悟るカメラ

猫や風景などなど

写真展を駆け抜ける

2010-04-17 | カメラ日記

記録的な冷え込みが続くが昼過ぎから天気も回復したので新宿へ行き、写真展を見て回る。
まず最初は、飛木恒一郎の 「フィルムに刻まれた音魂たち」

1970年代から30余年にわたって国内外のミュージシャンを撮り続けた写真家=故・飛木恒一郎の遺作展。
会場に入ってまず目に飛び込んできたのがMichael Schenkerの写真。
単焦点のレンズに拘り、ミュージシャンの魂に迫った写真が見事にロックの音魂を捉えている。
パネルに目を写すたびに見覚えのあるミュージシャンのライブ写真が飛び込んでくる。
Gary MooreW.A.S.P.Jeff BeckNight RangerDaryl HallOzzy OsbourneEurythmicsIron MaidenEric Clapton、etc・・・
どれもが音楽雑誌などで見た事のある写真ばかり。
今のようにネットも無い時代、ロック少年・少女たちは雑誌の写真やレコードジャケットを穴が開くまで眺めては雲の上の存在であるミュージシャンのライブを想像したものだった。
そんな夢を提供してくれた内の一人である飛木恒一郎氏による数々の写真が本当に素晴らしかった。
受付にいたのは奥様と娘さんだろうか。
会場を後にする時の2人の笑顔がとても優しかったのが印象的だった。

久しぶりの雑踏に圧倒されながら「ニコンサロン新宿」に行き、井上 尚久「日常の行方」を見た後は、銀座に移動して森山大道 新作写真展 「NAGISA」

「キヤノンギャラリー銀座」にてarito 写真展:Portraitsを見た後は、「銀座ニコンサロン」で安島 太佳由[時代瞑(つむ)り~太平洋戦争激戦の島々]。



写真展内容

太平洋戦争中、ガダルカナルやニューギニアなどの南太平洋の島々では、日米軍による激戦が繰りひろげられ、数多くの戦死者を出した。
しかし、戦死した日本の兵士たちの7割が、戦闘死ではなく餓死や病死といった悲惨な戦場だったのである。
そして今もなお100万人を超える兵士たちの遺骨は、この南冥の地で眠ったまま、いまだ故郷に帰ることすらできていない。
戦争を知らない戦後世代が数多くを占める現在では、戦争記憶の風化が年々進み、このような大事なことが何もなかったかのように忘れ去られようとしている。
300万人以上の戦死者を出した先の戦争は、わずか60数年前のことである。この歴史上の大事件がそんなに簡単に忘れ去られ、語り継がれていかない状況は大問題だと思った作者は、このような危機意識を持ちながら、太平洋戦争の激戦の島々を訪ね歩いた。
本展は、プロジェクト「若い世代に語り継ぐ 戦争の記憶」の企画作品として発表するもので、作者は、一人でも多くの若い世代の人たちに見てもらい、戦争の事実を知り、その愚かさ、悲惨さ、そして命の尊さを共に考える機会にできればと願っている。モノクロ約45点。
(ニコンサロン銀座のHPより引用)

海の中で風化していく戦車や森の中でひっそりと朽ちていく爆撃機、白骨と化した日本兵、物言わぬ戦争の証人たちの写真に交じって祖父の亡くなった激戦地ラバウルの写真も何点かあり目をひく。
ラバウル東飛行場近くにある操縦士たちの目印になっていたという花吹山の写真や貯蔵庫のあったという洞穴の写真を眺めて溜息をついた。

最後は、RING CUBEにて「GR DIGITAL III x STUSSY 」

「STUSSY」と交友のある10人のフォトグラファーによるスタイリッシュな写真を楽しんだ。