うものがあった。彼らの超越論的審美学についての活気溢れる議論は、先天的または後天的な結論よりも重要なこと引き出した。とっても小さな宇宙を、彼女の瞳に引き出したのだ。彼らのバークレイの分析は善良な主教の元来の弱点を挙げるだけではなく、少女の頬に赤みをさす手助けもした。そして彼らの相対性理論の考察は、Eが一定不変にmcの2乗に等しいこと以上に、知識は邪魔者なんかではなく、女性的魅力を引き出すことを証明した。
その瞬間の雰囲気はずるずると、思った以上に長く続き、マークがベッドに入るときもまだ彼を取り囲んでいた。その時間、彼はアンのことを考えようとすらしなかった。うまくいかないと思ったのだ。そうする代わりに、暗闇の中に横たわり、次々と浮かんでくるものにとにかく思考を任せた。するとどれもこれもが、9月の丘とタンポポ色の髪を持つ少女のことばかりだった。
"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
翌朝、彼は小さな村まで車を走らせ、自分に手紙が届いていないか郵便局へ確認に行った。何も届いていなかったが、別に驚かなかった。ジェフは自分と同じぐらい筆無精だし、アンは今、外部と連絡を取れないのだろう。マークは仕事をしているとき、秘書に、本当に緊急でない限り連絡するなと言っていた。
彼は皺だらけの郵便局長に、この辺りにダンヴァースという一家が住んでいるかを尋ねようか考えた。しかしやめた。ジュリーがせっかく、わざわざ作りあげた関係を壊してしまうことになるし、彼は自分たちのそんな関係を信用に足るものだとは思っていなかったが、崩したいとも思わなかった。
その午後、彼女は髪の毛と同じ黄色い色のドレスを身に纏っており、やはり、彼女を見たときに彼ののどに何かがつまる思いがして、口をきくことができなかった。けれどその瞬間が過ぎ去り言葉が出始めると順調で、二人の思いは活き活きとした小川のように、午後の涸れ谷を陽気に横切っていった。今回、二人が別れるときにこう聞いたのは少女の方だった。「明日はここへいらっしゃるの?」――これは彼の台詞を盗っただけではあるが――その言葉は森を抜けて小屋へ帰る間じゅう、彼の鼓膜で歌い踊り、ベランダでパイプをふかす夜の後には子守唄となり彼を眠りへ導いた。
次の日の午後に彼が丘へ登ったとき、そこには誰もいなかった。最初、彼は何も考えられないほどに失望した。そして彼は考えた。彼女は遅れている、それだけだ。もうすぐ来るだろう。それから彼は花崗岩のベンチに腰を下ろして待つことにした。しかし彼女は来なかった。時間は何分と経ち――何時間と経った。森の影は這うように伸び、丘の途中まで登ってきていた。空気も冷たくなってきた。彼はとうとうあきらめ、みじめな様子で小屋へ向かった。
その次の日の午後も彼女は現れなかった。次の次の日も。彼は食べることも眠ることもままならなかった。釣りはつまらなくなり、読書もできなくなった。その間じゅう彼は自分自身が嫌いだった。失恋した学生のような体たらくの自分が嫌いだった。可愛らしい顔や足に舞い上がる他の40代の馬鹿どもと変わらない自分が嫌いだった。数日前までの彼は妻以外の女性が気になることすらなかったというのに、今や、1週間も経たないうちに、少女が気になるどころか恋に落ちるまでになってしまったのだ。
4日目に丘に登ったとき、マークの希望はすっかり消えていた――しかしふいに、希望は太陽の中に立ったときによみがえった。彼女は今度は黒いドレスを着ていたので、彼は彼女がなぜ来なかったのか理解できたはずだった。けれど彼はわからなかった――丘に登って、彼女の目から涙がこぼれ、唇が震えだすのを見るまでは。「ジュリー、どうしたんだい?」
少女は彼にすがりついた。その肩は震え、彼の上着に顔を押し付けた。「パパが死んじゃったの」彼女は言った。それからどういうわけか、彼は、彼女が葬儀のあいだ涙を流さずにいて、父親が死んでから今ここで初めて泣いたのだと悟った。
彼は彼女に優しく腕を回した。彼は今まで彼女にキスをしたことはなく、このときは・・・軽くしかしなかった。彼の唇は彼女の額を遠慮がちに触れて、少しだけ髪にも触れた。――それだけだった。「かわいそうに、ジュリー」彼は言った。「君にとってお父さんがどれだけ大きな存在だったか、僕にはわかっているよ。」
「パパには自分が長く生きられないことが、ずっと前からわかっていたのよ」彼女が言った。「研究所でストロンチウム90の実験をしていたときから知っていたんだわ。でも誰にも言わなかった――私にさえも・・・もう生きていけないわ。パパがいないなら、生きる意味なんて何もないわ――何も、何も、なんにも!」
彼は少女をきつく抱きしめた。「君は何か見つけるさ、ジュリー。そして誰かを、ね。君はまだ若い。だってまだ子供じゃないか、そうだろう。」
彼女は急に頭をぐいと引き、涙の引いた瞳を彼に向けた。「子供なんかじゃないわ!そんなこと言わないで!」
驚いた彼は彼女を離し、後ずさりした。彼女の怒った顔を初めて見た。「そういう意味では・・・」彼は言いかけた。
彼女の怒りはその唐突さに劣らず、儚いものだった。「私を傷つけようとしたわけじゃないことはわかっているわ、ランドルフさん。でも私は子供ではないわ、本当に、子供なんかではないのよ。もう二度とあんなこと言わないって約束して。」
「わかった」彼は言った。「約束する。」
「もう行かなくちゃ。」彼女は言った。「やることが山ほどあるの。」
「ねえ・・・明日は、ここへ来るかい?」
少女は彼を長い間見つめていた。夏のにわか雨の後の霧のせいで、彼女の青い瞳は輝いていた。「タイムマシンが壊れかけているの」彼女は言った。「取り替えなくてはならない部品があって・・・でも私はどうやればいいのかわからないのよ。私たちの・・・私のタイムマシンはたぶん、あと1回ぐらいなら使えるかもしれないけど、でもそれもわからないわ。」
「でも、来ようとしてはくれるんだよね、そうだろう?」
彼女はうなずいた。「ええ、やってみるわ。それで、ランドルフさん?」
「なんだい、ジュリー?」
「もし来れなかったときのために・・・覚えておいてもらうために言うけど・・・私、あなたを愛してるわ。」
そして彼女は行ってしまった。丘を跳ねるように駆け下り、一瞬で、カエデの木立の中へ消えてしまった。マークの手はパイプに火をつけるとき震えていて、マッチで指を火傷してしまった。その後どうやって小屋へ戻ったのか、夕食を済ませたのか、ベッドへ入ったのか、思い出せない。自分の部屋で目が覚めて、朝キッチンへ行くと水切り台には夕食の後の皿が置いてあったので、それらのことは全て済ませているはずなのだけれど。
彼は皿を洗い、コーヒーを入れた。朝は桟橋のふちで釣りをして過ごし、何も考えないようにつとめた。後で現実に直面するのだ。今は、彼女が彼を愛しているということと、あと数時間後にもう一度ジュリーに会えると思うだけで十分だった。壊れかけたタイムマシンでも、あの小さな村から丘まで彼女を運ぶのに、何の問題もないはずだ。
彼は丘に早めに到着して花崗岩のベンチに座り、少女が森から出てきて丘を登るのを待っていた。自分の動機が早鐘を打つように聞こえてきて、手が震えているのがわかった。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
彼は待って待って待ち続け、そして少女は来なかった。次の日も来なかった。影が長くなり空気が凍るほどになると、彼は丘を下りカエデの森へ入る。やがて彼は森の中へ続く小道を見つけ、正確に辿り、あの小さな村へ抜けた。小さな郵便局の前に立ち寄り、手紙が届いていないか確認した。皺だらけの郵便局員が何も届いていないと告げた後も、彼は少しの間ぐずぐずと残っていた。「あの・・・この辺りに、ダンヴァースという名前の家がありませんか?」彼はつい口に出してしまった。
