19/2/19 原価というと、製造原価だけとらえて「メーカーはぼったくりだ」と言う人がいる。
(製造原価=生産にかかった費用を製品単位に計算したもの。材料費、人件費などを台数で割る。
車両開発や各種先進技術開発、生産ライン設備やロボットへの投資回収も台数で割る訳で、売れ行きで大きく違ってくる。
もちろん、1台だけ同じのを作るとか無理だが、
古い車をリフレッシュしたり直したりするのも、新車をラインで作る何倍の値段になってしまう。
1つの部品、例えばタイヤだけでも大量仕入れのメーカー工場の方が安い。)
そんな人に見てもらいたい番組を見つけたのでご紹介。
年24万台以上売るホンダN-BOXの製造工場だ。(長いのでお暇な時に)
工場へ行こうPART2 ホンダ鈴鹿製作所 クルマの王者!日本一売れる“軽”の秘密! 2019年1月12日 放送
ホンダの軽は、Nシリーズからホンダ謹製になった事で、
最先端のラインでどんどん作られるから、高性能で安価で、しかもメーカーも儲けれる車になってるんですね。
スラッシュとか、N-ONEとか小ロットなのに、出してくれ、売り続けてくれるメーカーには感謝しないといけませんね。
ちなみに、それまでのホンダの軽、ライフとかを生産していた八千代工業で作られるS660の様子も動画で
HONNDA S660の生まれ故郷に潜入!八千代工業
こちらは年3千台、4千台という台数なので、こっちの方がコスパも効率もいいのだ。
工場の投資回収って、難しいですね。(月800台の目標をクリアしたのは最初の2年間だけ)
06/3/30公開日の記事
さて、今日も真面目ネタ。原価というものをご存知でしょうか?
簡単にいうと、小売業の場合、外部からの材料の仕入原価のことです。ですから、
商品の希望小売価格=原価+人件費+広告宣伝費+保険料等+利益
で付けられています。
例えば、100円おにぎりの店舗仕入れは、60円前後
古本屋の100円の単行本は、20円前後(でお客さんから買っている)
コーヒー350円は、原料費30円、
紅茶・ドリンクバー系飲み物(炭酸飲料など)はたったの5円(ほとんど水だからね)
新品の本1000円だと、書店に入ってくる原価は750円前後。
(書店は仕入れではなく、委託。なので売れ残ったら返本出来る。)などなど。
では、クルマの仕入れ原価はどうなのかというと大体75%前後だと言われています。
(売れ残り返品なし!だから登録未使用車とかが出てくるわけだ。
輸入車ディーラーとかはもっとキツイらしい。
色んな理由を付けてメーカーがディーラーに車を買わせようとするらしい。)
車両本体価格100万円の車は、ディーラーの仕入れでは75万円。
400万円の車なら300万円前後ということだ。
ここに広告宣伝費(よく新聞やDMでチラシが入っていますよね?
あと、来店記念品、ノベルティグッズなど最近ではメーカーが用意して、
それをディーラーが買うという形になっているみたいです。)保険料等、
ディーラーの維持管理経費(借地であれば家賃や光熱費など)
残ったのが利益です。
でっかいショールームで、数百万の商品を売っているので
一見華やかに思える車業界ですが、そうでもないんですよね。
さらにここから『値引き』なんていうものがあるので、純粋な利益はどれくらいか・・・。
去年、記事にもしましたがアメリカでGM、フォード、クライスラーが
社員価格販売というキャンペーンをしていました。
一般のお客様に社員価格で販売するというキャンペーンだったのですが、
その価格が20%OFFだったらしい。
その辺が限界なのでしょうね。(実際各社販売台数はすごかったが、利益は全然だった。)
で、ここで問題なのが人件費とディーラーの維持管理費です。コストかけ過ぎです。
新車ディーラーの営業のノルマは3台/月なのです。
ということは、売上でたった500万/月くらい。
単純計算:年間6000万×営業社員数+サービスの売上で、
あのでかいディーラーを運営していくことを前提に
利益計算、車両本体価格の決定をしているのです。
たった3台って!月に24日くらい出勤して何してるの?って感じですよね。
『新車ディーラー(全国3万店以上)を半分にする運動』を提案していますが、簡単です。
営業が月6台売ればいいんです。
そうしたらディーラーも営業も半分!
クルマの購入費用は半分にはなりませんが、15%くらいは下げられるはずなのです。
みなさんどう思いますか?
じゃあ、どうしたらいいのか?は近日公開のサイトを見てくださいね。
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