当時、住んでたM市のお家で、隣家の御主人が音楽家だった。
で、私は、2歳からピアノを習ってて、
大阪の自宅でも、ピアノをよく弾いていた。
毎回、ピアノ教室から出された宿題もあるから、
レッスンを欠かすことは不可能だ。
そんな時、お隣の御主人が、
いつも我が家へ抗議に来られた。
「お宅のお嬢さんのピアノ演奏、何とかなりませんか?
ミスタッチがあると、私の聴覚が鈍って、
仕事にも影響しかねないので、、」と。
といっても、
隣家と我が家は、それなりに距離があるので、
通常、聞こえない筈だ。
さすがは音楽家、よほど聴覚が敏感なのだろう。
父は、反論したそうだ。
「プロじゃないから、
ミスタッチはあって当然のことだと思ってます。
貴方のように上手になりたいから、
娘にもレッスンさせているのです。
最初から、ミス無く出来る人なんて、
何処を探してもいないはずでしょ!」と。
でも、父は私に対して、
伸びる芽を摘んではいけない!と思ったのか、
このようなクレームがあったこと、、
一言も伝えなかった。
暫くの間、隣家からのクレームが続いたので、
父は、
新たに「消音機能搭載のピアノ」を買ってくれた。
これで大丈夫だろう!と。
それからは、ヘッドホンを付けて練習した。
すると、、、今度は、その御主人から
「お宅のお嬢さん、もう飽きてピアノ辞められたのですか?」
と聞かれたらしい。
なので、父は、
「まさかぁ、辞めてませんよ!
音がウルサイようなので消音型を購入しただけですから」
ってか、どんなに辛くとも、
一度、始めたことは辞めさせてくれる両親ではない!!!
数日後、、、
隣家の御主人が、
今度は「カタッ!カタッ!という音(鍵盤を叩く音)が聞こえて、
仕事に集中が出来ないので、なんとかなりませんか?」と。
父は「あの~、我が家のテレビ、
今、何を観ているか、お分かりになりますか?
鍵盤を叩く音より、テレビの音の方が、
よほど大きいのでね。
それだけ聴覚が敏感なら、簡単にお分かりでしょう?」と。
その日以来、クレームを仰りに来られなくなったらしい。
直後、父は再び、お家を買ったので、
その時のお家には住まず、
新しいお家、H市で住むことになったから、
それからは思う存分、
ピアノを弾いて練習することが出来た。
まぁ、当時の所へは用事があって、
たま~~に、今も立ち寄っているけどね。
ってか、振り返ってみると、
下手なピアノを聴かされて、ご迷惑を掛けてたなぁ。