郵便局員は首を振った。「聞いたことないね。」
「最近、町でお葬式がありませんでしたか?」
「ここ1年ぐらいはないと思うがね。」
それからというもの、彼は休暇が終わるまで毎日丘に登ったが、心の中では少女が戻ってこないことがわかっていた。彼女はまるで最初から存在しなかったかのように、全く彼の元から消えてしまった。夕方には取り憑かれたように村へ通い、やけになって、郵便局員が勘違いしているという希望を抱いていた。しかしジュリーを思わせるものは何も見つからず、彼女の容貌を通りすがりの人に説明してみても、欲しい情報は何も得られなかった。
10月の始め、彼は街に戻って来た。できる限り、アンとの関係は何も変わっていないように振る舞った。しかし彼女は少し彼を見ただけで、何かが変わったことに気付いているようだった。彼女は何も聞かないけれど、月日が過ぎるにつれて口数が少なくなり、アンの瞳に見えるあの恐れは、日に日に顕著になっていってマークを困惑させた。
彼は、日曜日の午後は田舎までドライブして丘を訪ねる習慣にした。木々はもう黄金色に染まり、空は1ヶ月前よりも青くなっていた。数時間の間、花崗岩のベンチに座り、あの少女が姿を消した所を見つめていた。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
11月半ばの雨の夜、彼はスーツケースを見つけた。それはアンのもので、偶然見つけたのだった。彼女は町へビンゴをしに行っており、家には彼1人だった。4つほどやかましいテレビ番組を2時間見た後、彼は前の冬に奥へしまったきりのジグソーパズルを思い出した。
何でもいい――どんなものでも構わない――そう思った彼は、ジュリーのことを忘れるため、パズルを取りに屋根裏部屋へ上がった。彼がそのそばに積まれた箱を引っ掻き回して探しているときに、そのスーツケースは棚から落ちてきたのだった。そして床にぶつかりはじかれたように開いた。
彼はスーツケースを拾うためにかがんだ。それは結婚当初借りていた小さなアパートへ彼女が持ってきたものと同じで、彼女が常に鍵をかけて、笑いながら、妻が夫にさえも秘密にしておくべきものが入っているのだと言っていたのを思い出した。鍵は年月を経て錆びており、落ちた衝撃で壊れていた。
ふたを閉めようとして、白いドレスのすそがはみ出ているのに気付き、彼の動きは止まった。その素材はなんとなく見たことがある。これと似た素材を見たのは、そんなに前のことではない――綿菓子と海の泡と、雪を思わせる素材だ。
彼はふたを開け、震える指でドレスを取り出した。その肩の部分をつかみ広げてみると、優しい雪がふわりと部屋に舞っているようだった。そのドレスを長い時間見つめていると、のどに何かがつまるような思いがした。それから優しくドレスをたたみ直し、スーツケースへ戻してふたを閉めた。スーツケースはひさしの下のあるべき所へ戻した。"おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。"
雨は屋根を打ちつける。のどにつまる何かは、今や泣きそうになるほどとても痛かった。ゆっくりと、彼は屋根裏部屋の階段を下りて、螺旋階段からリビングへ入った。暖炉の上の時計は10時14分を告げている。数分のうちにアンの乗ったビンゴバスは彼女を角で降ろし、彼女は通りを歩き、玄関に着くだろう。そしてアンは・・・いや、ジュリーは。ジュリアンだろうか?
それが彼女のフルネームだったろうか?おそらく、そうだろう。人はいつだって、呼び名を決めるときに元の名前の一部を残すものだ。名字を完全に変えることで、彼女は恐らく、名前の方は本名を残しても安全だと考えたのだろう。名前を変えることの他にも色々したのだろう・・・時間警察から逃れるために。彼女がちっとも写真を撮られたがらないはずだ!昔、仕事をもらうためにびくびくしながらマークの事務所を訪ねたときは、どれほど恐い思いであったことだろう!知らない時代に一人ぼっちで、父親の時間の概念は正しいのかもわからず、40歳で彼女を愛してくれるであろう男性は20歳でも同じ気持ちを抱いてくれるのかも、わからないままだったのだ。彼女は自分で言っていた通り、ちゃんと戻ってきたのだった。
"20年間"と、彼は不思議に思った。"ずっと知っていたんだ。9月のある日、俺が丘へ登り、彼女の姿を・・・太陽の中に佇む、若くて、愛らしい姿を見て、そして再び恋に落ちることを。知っていたに決まっている。あれは私の未来であったと同時に、彼女の過去であったのだから。でもなぜ言ってくれなかったんだ?どうして今もなお黙っているんだ?"
彼はふいに理解した。
息が苦しくなり、玄関へ行きレインコートをかぶって雨の中へ飛び出した。土砂降りの中を歩き、彼の顔を雨が強く打ちつけて雫が頬を滴り落ちる。雫は雨だけでなく,涙も混じっていた。アンのように――ジュリーのように――永遠に美しい人が、いったいどうして老いることを恐れるのだろうか。彼の瞳の中では色褪せることがないとわからなかったのだろうか――小さな事務所に立つ彼女を仕事机から見上げると同時に恋に落ちた瞬間から、彼女は1日も老いることはなかったと。だから丘で見た少女が彼には別人に見えたのだと、わからなかったのだろうか?
彼は通りに着き、角まで歩き続けた。彼女を乗せたビンゴバスが止まる頃、彼はそのすぐそばまで来ていた。白いトレンチコートを着た少女が降りてきた。のどにつまった何かはナイフのように鋭く尖り、マークはまったく息ができなくなった。タンポポ色の髪の毛は茶色く落ち着いて、少女らしい魅力はなくなっている。しかし優しげな愛らしさはその穏やかな顔に残っていて、長くほっそりとした脚には上品で均整のとれた美しさが、11月の通りの淡い光に照らされている。9月の太陽の黄金の輝きの中では知り得なかった美しさ。
彼女は彼のところまで歩いてきた。その瞳には、見慣れたあの恐れがあった――その強烈な恐れは忍耐のしるしだった。もう彼にはその原因がわかっている。彼女の姿はかすんでいて、よく見えないまま彼は彼女のもとへ歩いたが、そこへ辿り着いたときには視界ははっきりとしていた。彼は何年もの時を経て彼女に手が届く。雨で濡れた頬に触れた。彼女はそれですべてを悟って、瞳の奥の恐れは永遠に消え去った。彼らは手を取り合い、雨の中を家に向かって歩いていった。
<参考>
THE DANDELION GIRL原文
訳1
訳2
いかがでしたか?
正直、私は、ふぅん・・・って感じでした。笑
ロマンチックで、いい話ではありますけどね。
ビブリアの大輔くんは「読んでよかったと思える内容だった」とだけ感想を述べていて、
これは小説のネタバレを書きたくないからなのでしょうけど、私はリアルにその程度の感想でした。
そもそもタイムトリップものって、辻褄合わせようと考えるとわけわかんなくなっちゃうんで苦手なんです^^;
↓ブログラムに参加してます。
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>画像 「たんぽぽ娘」イメージ
PSE。
母の葬儀のとき、26年前の結婚式の写真を見て、ここの投稿を思いだした。
変わり果てた妻の顔を見慣れていると、結婚式当時の妻が目の前に現れたら、絶対に分からないと思いました。
返信遅くなってすみません!
ご訪問ありがとうございます^^
「私を月に連れてって」知りませんでしたが、「たんぽぽ娘」引用されているんですね。
まだ修正すべきところがたくさんあるであろう訳文ですが、ASさんを気になっていた作品に導くことができて嬉しいです⭐️
ありがとうございました。
こんにちは。
こちらこそ、また来てくださって嬉しいです!
