Chiakiの徒然日記

丸写ししていいとは言ったけど

学生時代、大学院1年(M1)の頃。
この年は学部の2年生が必修で履修しなければならない、「一般実験」のやり方が例年と変わっていた。
いきなり一発目からうちの教授が担当しなければならなくなり、その手伝いにD1の先輩ともども駆り出された。
今後、ずっと付いて回る「論文」の作成が主なテーマ。

・序論(過去の論文等を参考にしながら自分なりのテーマを構築する)
・方法(自分のテーマに沿った実験計画、やり方を説明)
・結果(実験の分析結果のまとめ)
・考察(結果から導き出されたものを元にした考え)
・参考文献

この5つを順序通りに書いてもらうことになった。
実験は、ミュラー・リヤー錯視図形の、内向図形を用いた。
内向図形とは、「<------>」のようになっているもの。
ちなみに「>------<」のようになっているものは外向図形。

全くの初めてだから、大まかな書き方だけを教えて、あとは配布したプリントを参考にしながら書いて良いと言った。
序論については、文献を調べる方法なんて教えていないので、プリントを丸写ししていいとも言った。

そして翌週提出された「論文」約90本(当時の学生数)。
覚悟していたとはいえ、全く同じ文章のオンパレードに、D1の先輩と苦笑しあった。
“序論”についてはいいよ、「丸写しで構わない」と言ったのだから。
でも、“方法”はねぇ。
ちゃんと分かっている人は、プリントを参考にしながら、自分たちが行った実験を思い出しつつ修正を加えていた。
プリントの内容と、実際にやった実験が微妙に違うということに気付いていない人の多いこと。
内向図形しか使ってないでしょうに!
いつ外向図形を使ったの!?など、頭くらくら。
赤字で添削する際に、該当箇所に線を引いて「こんなことやった?」など、記憶を刺激するような文言を書き加えていった。
おかげで、赤のボールペン、教授の担当時間が終わるころには、インクが激減していた(笑)

担当したのは5週間、10時間(1つの学年が2つに分かれた)だったが、どっと疲れた。
この5週間の間に、一部の学生の真摯な態度には感心した。
「いつでも質問に来ていいよ」と言っていたのもあって、少しでも完璧に近い論文を作成したい子はしょっちゅう来ていた。
そして彼らの論文は添削の必要がないくらいに完成度は高かった。
(あくまでも2年生の時点でとしては。同じのを4年生が書いていたら付き返されるレベルだけど)
私は当時M1で、出席しなければならない授業も多かったので、一般実験の時間外の質問にはなかなか付き合えなかったのだけど…。
もしあの頃M2だったら、かなり付き合わされていたんだろうな(笑)

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