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ヴァリアー・アジトの幹部用談話室のクーラーが壊れた。
修理は頼んだが、そこはイタリア一向に修理屋がくる気配は無いまま1週間。
ヨーロッパは例年に無い猛暑で毎日何人か死んでいる。
談話室はいつもならベルフェゴールやルッスーリア達がお茶を飲んだりしてくつろいでいることが多いのだが、流石に冷房が壊れているので皆割り当てられた幹部用の自室に篭っているようだった。
うだるような暑さに窓を開けたが、昼日中に吹く風は、外から熱風だけを運び込んできたので余計に暑い。
自室の冷房も壊れていて使い物にならず、さりとて任務前にわずかな時間、涼を求めてどこかに出かけるわけにも行かず、スクアーロは南向きで容赦の無い日差しが降り注ぐ自室よりは少しはましかと談話室にいるわけだ。
あまりの暑さに隊服は脱いでインナーだけになり、汗で張り付く前髪を上げてピンで留めた。
以前日本で駅前をふら付いている時に貰った団扇を使って、少しでも涼しくなろうと努力してみたものの、熱い空気をかき混ぜるばかりで一向に汗は引かず、もう熱中症で俺もヤヴァイんじゃないかと思い始めたとき、任務を終えたマーモンがやってきた。
「ただいま。」
「おう、お帰り。何かのむかぁ?」
「じゃ、ソーダ頂戴。」
「おう。」
談話室に備え付けの冷蔵庫から、ソーダを取り出してグラスに注いで手渡してやる。
マーモンは暑苦しい隊服のままだ。
うだるような暑さに、いつもクールな頭の上の蛙に異変が起きた。
あまりの暑さにひっくり返って腹を出している。
そのさまを横目で見ながらスクアーロは誰に言うとも無く呟いた。
「あぢい・・・。」
「まったく、早く直して欲しいね。」
マーモンはクーラーのことを言っている。
「ところでスクアーロ、その髪暑苦しいから切れば?」
唐突なご意見にスクアーロは面を食らった。
「う゛おおいっ!暑さで頭沸いたのかぁ?
お前俺がこの髪切ると思ってるのか?」
「思わないけど、もういいんじゃない?切った方が見た目にも涼しいし。
そんな髪、見ているだけでこっちが暑苦しいよ。」
「おまっ!これは俺の誓いの証だぁ、8年間も守ったんだぞぉ、それをサラッと流すんじゃねぇよチビ助。」
もう売り言葉に買い言葉だった。
「チビ助って何さ、こう見えても僕は君より年上だよ。」
「何吹かしてんだぁ?俺より年上の赤ん坊なんていてたまるかよ。」
「君の目の前にいるよ。」
「んだぁ?お得意の幻かなにかかぁ?」
「ムッ!そんなことばかり言ってると、今に呪われちゃうんだからね。」
「呪いだぁ?んなもん怖かねーんだよ。」
「呪いを舐めると痛い目に合うよ。」
「知るかよ、本当に怖いのはなぁ、ボスの・・・・なんでもねぇ。」
「ふ~ん、ボスの何?」
「だぁーっ!何でもねーよ暑いからあっち行けっ!!」
「言いかけたんなら言えばいいのに、気になるじゃないか。」
「何でもねぇって言ってんだろ。さっさとボスに報告行けよ。」
「いいけどね、とりあえず今のこともボスに報告しておくよ、じゃあね。」
頭上にひっくり返った蛙を乗せたままマーモンは談話室を出て行った。
スクアーロが鼻血をたれる羽目になるのは、その数十分後のことである。
修理は頼んだが、そこはイタリア一向に修理屋がくる気配は無いまま1週間。
ヨーロッパは例年に無い猛暑で毎日何人か死んでいる。
談話室はいつもならベルフェゴールやルッスーリア達がお茶を飲んだりしてくつろいでいることが多いのだが、流石に冷房が壊れているので皆割り当てられた幹部用の自室に篭っているようだった。
うだるような暑さに窓を開けたが、昼日中に吹く風は、外から熱風だけを運び込んできたので余計に暑い。
自室の冷房も壊れていて使い物にならず、さりとて任務前にわずかな時間、涼を求めてどこかに出かけるわけにも行かず、スクアーロは南向きで容赦の無い日差しが降り注ぐ自室よりは少しはましかと談話室にいるわけだ。
あまりの暑さに隊服は脱いでインナーだけになり、汗で張り付く前髪を上げてピンで留めた。
以前日本で駅前をふら付いている時に貰った団扇を使って、少しでも涼しくなろうと努力してみたものの、熱い空気をかき混ぜるばかりで一向に汗は引かず、もう熱中症で俺もヤヴァイんじゃないかと思い始めたとき、任務を終えたマーモンがやってきた。
「ただいま。」
「おう、お帰り。何かのむかぁ?」
「じゃ、ソーダ頂戴。」
「おう。」
談話室に備え付けの冷蔵庫から、ソーダを取り出してグラスに注いで手渡してやる。
マーモンは暑苦しい隊服のままだ。
うだるような暑さに、いつもクールな頭の上の蛙に異変が起きた。
あまりの暑さにひっくり返って腹を出している。
そのさまを横目で見ながらスクアーロは誰に言うとも無く呟いた。
「あぢい・・・。」
「まったく、早く直して欲しいね。」
マーモンはクーラーのことを言っている。
「ところでスクアーロ、その髪暑苦しいから切れば?」
唐突なご意見にスクアーロは面を食らった。
「う゛おおいっ!暑さで頭沸いたのかぁ?
お前俺がこの髪切ると思ってるのか?」
「思わないけど、もういいんじゃない?切った方が見た目にも涼しいし。
そんな髪、見ているだけでこっちが暑苦しいよ。」
「おまっ!これは俺の誓いの証だぁ、8年間も守ったんだぞぉ、それをサラッと流すんじゃねぇよチビ助。」
もう売り言葉に買い言葉だった。
「チビ助って何さ、こう見えても僕は君より年上だよ。」
「何吹かしてんだぁ?俺より年上の赤ん坊なんていてたまるかよ。」
「君の目の前にいるよ。」
「んだぁ?お得意の幻かなにかかぁ?」
「ムッ!そんなことばかり言ってると、今に呪われちゃうんだからね。」
「呪いだぁ?んなもん怖かねーんだよ。」
「呪いを舐めると痛い目に合うよ。」
「知るかよ、本当に怖いのはなぁ、ボスの・・・・なんでもねぇ。」
「ふ~ん、ボスの何?」
「だぁーっ!何でもねーよ暑いからあっち行けっ!!」
「言いかけたんなら言えばいいのに、気になるじゃないか。」
「何でもねぇって言ってんだろ。さっさとボスに報告行けよ。」
「いいけどね、とりあえず今のこともボスに報告しておくよ、じゃあね。」
頭上にひっくり返った蛙を乗せたままマーモンは談話室を出て行った。
スクアーロが鼻血をたれる羽目になるのは、その数十分後のことである。
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