ありがとうございます☆
そ、そんなに訳を気に入っていただけて光栄です*><*
SFはただのファンタジーとは違う独特の魅力がありますよね。
私はなかなか手にとらないジャンルなのですが、佐藤さんの思い出に残っている作品は読んでみたいです^^
大人になっても心に残る作品があるというのは幸せですよね。
色鮮やかで存在感があるということでは、確かに真っ赤なバラの花のようですね。
素敵な例えです!
♪真っ赤なバーラーが~ 笑
実は、たんぽぽ娘の他にも好きだったSF作品がたくさんあります。
(今一度minacoさんの訳で読めたらいいのになぁ。)
例えばC・L・ムーアのシャンブロウとかは、まさにSFファンタジー最高の一品です。
思い出せば、E・R・バローズ、レイ・ブラッドベリ、エドマンド・クーパー。
ほんと、学生の頃読んだSFの郷愁は尽きないですね。
今でもSFは、私の心の庭にそっと咲き続けております。真っ赤に咲いたバラの花。
(歌にあったなぁ。。バーラが咲いた~ 古いって笑)
こんにちは^^
ご訪問ありがとうございます!
大学生の頃に、この作品に出会われたのですね。羨ましいです。
拙い訳ですが、そう言っていただけて大変嬉しいです。
少女のキャラクターについては最初から疑うことなく佐藤さんのおっしゃるように、ただただ純真なものだと思っていましたので。
でも物語を訳すというのは、わかっていたけどかなり難しいですね^^;
佐藤さんや他のご覧いただいた方のコメントを読んで、今まで私が知らなかったこの物語が、たくさんの方の心に残っているんだということに感動しています。
佐藤さんの青春時代の素敵な出会いを壊さないで済んだようで安心いたしました。笑
私も恋愛憧れ女子ですけれども(というほど若くもないですが。。)まっすぐ愛に生きてみたいですね。
嬉しいお言葉を本当にありがとうございました
当時は彼女もいなくて、内気でまともに女性に声もかけられないSF小説好きの恋愛憧れ青年でした。
当時、たんぽぽ娘を読んでえらく感動して、涙ぐんだことを思い出します。あれから30年が過ぎて、今では髪に白髪が混じる24歳の娘がいる中年男になってしまいましたが。。
過去3名の方々の訳文を読ませていただきましたが、今日初めて読ませていただいたminacoさんの訳が一番素晴らしいと思いました。
たんぽぽ娘の情景を完璧に表現されております。
実は、批判ではないのですが、過去の訳文はちょっぴり不満だったのです。 そう、たんぽぽ娘はあくまでも純真な少女なのです。一途に彼を愛して、最後のタイムマシンを使って、かつて青年だった彼のところに現れるのです。いたいけな少女が愛のために命を投げ出して彼のもとにやってくる。最後のタイムマシンなのだから当然もう後戻りはできないですね。
まさに本気の命がけの愛の表現です。51歳の今でもこの勇気ある純真一途な愛の表現に感動します。
この情景が一番素敵に表現されていたと思います。
またまた感動させていただきました。ほんとありがとうございました。
ご訪問ありがとうございます!!
ドラマをご覧になったのでしょうか。お役に立ててなによりです^^
小説ビブリアは5巻が発売されました。
読むのはこれからですが、私の中でビブリア熱再燃な予感ですw
本当にいいですね。
本当ですか!面白いですよね、ビブリア^^
確かに、程よく待ち遠しい発売テンポかもしれませんね!笑
登場した本にも興味を持てるので、2倍3倍と楽しめますよねv
私もドラマは観なかったです。ちょっとぐらい見ればよかったと思うような思わないような。
マンガ、私からすれば、どのように作られているのか未知の世界で尊敬です!
またのぞかせていただきますね^^
表紙のキャラクターのイメージが強いのでテレビ版はまったく見ていません、次はどの本がテーマなのか何時も楽しみです
絶対零度の私のブログ見ていただいて本当にありがとうございます、
まったく絵がかけない&物語もつくれない人間のマンガです、絶望的に暇な時にまたいらしてくださいませ。
それはよかったです!笑
そうなんですね。
私も読書は家ではあまりしないので、文庫派です。
文庫ばっかり読みすぎて、ハードカバーはめくりにくくなってしまいました^^;
「たんぽぽ娘」は短い物語ですから、図書館でも十分読めそうですね^^
ぜひ探してみてください!
私も英語力は大したことないですが、今回はビブリアへの情熱から訳し終えましたw
サイトのぞかせていただきましたが、KIM uraさんは素晴らしい特技をお持ちだと思います!
電車で読むもので、文庫本しか買えません(懐と部屋も関係してます(ボロ屋なもんで))
伊藤典夫(あの名作2001年宇宙の旅の) 訳 / 牧野鈴子(知らない) 装画、タンポポさんのみで1000円・・・図書館を探します
石森章太郎さんの名作”昨日はもう来ない、だが明日もまた”思い出しました
ちなみに英語力全く”ゼロ”の私です。
こんにちは^^
絶版だったのは結構前からだったようですね。
でも出版はビブリア効果かもしれません・・・笑
とても嬉しいご感想ありがとうございます。
ちょっと英語が好きなだけの素人なので、kim_uraさんのように訪れてくださった方に喜んでいただけると、本当に嬉しいですし励まされます。
よい眠りにつけましたでしょうか?笑
コメントありがとうございました。
2000円ぐらいの奇想コレクションのことしか知らなかったのですが、1000円ぐらいでこの作品のみを扱っている書物も出たみたいですね!
ようやく発売と思ったら”値段”が・・・
久しぶりに検索して、ようやくここにたどり着きました
素晴らしい翻訳だと思います、後半に入ると滑らかな流れになり、とても良かったです
序の部分で物語は見えましたがそれでも美しい作品でした
本当にありがとうございました、これでゆっくり眠れます。
ありがとうございます!
畏れ多いです・・・が、とても嬉しいです><
訂正した方がいいと思われる箇所がまだそのままなので(すみません)、不自然なところもあるかと思いますが、坂井公さんに気に入っていただけて光栄です。
「栞子さんの本棚」知りませんでしたので、検索しました!本屋さんに行ったら見てみようと思います^^
こちらこそ、コメントありがとうございます!!
もったいないお言葉です*><*
気分よく読んでいただけたなら私も嬉しい限りです
英語も難しいし、訳を形にするのは本当に大変だなと今回思いました。
色々と勉強になりました。
翻訳本ももうすぐ発売ですね。ぜひそちらもチェックなさってください^^
感謝します。ありがとう。
和訳本が再販されたら買いたいですが、古書店になかったので「たんぽぽ娘」でググってここにきました。
とてもうれしいです。すっきりしました。
原文をすらすら読めるようになりたいです。
がんばって勉強することにします。
違う言語のどんな文章に置き換えるか、人柄の部分もおおきくあらわされてきているものだと思います。
minacoさんってきっとステキなひとなんだろうなぁ、と思いました。
とんでもないですありがとうございます><
>srkさん
こんにちは!
ドラマの後さらに小説もお読みになったんですね!
それからこの物語を探されたということで・・・さぞ気になられていたことでしょう。。
そうですよね。探しますよね「たんぽぽ娘」。笑
私もネットや、デパートでやってた古書市などで出会えないかとずいぶん探したものです。
パッと手が届く価格のものは無いですよね・・・
私訳には不自然な箇所もまだあるかと思いますが、srkさんがスッキリすることができて私も嬉しいです♪
きちんとした翻訳もぜひぜひチェックなさってください!^^
こちらこそ、コメントありがとうございました!
そのあとに小説を読みました*
どちらにもたんぽぽ娘が出てきてたんぽぽ娘を読んでみたいなと思ったけど「絶版」になってたのでショックでした*古本屋で探してみても全然なくて・・・
ネットショッピングでも探してみたけど状態がわからないのでなかなか買えませんでした*
でもネットで探している時にこのサイトを見つけました
本で読んで見たかったけどとりあえず内容を知ることができてよかったです*
また本の方を探してみたいと思ういます
また河出書房新社さんから5月28日に
たんぽぽ娘{奇想コレクション}が発売されるとゆうことでしたのでそちらの方もチェックしたいとおもいます
素敵に訳してくださりありがとうございました
はじめまして^^
小説の読者さんなんですね☆私もですよ!
