今年は例年と比べて梅雨明けが遅いせいか、大阪では早朝はむしろ涼しい日が続いています。大阪人は概して「ぼやく」のが好きで、暑ければ暑いでぼやく、夏らしくなければないで「なんや、けったいな夏やなぁ」とまたぼやきます。そういう意味では、今年の夏の「ややこしさ」は大阪人にとっては恰好の「ぼやきねた」です。「地球が温暖化しているから、海水の温度が上がり、その影響で大気が湿り、大雨に繋がり、気温が下がっています」と説明されても、「最終的に気温が下がって、温暖化かい~。上がっとるんか下がっとるんかどっちやねん~」と大阪人はぼやくわけですが、私は、各地で被災に遭われた方々のことを思うと本当にお気の毒で、元気にぼやけることはなんと幸せなことかと思います。
大阪人の「ぼやき好き」がジュリア先生にも移ったのか、ジュリアさんは先日、フランスの夏について「あのね、先週、フランス、18度やったから、私、涼しい夏に帰れると思ったよ。ほんだら、今週、32度て、どういうこと。めっちゃ温度差ありすぎね。おかしいね、最近のフランスの夏は」とさんざん駄目出ししていました。
確かに、一週間でそんなに激しい気温差があると、旅する人達もどんな服装でいったらいいのか迷いますね。そう言えば、同じ夏にフランスを旅行した生徒さんがフランスの夏は「暑い」「いや涼しい」「いや暑い」で楽しく盛り上がっていたのを思い出しました。
それから、フランスを襲った猛暑のお話を先日しましたが、当時の状況をジュリアさんに詳しく聞きましたら「私の家ね、52度まで温度上がったよ。ほんで、それで3週間、ず~っと52度よ。病院にも、どっこにもクーラーなかったね、その当時。ようやく最近、病院にクーラーはいったね。私の家族全員、その時はもうず~と家の地下にこもりきりよ」と私が想像していた以上に過酷な状況が浮き彫りになりました。
21世紀を迎えてから、未曾有の猛暑に襲われた欧州ですが、今年の夏は、激しい温度差はあるにしても、それでも当時と比べれば過ごしやすい夏のようで、もうすぐ帰国するジュリアさんの頭は楽しい夏休みの計画でいっぱいでとても嬉しそうです。
ジュリアさんはこの機会にフランスの各地を友達と旅行すると言っていましたが、パリの人達が恋慕う風光明媚な南仏も旅することでしょうか。芸術家に愛された南仏では、夏には音楽祭や演劇祭が催されますが、私にとっては、プロバンス地方の明るく気さくな人達の集まりがすでにお祭りのようで、そこにいるだけで楽しい気持ちになります。
南仏のニースから、バスでひょいっとモナコに行ったことも思い出しました。欧州統合前でも、フランスとモナコはとても簡単に行き来できました。紺碧海岸の美しさに勝るとも劣らないモナコ王国と言えば、その王国の華であった女性のことがどうしても偲ばれます。それでは次回は、夏の暑さを吹き飛ばすクール・ビューティのお話をします。
しばらくでございました。
関西では、まるで梅雨のような変な天気が
続いておりますが、お元気でしょうか。
パリは札幌とほぼ同緯度なのに暑いのですね。南仏とか、大阪から見れば遥か北ですのに、温暖な気候というのも、不思議です。
パリへ行ったのは10月だったので、暑くも寒くもなく、快適でした。旅行中幸いにも、雨にも遭わず、エーゲ海クルーズなどとても美しい風景を楽しみました。
モナコの華と言えば、あのお方ですね。
楽しみです。
では。