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公認心理士が父親を殺害した女子大生を取材して、その動機や真相に迫ろうとする話。
女子大生だけでなく公認心理士も心に傷を抱えていて、しかもそれがどこか似ていて、この取材を通して過去のトラウマとも向き合っていく…という話だけど、いまひとつピンとこない部分もあった。父親のやったことは気持ち悪いし最低だけど、彼女自身には関わりがないことなので別に夫に言わなくてもいい気がするし、言ったところで軽蔑されるようなことにはならないはず。彼女がそこまで思い詰める必要があったのかと…まあ理屈じゃないんだろうけどね。少女買春だけでなく自分にもそういう欲望が向けられていたのを感じていたとなれば、単に父親を軽蔑するだけではふっきれない気持ち悪さはあるだろうし、抱え込んでしまうのもわからなくはない。この件でいちばん悪いのはもちろん父親だと思うけど、母親もわけがわからない…娘に言うにしてもせめて時と場所くらい考えろと思う。なんでお祝いするようなときにそんなことを言うのか。「たいしたことはない。男はそういうもの!」と事を矮小化して認識しないと正気ではいられなかったのかもしれないけど、最低限、娘の気持ちだけは考えてあげてほしかった。娘よりも自分が大事だったとしか思えない。
女子大生のほうは環境がひどかった。生まれた経緯からして負い目を背負わされている感じで、誰も幼い彼女に向き合ってくれるひとがいなかったし、むしろそういうところにつけこまれて搾取されていたりして。笑って受け入れることが自分を守るすべだったのかもしれない。おそらく父親には悪いことをしているという自覚は何もなかったんだろう。ああいうデッサン会も芸術に身を置くものとってはごく普通のことで、おかしいと思うひとは誰もいなかったようだし。相棒(ドラマ)でもこのあたりに通じる話があった。たくさんのひとに長時間見つめつづけられるだけでも相当なストレス。それもこころもとない薄着で、そばには全裸の男が二人となれば、嫌がる子のほうが多いはず。実際に嫌だと言ったのに聞き入れてもらえなかったのが問題。腕を切っていたのはモデルをやりたくなかったからだとは気付いてなかったんだろうか。