喜んでいただけて嬉しいです。
私もビブリア3巻を読んで調べてみて、「たんぽぽ娘」がまだまだ読めなそうだとわかったときは「生殺しだ!」と思いました。笑
短い物語で助かりました・・・笑
そうですね。ジュリーの一途さは物凄いものがありますね。
お父さんが亡くなった今は、マークが彼女の全てであったからできたことなのでしょう。
にゃ~2004さんが、感動できる物語に出会えるお手伝いができてよかったです。
こちらこそコメントありがとうございました。
私訳を読んで”知らなかったけど、すごく好きなお話になった”と感想を伝えてくださる方がたくさんいらっしゃいますが、ビブリアは確実に本と人とを結んでいるようで、大変大きな影響を及ぼしている気がしますよ。
私自身は「それから」を読んで、漱石って面白いんだと知りました。
これからのストーリーや登場古書が楽しみですね
小説「ビブリア」の読者です。
ドラマは、個人的にキャスティングのイメージに違和感があったので、あえて観てませんでした(ファンの方、すみません)
「ビブリア3」を読んでから、ずっと気になっていた「たんぽぽ娘」ですが、近所の書店で探しても、図書館で探しても全然見つける事ができず、絶版になって入手困難な状態なのを知り、読めないかも・・・とあきらめかけていました。
ネットで検索してみよう、と検索したところ、こちらのHPにたどり着き、一気に読ませていただきました。
私は英語が苦手なので、翻訳できるなんてすごいな~と憧れてしまいます。
ロマンチストな女子なので、結末に大満足です。
自分が生きた時代も、本名も、何もかもを捨てて、愛してもらえるかどうかわからない恋に全てを捧げる少女の深い愛に感動しました。
著作権等、難しい事はわかりませんが、絶版で読みたくても読めない、困っている方に手を差し伸べて下さったminaco様に深く感謝致します。
ありがとうございます^^
ドラマも、もうすぐ最終回ですね!
そうなんです。「たんぽぽ娘」は絶版後、何年も発売復活を待ち焦がれられながらも色々あって刊行されていなかったのが、ついに5月末に手が届くみたいです!
物語をお気に召したのでしたら、ぜひそちらもチェックしてみてください☆
一見シンプルですが、皆様のご感想を読んでいると、深い意味が散りばめられている話なんだなぁと思います。
読書がお好きなんですね^^
私はSFはあまり読まないのですが、推理小説は結構好きですよ。推理はできませんが。笑
本から離れていても、ふと読み始めるとまた習慣になるかもしれませんねv ビブリアのように、本がたくさん紹介される作品に触れるというのは、そんなよいきっかけになりますよね!
そして新たに素敵な作品に出会われるといいですね
>uccelloazzurroさん
いえいえ、知らないことばかりでした。笑
ご教示ありがとうございます。
「翻訳作品集成」は、これから役に立ちそうです!
>情景=心理について
大変面白い講義ありがとうございます。
あまり原文も読むということはないのですが、翻訳と読み比べることがあれば、そういうことを思い出しながら今までよりも深く作品を読んでみたいと思います。
直訳ではいけないし、かといって読み違えてしまったり飛躍させすぎてしまうと別のお話になりかねませんから、翻訳って難しいですよね。
捕捉です。
伊藤典夫新訳『たんぽぽ娘』が河出書房と復刊ドットコムから同じ時期に出ることになって、何か問題が発生しないか心配したのですが、両方から何の問題もなく出るということを確認したので、少し安心しました。
私が読んだ「たんぽぽ娘」は創元SF文庫のジュディ.ス・メリル編集のアンソロジーでした。訳者は、007シリーズで有名な井上一夫氏でした。
ご存知とは思いますが、日本で翻訳の出ている作品の訳者等を調べるには、次のサイトが便利です。
http://homepage1.nifty.com/ta/index.html
翻訳というのは、和訳と違って、作者の意図を推量して、つまり作者が意図した作品構造とそれに付随する技法を推量して、それに沿って訳していくことだと私は思っています。つまり、疑似作者になって、作品を訳していくことだと。そのためか、以前の翻訳家は小説家崩れが多いと言われていました。
情景=心理について。
近代以前の物語は神の視点で書けたので、作者が勝手に登場人物の内面に入って行ってそれを読者に伝えることができたのですが、近代以降の小説は客観を装わなければならなくなったので、登場人物の内面をうまく読者につたえられなくなり、窮余の一策として情景=心理という方法が発明されました。もうひとつ有名な方法は分身ですよね。主人公と類似の立場の登場人物を配し、それを主人公に観察させて、観察内容が同時に主人公の心理と類似であることを暗示するやり方です。例えば、主人公が恋をしていたら、周辺に恋をする別の人物を配するやり方です。同時に違いも浮き彫りに出来ます。
「たんぽぽ娘」は文法上は3人称だけど、視点は1人称的というか、主人公の主観で彩られている感じだと私は理解しています。loudly(客観的)とaloud(動作主の主観)の違いも、また風景描写=心理もそこから出てきたのだと。
堅い話ですみません。
ところで、「たんぽぽ娘」は、ジャック・フィニイの「愛の手紙」(『ゲイルズバーグの春を愛す』所収)と双璧の二大恋愛SFと呼ばれて来たのですが、そちらは当然ご存知ですよね。後者の方は日本の作品にモチーフをパクられまくって、有名過ぎるくらい有名なストーリーなのですが。
釈迦に説法みたいなことばかり書きました。
すみませんでした。
ご訪問と情報ありがとうございます。
私も昨年ビブリアの小説で「たんぽぽ娘」を知ったときに、検索していて「奇想コレクション」が何年も発売予定のままだということを知りました。
待望の刊行は、「たんぽぽ娘」ファンの後押しが強まったおかげでしょうね。
私訳もお読みくださりありがとうございます。
翻訳とは呼べないレベルだとは承知しております^^;
数点ご指摘も受けておりますので参考にしながら、これからも改善を続けていきたいと思っております。
伊藤典夫さん以外の訳もあるのですね。知りませんでした。
風景描写はそれだけで読みづらいものですが、わかりやすいように日本語にするのは至難の技ですね。
なるほど、心理描写ですか。確かにそうかもしれません。
”伊藤さんは情景描写の翻訳が苦手”。そうなのですか。
注意すると翻訳家さんによって個性がありますよね。
興味深い情報ありがとうございました^^
他の人が既にその情報は書いていたのですね。すみません。先程はじかんがなかったもので。
編集者からメールを貰ったのは、去年の年末だったのですが、その時点では『たんぽぽ娘』今春発売ということだけは来ていたのですが、具体的な日程はまだ決まっていなかので。
翻訳、走り読みですが読ませて戴きました。
昔読んだ翻訳とも随分雰囲気が違うし、英語の原文から私が受ける印象とも随分違うなと思いました。ただ、いろんなところで昔読んだ翻訳の文章はこうだったと思い出しました。asked her aloudは「彼女(「相手」だったかも)に聞こえるように、問いかけた」だったような。
それと、風景描写は情景として、つまり主人公の心象の反映なので、それに沿った翻訳でした。私の読んだのは、伊藤典夫訳ではなかったような記憶があります。伊藤さんは情景描写の翻訳が苦手というのが私の印象なので。
こちらこそ、ご丁寧にありがとうございました!
きちんと読ませていただいて、連絡いたします^^
メールは読ませていただいたのですが、英文や自分の訳と照らし合わせるのはまだこれからなので、楽しみです。
そういう本があるのですね!
誤訳を挙げながら解説する本は「星の王子様」版なら読んだことがありますが、面白いですよね。
「誤訳の構造」も、書店に行ったら見てみますね!
ビブリア、楽しまれているようでよかったです^^
私も読んだことない本ばかりで、何冊かビブリアの影響で読みました。
メール、ご覧いただいたようでありがとうございます。引っ越しでお忙しいところ、長々とすみませんでした。疑問等ありましたらいつでもかまいませんのでおっしゃってください。
拙い解説でしたが、褒めていただきありがとうございます:-)
解説は中原道喜著「誤訳の構造」(聖文新社)を参考にしました。プロが誤訳した英文を通して、正しい読み方を教えてくれる本です。
僕の解説よりはるかにわかりやすくてためになる(特に比較のところ)ので、書店などで見かけたら是非チェックしてみてください。
ビブリアは2巻まで読みました。一話完結なので少しずつ読んでいますが、静かな雰囲気で面白い作品ですね。
紹介されている本も恥ずかしながらほとんど読んだことがないので、これを機に読んでみようと思います。
すごかったです^^;
ドラマご覧になったんですね。小説と雰囲気が・・・ということは、小説はもうお読みになられたということでしょうか!お気に召してくださったなら嬉しいですが^^
メール届いております!
すぐに返信すべきところを、申し訳ございません><
salamanderさんの解説はとても見やすくて、そこらの参考書よりもわかりやすいので勉強になります!
お時間かかったことでしょう。ありがとうございます
照らし合わせながら、修正すべきところは修正したいと思います。またしっかり確認したあと、連絡いたします!
>さとるさん
本が手に入りにくいと、ますます気になってしまいますしね。笑
私も検索していったときに、原文がWeb上で読めると知ったときは「やったー!」と思いました。笑
楽しんでいただけて嬉しいです^^
こちらこそ、ありがとうございます!
ありがとうございます(*^^*)
私、テレビを初めて見たときに「たんぽぽ娘」でしたので、気になって仕方なかったので、和訳したものを見つけたときは、感動しました。
本当にありがとうございます(^3^)/
僕も放送は見ましたが、小説と雰囲気が違うものの結構楽しめました。
「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。」という例の台詞も出てきましたが「なんであんたがその状況でその台詞を?」というトンチンカンなシーンになっててちょっと笑いました。
遅くなってすみませんが、先日、訳文についての指摘をメールを送りました。
ご覧いただけたでしょうか?
よかったら、ご参考にしてみてください。
個人的にバタバタしておりまして、返信が遅れて申し訳ございません。
拝読いたしてはおりました。
コメントに書いてくださっている方もいらっしゃいますが、伊藤典夫さん訳「たんぽぽ娘」が、河出書房新社さんから5月28日発売予定だそうです!
プロの翻訳が読めるのは楽しみですね^^
*ブログではずっと、敬称を「さん」にしておりますので、通させていただきます。ご了承ください。
>Panpkinさん
こちらこそ、ありがとうございます^^
そう思える物語にPanpkinさんが出会われるお手伝いができて嬉しいです!
>あーるんさん
ビブリアのドラマ、見てみればよかったですTT
ドラマではどんな演出だったのかわかりませんが、原作でもとても気になる描かれ方だったので、お気持ちはわかります。笑
感想、そうですか。笑 とてもシンプルな物語ですから、ロマンチックなんですが、さっぱりとした印象になるのかもしれませんよね。私たちには。^^
読みやすかったとのこと、嬉しいです。ありがとうございます!
>sighnsighnさん
ありがとうございます^^
男のロマン!そうですね。夢もときめきもあって、素敵な物語ですね☆
>イヌ犬さん
こちらこそ、ありがとうございます。
私も自分がスッキリしたくて始めた作業なので、お役に立てて嬉しいです^^
>とも爺4uさん
当方を思い出してくださったのですね!
また来てくださって嬉しいです!ありがとうございます^^
ビブリアのお話がイメージと違ったということでしょうか?
まあ、テレビは原作と異なっている所も多いかもしれませんけどね。私も観ればよかったです><
過去に読んだ本が登場すると、興奮するでしょうね!
スミスの作品もご紹介くださり、ありがとうございます。気になります^^
とも爺4uさんが色々と懐かしく思い出されていることが伝わって、私も嬉しくなります^^
>angelさん
ありがとうございます!
本当に、素敵な台詞ですよね!
44人待ちですか・・・やっぱりみなさん気になりますよね。^^;
楽しんでいただけてよかったです。タイムマシンは乗ってみたいですよね!笑
>ZZZAAAさん
ありがとうございます。
素晴らしい想像力を働かせながらお話を読まれる方なんですね^^
"アン"が"ジュリー"に手紙を送っていたというのは、とても素敵ですね!
>夫婦がお互いを深く愛している様子を「愛してる」の表現なしに表している作者の手法に感心しました。
確かに、ストレートな表現は少ないのに、夫婦の愛が感じられますね。しんみりするところも、日本人にファンが多い理由かもしれませんね。
素晴らしい感想をありがとうございました!^^
>あいさん
ありがとうございます。
私も、小説を読んですぐに検索しまくりました。笑
お高いですよね。笑
いいお話です。
楽しんで読んでいただけたようで、嬉しいです。
和訳も文章力もまだまだですが、読みやすかったとのこと安心いたしました。台詞を書くときは特に楽しいです。笑
「たんぽぽ娘」、ついに発売のようですね!待望ですね!
情報ありがとうございます^^
>りんこさん
ありがとうございます^^
クラナドの方もご存知なんですね。それは一気に解決できてよかったですね☆笑
私も、この作品を読んでよかったと思いました。
>じくさん
ご訪問ありがとうございます。
何年も前に同じように独自の翻訳を公開されている方々がいらしたので、私もやってみようと思いました。また、"同人雑誌は著作権違反にならない"という記述を見ました。(専門家ではない方なのでURLは紹介いたしません。)
趣味の域ですと、問題ないのかも違反なのかも、ハッキリ調べることは自分では難しいですよね。
きちんとした所から指摘されたら速やかに削除いたします。
>Ojiroさん
ショボーンwww 本当に驚きの価格でしたよね。笑
5月末に翻訳本が出る予定らしいので、ぜひお手にとってみてください。
私の翻訳でとりあえずのモヤモヤがスッキリできるなら嬉しいです^^
ありがとうございました!
>Citrusさん
ありがとうございます。
ついに翻訳本が刊行されるみたいですので、チェックなさってみてください^^
当翻訳は読まれましたでしょうか。楽しんでいただけたなら幸いです*^^*
>ハリーさん
本当に、お気遣いありがとうございます。
原文がWeb上で読めるなら、個人的な和訳は問題ないだろうと思っております・・・
違反であると明確にわかれば、もちろん削除いたします。
もう一度、ありがとうございます。心から感謝いたします。
>かなでさん
ありがとうございます。
本当に難しいですね^^;私も、思ったよりも時間がかかってしまいましたし、まだまだ修正が必要な状態です。
翻訳家さんが訳された文章ももうすぐ読めるみたいですので、楽しみですね^^
>三点リーダー
ありがとうございます。
やり方はあるのでしょうが、自分のPCでは三点リーダーへの変換ができなくて・・・
書籍関連のお仕事をされているのでしょうか。気になるとは思いますが、目をつぶってください^^;
>mさん
こちらこそ、ありがとうございます^^
喜んでいただけてなによりです!
>にわとりが先かたまごが先か
そうなんですよね、私もそういう点が難しくて、タイムトラベルものは頭が混乱します。笑
少女のときに会ったのが最初と考える方が自然でしょうね。好きになったから、再び、タイムマシンで奥さんになるために彼の前に現れたのではないでしょうか。
>「クレープを二度食えば」
知りませんでした。検索してみましたが、ラブコメなんですね。面白そうです^^
ご紹介ありがとうございます!
>monさん
こちらこそ、ありがとうございます^^
疑問に思う点があるのは私も一緒ですf^^
私は想像力も豊ではないですし、深読みするのが苦手なので、申し訳ありませんが、monさんのお力には大してなれません。。
ですが感想を共有するという意味で、私が思いつくことや、聞いたことなどを書きますね。
>出合った時はマークは44歳でジュリーは21歳
さよならをしたあと、すぐにタイムマシンを使ったなら、21歳でしょうけれど、もしかしたら秘書になる勉強を積んでから最後のタイムトラベルをしたかもしれませんね。
>彼女は1日も老いることはなかったと。だから丘で見た少女が彼には別人に見えたのだと、わからなかったのだろうか?
「老いることがない人間などいない、だから逆に同一人物なはずがないと思った」と解釈されている方がいらっしゃいました。
>永遠に美しい人が、いったいどうして老いることを恐れるのだろうか。
これは、monさんがおっしゃる意味だと、私も思いました。
ジュリーに会ったあと、アンの様子が少し変わっていますよね。
「若い私に会ってしまったのだわ。心がジュリーにとらわれてしまっている」と不安になっているのでは、と思いました。
以上が、私が感じられる限りの描写ですが、どうでしょう。
解釈は人それぞれでしょうから、ご自分で納得いくようなストーリーを創られてはいかがでしょうか。^^
ビブリア古書堂の栞子さんみたいな人がいれば、喜々として語ってくれるのでしょうけどね^w^
なんとなくすべては分かったのですが・・・
何点かわからない所がありましておしえて下さい
出合った時はマークは44歳でジュリーは21歳
未来から来たジュリーは最後の一回のタイムスリップはマークが20代の時代に来たんですよね ジュリーも20代だけど21歳なんでしょうか?
何年かしてから来たのでしょうか?
>彼女は1日も老いることはなかったと。だから丘で見た少女が彼には別人に見えたのだと、わからなかったのだろうか?
21歳に来て1日も老いることがなかったら別人に見えないのでは?
>永遠に美しい人が、いったいどうして老いることを恐れるのだろうか。
マークが44歳になった時に21歳の自分に会うことを恐れてたと言うこと?
アンよりジュリーを好きになると恐れてのでしょうか?
素敵な話なのであまり考えなくても良いことですがどう思われますか?
まったく違う話なのですが、少女が彼を好きになった一番最初は、やっぱり最初に会ったあの丘でなのでしょうか。何かにわとりが先かたまごが先かのような質問ですが・・・。
とり・みきさんの「クレープを二度食えば」も同じような話だった気がします。
本文はわりと分かりやすいですし、意味も分かるのになんて日本語にしにくいことか。
こうして他の方が訳した文をみてみると、私とは違った書き方が新鮮で楽しかったです。
例えば、minacoさんが『彼は手をのばし、風が触れるその頬を撫でたい衝動に抗わねばならないほどで、それは強烈なデジャヴであった。』と書いているところを、私は『彼は心を揺り動かすような既視感を覚えたため、手を伸ばし、風がなでていった彼女の頬に触れたいという衝動を抑えなければならなかった。』と訳しました。全く雰囲気が異なりますね。
この作品のタイムマシンの概念というのは、私が考えるタイムマシンと同じでした。歴史の全ては本に書かれている……ってやつですね。例え過去に戻って何かをしたとしても、それによって歴史が変わるわけではなく、それは最初から起こることになっていたことだ、というわけです。ある意味運命論的な考えですね。
あ、これはどうでも良いことかもしれませんが、『・』は『……』と6つ続けて書くものですよ。三点リーダーを二つ並べるんです。参考までに。
ご意見拝読させていただきました。
ただ少々いかがかと思う箇所がありましたので、意見を記させていただければと存じます。
>著作権そのものはまだ保持されていますが、こうやって公開することを認めているわけですから、それを翻訳して公開しても、問題はないと考えられます。
著作権者の許可を得て公開しているとしても、転載等の許可の明示が無い以上、許可を得ているのは原文を公開しているサイトのみと考えるべきで、他での使用を許可したわけでは無いと考えるのが妥当だと思います。なので翻訳についての扱いも該当サイトで二次使用も許可する旨が明記されていない以上、著作権者の承認を得ない限り無断公開を行うのは、翻訳権という権利を侵害していると考えるのが妥当では無いでしょうか。
つまり著作権の保護期間内にある作品については、すべからく著作権保持者から何らかのコンセンサスを得ない限りは、無断使用は著作権(翻訳権)侵害を構成すると考えるのが、一般的ではないかと考える次第ですがいかがでしょうか。
ご意見を伺わせていただければ幸いです。
この小説は内容がこうやってサイトで公開されているのですね。
一番下に著作権が書かれていますが、その次の行に、著作権者が2次出版を許可したと書かれています。
つまり、著作権そのものはまだ保持されていますが、こうやって公開することを認めているわけですから、それを翻訳して公開しても、問題はないと考えられます。
ビブリアで取り上げられて、読んでみたいと思ったのですが、入手困難なんですね。
オークションで見たら、すごい値段になっちゃってますし。
これから読むのが楽しみです。
お先にお礼申し上げます。
いつかは手にしたいですけど、こうして読めるのはありがたい。
感謝です(´;д;`)
ちょっと幾つかの部分が気になったので質問させてください。
>一応この記事を書くときに、オリジナルの著作権は切れているとの情報を得ました。
ヤングの母国アメリカでは著作権保護期間は著者の死後70年が規定されていたと思いますが、1986年にヤングが亡くなってまだ27年しか経っていないのですが、本来ならまだ40年以上残っているはずの保護期間が切れているというのは、どこで得られた情報なのでしょうか?
>(ちなみに原文は記事の最後にリンクを貼ったサイトに未だ載っていますので、やはり問題ないのだと思います。)
なぜ原文がリンク先のサイトに記載されているからといって、このように翻訳し公開される行為を問題無いと判断されたのでしょうか?
ただし、リンク先のサイトに原文は著作権保持者から許可を得た物で有り、また同様に翻訳した物を公開することを許可する旨が記されていたのであればその限りでは無いと思いますが、あいにく自分は見つける事は出来ませんでした。
もしその文が記載されているようであれば、該当箇所をご呈示いただければと思います。
>翻訳権については違ってくるかもしれませんが、この文章は私が独自に訳したものですので違法ではありません。商売もしておりませんし。
個人的に訳すのは確かに問題無いと思います。
ただ最初に『翻訳権については違ってくるかも』と認識されているように翻訳文を著作権保持者に無断で公開するのは翻訳権の侵害になるかもという懸念をお持ちなのに、なぜその点をはっきりと確認せずに公開されているのでしょうか?
ちなみに翻訳権の侵害を構成するにあたっては、有償か無償かは関係無いかと思います。
以上、仕事で翻訳権・著作権に関わっている物として気になる点がありましたので、質問させていただきました。
どういう話が興味を持ちこのサイトを見つけました。
アニメのクラナドの方も見てて『一昨日は兎を見たわ。昨日は鹿、そして今日はあなた。』の台詞があったことは知っていたのですが、それがたんぽぽ娘だとは知らなかったです。
心温まる作品でした。
翻訳ありがとうございます!
読んでいて突っかかることもなく、リズムのよい文章でとても読みやすかったです。翻訳を職業にされている方かと思っていたのですが、違うとのことで驚きました。
ラストは「やっぱりそうなんだ」という感じでしたが、情景を思い浮かべるととても美しいですね。
蛇足ですが、ビブリア効果か今まで出版未定だった「たんぽぽ娘」が5月末に発売されるようです。アマゾンで予約を開始していました。ご参考までに(^^)
少女は何度もタイムトラベルを繰り返して、一生懸命に主人公を探し出そうとしていたように感じました。きっと現代の妻が、未来の自分に手紙を送っていたのではないでしょうか?だって「2040番通り」ってはっきり住所が書いてあるんですから。でも妻は出会う日付までは分からなかったんでしょうね。
「もし来れなかったときのために・・・」
少女はこの時、丘に戻って来るのではなく、危険を冒しても20代の主人公の居る世界に戻るつもりだったんですよね?その時の主人公が自分を愛してくれるかどうかの確証もないのに。いじらしいと思いました。
「小さな事務所に立つ彼女を仕事机から見上げると同時に恋に落ちた瞬間から、彼女は1日も老いることはなかったと。だから丘で見た少女が彼には別人に見えたのだと、わからなかったのだろうか?」
主人公が妻が老いていないと感じていたのは、その瞬間々の妻を愛していたからでしょう。決して若さや美しさだけではありません。きっと「俺の気持ちも知らないで!」なんて憤慨していたのかもしれません。
タイムトラベルを時間差として利用し、夫婦がお互いを深く愛している様子を「愛してる」の表現なしに表している作者の手法に感心しました。(少女の「愛してる」は妻としてではない)
どちらかと言えば日本人的風情が強いですね。
すごく読みやすく、優しい表現でとてもこの作品にあった翻訳をされていると感じました。
話的にはありがちな展開で、私もふぅん・・・という感想ではありましたが(笑)
でも、どんな物語なのかモヤモヤした感じがすっきりしました
掲載していて下さってありがとうございました。
ご訪問ありがとうございます。
原文を載せているわけではないので関係ないと思いますが・・・
一応この記事を書くときに、オリジナルの著作権は切れているとの情報を得ました。
(ちなみに原文は記事の最後にリンクを貼ったサイトに未だ載っていますので、やはり問題ないのだと思います。)
翻訳権については違ってくるかもしれませんが、この文章は私が独自に訳したものですので違法ではありません。商売もしておりませんし。
他の、私と同様に個人的に訳した方の文章は参考にいたしましたが、出版された文章は手に入らなかったので見てもいません。
ご理解いただきたく存じます。
ですが、この翻訳文章の権利が私にあると言うのは少々おこがましかったかもしれませんので、言い方を直しました・・・
権利者の許可をとって公開されてるのでしょうか?
こんにちは!
本当に、とても参考になりました!
こういうご指摘を受けられるのは幸せに思います。
できるだけ原文で・・・!素晴らしいですね!
私は、英語は好きなのですが、小説を読めるほどの力はなく、何度挑戦してもなかなかやり遂げることができません^^;
どうしても読みたい・訳したいと思う、短いものなら、パワーが出せるのですが・・・。
応援しているとのお言葉、大変嬉しく頂戴いたします。
「たんぽぽ娘」は、私自身が読みたかったのと同時に、他にも私のように読みたい方がいるはずだと思って訳を始めました。
ですからsalamander様や、他のご訪問くださった方々の反応を拝見して、やってよかったと心から思います。
作業も楽しかったですし、機会があったらまた翻訳に挑戦したいと思っておりますので、励みにいたします^^
他にも疑問に思った箇所がありましたか。ですよね!笑
ビブリア3巻(「たんぽぽ娘」が登場)発売から3ヶ月後ぐらいには公開したいと思って少々急いだので、読み砕くことができていない部分が結構ございました。・・・まあ、それは言い訳で、私の力不足ですね。:-p
公開しているからには、とことん改善したいと思っております。
ぜひご指摘ください。
ありがとうございます。お嫌でなければ、下記の「あっと」を「@」に変えて、メールにてご連絡お願いいたします。
近いうちに引越をひかえておりまして、反応が少し遅れるかもしれませんが、必ず読ませていただきます!!
cahierdeminacoあっとmail.goo.ne.jp
ビブリア大人買いされたんですか!!!笑
嬉しいです!これも、たくさんの人に読んでいただきたい作品です!!
本日最新刊を読み終えまして、やはりとても整った内容に大満足でした。
私も、ドラマは見ておりません・・・来週が「たんぽぽ娘」なんですね!
小説版とは違うのかわかりませんが、「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。」が出てくるかもしれませんねb
手前味噌のような私訳と解説でしたが、参考にしていただけたようでなによりです。
私の訳でよろしければ、そのまま使っていただいてもかまいませんし、まとはずれだと感じられたら修正する必要もありません。ご自由にお使いください。
>原文を読まれたということでしょうか。
はい、英語圏の小説は、出来るだけ原文で読むようにしています。
・・・と言ってもまだまだ英語は勉強中の身で、読んでいて意味をつかめないときも多々ありますし、また翻訳を正式に習ったこともなく、人に教えるなどおこがましいような状況です。が、出来る範囲でお力になれればと思い、今回コメントさせていただきました。
翻訳版の入手困難な状態が続くなか、こうした作品を多くの日本人がふれられるよう公開することはとても意義のあることだと思い、応援しております。
>もしまだ何かあったり新たに気づかれた点があれば、ぜひおっしゃってください。
ありがとうございます。実は、他にも数点疑問に思った部分をお見かけしたのですが、なるべくわかりやすい説明を、と考えておりますので、少々お時間ください。
ご報告はコメントよりもメールでの方がよろしいでしょうか?
「ビブリア古書堂の事件手帖」近所の図書館では予約待ちがえらいことになっているので、結局、先程Amazonで全巻買ってしまいました:-)
ドラマ版は見てないのですが、どうやら来週はたんぽぽ娘が登場するようで、こちらも見てみようと思います。
はじめまして。
楽しんでいただけたとのこと、とても嬉しく存じます^^
原文を読まれたということでしょうか。
どんなにいい翻訳でも原文とは雰囲気がどうしても異なってしまうと思いますので、小説を原文で楽しめる方は羨ましいです!
コメントに加え、和訳についてのご指摘と丁寧な解説をありがとうございます
所有のジーニアスを開きながら、とりあえずsalamander様からご指摘部分だけ確認いたしました。
salamander様の解説はとてもわかりやすく、先生から教わったときのように「なるほど!」「あーそういえばそうだったー><」などと納得いたしました。
辞書を引いてもおっしゃる通りだと思いましたので、訳を早速修正いたしました。
「彼女の怒りは、その唐突さに劣らずはかないものだった。」
「それから優しくドレスをたたみ直し」
の箇所はご提案いただいた訳そのままになってしまいましたが、ご了承ください。
正直に言いますと、どのように訳せば良いのかはっきりわからなかった文章もいくつかあり、たとえば「hold A by the shoulders」なども悩んだ部分だったのですが、霧が晴れて嬉しかったです。
今は学校から離れて何年も経ち、このような問題の解決を頼める人がなかなか周りにいませんので、大変ためになりました。
感謝しております。
おそらく他にも違和感のあった箇所があったのではと思います^^;
私も時間ができたら再度読み返してみたいと思いますが、もしまだ何かあったり新たに気づかれた点があれば、ぜひおっしゃってください。
考察も面白かったです。
>「名前は大切な父親がつけたもので、時間警察に察知される危険を冒してでも残しておきたかったのかもしれません。」
そうかもしれませんね。
私も、書いていない部分も想像をふくらませながら本を読める人間になりたいものです
本当に、ご訪問ありがとうございました
「ビブリア古書堂の事件手帖」、よろしければ読んでみてください!
なんだかすごい勢いで話題になっていますが、小説は静かな調子で物語が進み、自然と引き込まれていく作品です。
数点、訳出の上で気になる箇所がありましたので、さしでがましいようですが、指摘させていただきます。解説できる部分はなるべく記します。なお、私は伊藤典夫訳「たんぽぽ娘」は未読です。
"Are you enjoying the view?" he asked aloud.
minaco様訳「景色は気に入ったかい?」彼は大きな声で少女に問いかけた。」
aloudは「(人に聞こえるくらいに)声を出して」です。「大きな声で」はloudly (=in a loud way)。
私訳「~彼は声に出して問いかけた。」
since I couldn't postpone it, I've ended up being a sort of reluctant Thoreau.
minaco様訳「でも休暇を延期できなかったから、ソローを気取るのはやめたよ。」
end up …ingで、「結局…に終わる(に至る)」です。
(ソローはソロ(solo 一人で)のもじり?)
私訳「休暇を延期することも出来なかったし、結局、不本意ながらソローを気取ってるってわけさ。」
Her anger was as evanescent as it had been abrupt.
minaco様訳「彼女の怒りはそれがほんの一瞬だったかのように、すっかり消えていた。」
比較級as ~ as は、二つのものについてその程度が同じであることを表します。この文で比較されているのはevanescentとabrupt。
He is as honest as he is kind.
「彼は親切であると同じ程度に正直だ」
と形式が同じで、ここではevanescentとabruptが同程度ということです。
「彼女の怒りのはかなさの程度はその唐突さの程度と同じであった。」つまり、
「彼女の怒りは、その唐突さに劣らずはかないものだった。」
He held it by the shoulders and let it unfold itself,
minaco様訳「肩の高さから広げてみると」
hold A by the shouldersで、「Aの肩をつかむ」です。Aには普通、人が入りますが、ここでのitはthe dressですので、
私訳「肩の部分をつかんで広げてみると」
ドレスの両肩をつかんで、ふわっと広げるイメージでしょうか。
Then, tenderly, he folded it again and replaced it in the suitcase
minaco様訳「それから優しく、もう一度ドレスを抱きしめてから、スーツケースへ戻して」
私訳「それから優しくドレスをたたみ直し、スーツケースへ戻して」
and having completely altered her last name, she had probably thought it safe to take liberties with her first.
minaco様訳「名字が完全に変わることで、彼女は恐らく、名前も自由に変えれば安全だと考えたのだろう。」
she had probably thought~の部分は「名前は自由に扱っても安全だと考えたのだろう」です。彼女は、名字を全く違うものに変えたことだし、名前(ファーストネーム)には本名を一部残すくらい大丈夫だろうと考えたのです。
もしかしたら、名前は大切な父親がつけたもので、時間警察に察知される危険を冒してでも残しておきたかったのかもしれません。
私訳「名字を完全に変えたことで、名前の一部を残しても大丈夫だと考えたのだろう」
How could anyone as agelessly beautiful as Anne―as Julie―was, be afraid of growing old?
minaco様訳「誰がアンのように――ジュリーのように――変わらず美しくいられるだろう。彼女は年を取ることを恐れていたのだろうか?」
修辞疑問文です。文を分解すると、How could anyone be afraid of growing old? のanyoneをas agelessly beautiful as Anne wasが修飾しています。as Julieはas Anne の言い換えで、同格です。
私訳「どうしたらアンのように――ジュリーのように――永遠に美しい女性が、老いることを恐れられるだろうか?」
以上です。くどいようですが、これはminaco様の訳文を否定したり批判することを目的としたものではありませんので、ただ参考にしていただけたら幸いです。また、私の訳や解説でわからない部分や疑問、反対意見等ございましたら、是非おっしゃってください。
長々と失礼いたしました。
印象に残る冒頭文ですよね^^
言われてみると、画家を思わせる名前です!
でも、アメリカの女流詩人(恐らく日本ではあまり知られていない?)よりも、何か絵画の中の人物なのだろうと思った方が、日本人は美しい印象を覚えそうですものね。
「落ち穂拾い」は私も好きな絵です。ささやかな物を集めるというあたり、この小説の”身近な人が実は”という点と合っているかもしれませんね。
同じ題名の「落穂拾ひ」という小山清の小説を、やはりビブリアの影響で読んだのでなんだかしみじみ考えます。
翻訳って結構「あれ?」と思うことがありますよね^^;
私も最近気になるようになりました。
でもきちんと翻訳家が訳した「たんぽぽ娘」を読まれたことが羨ましいです。今は手に入りにくすぎて自分で訳しましたので。笑
タイムマシン。笑 私も欲しいですねー!!!
思い出してきたのですが、あの1行目は、仲間内では有名で、後のブレードランナーの「その時がきた」という訳と同じくらいに覚えられていました。
「丘の上の少女は、マークにエドナ・セント・ヴィンセントミレーの絵を・・・」と。
絵は詳しくなかったので、ヴィンセント(ゴッホ)とミレーはごっちゃでしたし、頭の中には「落ち穂拾い」のイメージで読んでいました。 でも、ストーリーにあってますよね。
今思うに、メリルの解説の訳は、ほんとは
「このアンソロジーでは、初登場の・・」
ではなかったのかな、っと。初読みの時も、疑問でした。
50年代には、ハインラインの「夏への扉」がありましたから。個人の感想ですが。
誕生日、そうですね、タイムマシンが欲しいです(^^)。
ありがとう。
はじめまして。コメントありがとうございます!
「たんぽぽ娘」を前からご存知の方なんですね。
色々と思い出も持っていらっしゃるかと思いますが、そんな方に懐かしんでいただけて光栄です!
”タイムトラベル初の恋愛小説”ですか。それは話題になりそうですね。笑
確かにSFというより恋愛モノという方がふさわしいような物語ですよね。
エドナ・ミレイは原文では「Edna St. Vincent Millay」と綴られています。
こちらで検索すると、画像付きのウィキへ飛べますよ^^
リンク先のブログを拝見しましたが、本日お誕生日なのでしょうか。
おめでとうございます
創元社のJメリル編、年間SF傑作選にあったような記憶です。そのときのメリルは、タイムトラベル初の恋愛小説のように紹介していたようです。記憶も時の彼方になってしまいました。
冒頭、当時の翻訳では絵画のミレーだと思っていました。かってな思い込みですが、解決しました。ありがとうございます。
お役に立ててよかったです!
こちらこそ、コメントありがとうございます^^
そうですね、わかりやすいですが意味深な結末ですよね。
た、たしかに・・・照らし合わせるとビブリアとの共通点が多いですね・・・
ミムラねえさん様のご感想や、他の「たんぽぽ娘」を知ってビブリアを読んだ方が「こう使うとは!うまい!」などとおっしゃっているのを見ると、私の知らない観方があって楽しいです^^
ビブリアの先は私も楽しみで少し怖いです。
ハッピーエンドでなくてもいいから、色々と崩れずに終わってほしいな~なんてw
ではでは、
興味深いコメントどうもありがとうございました!!
ビブリアの中で、結末をこの本だけは書いてないのは、理由がある気がする。(大筋で見当はついてましたが、わかって非常に嬉しいです)
栞子さんのお母さんもかなり深刻な写真嫌いです。栞子さんと瓜二つだという表現もかなり頻繁に出てきます…たんぽぽ娘の結末を書かないことと関係はあるのか?
先が楽しみで、そして怖いです。大輔くんと栞子さんが今や大好きなので。
本当にありがとうございました!
はじめまして。
お役に立てて嬉しいです!!!
訳してよかったです
こちらこそ、コメントありがとうございました
はじめまして。
お役に立てて、大変嬉しいです!!!
私もこれは「読まずにはいられない!」と思いまして*^^*
訳していて、「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。」のとこに来たときは、かなり興奮しました。笑
感想は、やはりそんな感じでしたか。笑
失礼ながら、ひろさんと気が合ったつもりで喜んでいます。笑
でも読まないことにはスッキリしませんものね^^
世に出ている翻訳がないものかとネットを探しまわっていたときには「たんぽぽ娘」のファンの方が(ビブリア関係なしでも)たくさんいらっしゃるのを知って驚きました。
こちらこそ、ありがとうございました
コメントとても嬉しかったです。
ビブリア4巻も楽しみですね!!
ありがとうございました。
タイムトラベルは面白いんだけど、「あのときのこの人はこの事実を知らなくて、でも今は知ってて、ってことはあのときも・・・」とかなんとか考えてしまうと、ごっちゃになります。笑
これは短いし難しい所ほとんどない(といっても数か所は既存の訳を参考にしました。)ので、英語が嫌いじゃなければ訳せるレベルです。
ほっこりしたいにでも読んでみてください^^b
そうですねー、自分も最近影響受けて小説読むようになりましたがH.G.ウエルズやジュール・ベルヌばかりです苦笑
最後に「あ、なるほど、そういうことか!」となるのが楽しいです^^
タイムトラベル物はw
しかし、これだけスムーズに訳せるとはさすがminacoさん。真似できない能力^^;