Undercurrent / Bill Evans, Jim Hall
★★★★★
#1 My Funny Valentine
#2 I Hear a Rhapsody
#3 Dream Gypsy
#4 Romain
#5 Skating in Central Park
#6 Darn That Dream
#7 Stairway to The Stars
#8 I'm Getting Sentimental over You
#9 My Funny Valentine (Alt.take)
#10 Romain (Alt.take)
Bill Evans (p)
Jim Hall (g)
Apr.24 & May14, 1962 NYC
#1 この曲をこのアップ・テンポで演るかぁ 湖に注ぎ込む最後の急流ってとこか。
閃きに溢れ、流れ、転がるビルのソロ。 その閃きは、バッキングでさらに鈍い輝きを増しやす。
それは、ジムにもいえることで、オリジナリティ、インプロヴァイゼーション溢れるソロは勿論のこと、
技巧を駆使したバッキングのコード・ワークのなんと見事なことよ!
ゾクゾクするw
#2 湖に注ぎ込んで凪いだか。 ここからバラッドが続きやす。
この曲は、まだ、自由で解放的に感じられるんで、表層あたりか。
ジムの滴り落ちるようなシングル・ノートと、ビルのピアノが、とてもよく合う。
そして、より内向的な #3 へ
聴き入らずにいられない。 ふたりの演奏に誘われ、底流 (Undercurrent) へ。
#4 流れがなく、身動きのとれない湖底で何を夢想する?
静かな前半から一変、この作品に唯一の緊張感を齎すジムのギターが凄いw
夢見たは、悪夢か?
#5 いや...セントラル・パークでスケートしてる夢!みたいや...
ひととき、寒さが和らいだ陽溜まりのなかを、ゆっくりとスケートする情景が浮かぶ ジムのソロ。
バックを流れる 3 拍子のビルのピアノも秀逸。
なんてやさしい演奏なんやろw
#6 "Darn" は、「忌々しい」とか「呪う」という意味なんで、そのまんま訳すと、曲のイメージがブチ壊し。
まずは、Sarah Vaughan & Count Basie Orchestra のバージョンでも聴いて、艶っぽい歌詞をご理解いただきたい。
にしても、素晴らしいピアノやw
#7 この曲は、Scott Lafaro へのレクイエムか? 歌詞も意味深やな...
...てことは、スケートのお相手は、スコット???
アーティストによくあるアレ?w?w?w
#8 となると、ラスト曲の歌詞も納得...
静かなスタートから、夢から目覚めたかのように、テンポ・アップしやす。
ジムのクリアーなギターの音がエエw。
ビルのピアノも、何か吹っ切れたかのようにブリリアントに弾みやす。
さらにうれしいのが、オルタネイト・テイクの #9、 #10。
#9 出だしのピアノで一発KO喰らわせたあと、#1 とは、全く異なる展開へ。
マスター・テイクは、より複雑に絡み合い融合しようとし、
オルタネイト・テイクのほうは、少し距離を置き、ソロとバッキングをきっちり分け、演ってる感じか。
ビルの躍動感漲るベース・ライクなバッキングは、他曲では聴くことできないし、後半のソロもとても力強い。
#10 『My Funny Valentine』 が、インプロヴァイゼーションとインタープレイの ”動” の極みなら、
『Romain』 は ”静” の極み。
後半の3連符で、この CD 最大の緊張感を齎す 巨匠ジムですが、僭越ながら、この人ホンマ上手い。
オリジナリティ、インプロヴァイゼーション溢れる超絶技巧も 然る事乍ら、常にビルを意識しながら、流れのなかで
一音
一音
ピッキングの強弱、音の大小、クリアー度、テンポ...
細心の心配りで変化を憑けてるのがよく分かる。
アコギに持ち替えたか? ってくらいのパートが突然出現するし、
強くピッキングしたときの、飽和し滴るような音のなんと素晴らしいことよw
ちなみに、この人、ギターのトーン・コントロールは、ほぼ0固定だそうな...
こんど140でやってみよ...
こんな演奏を聴かせてもらえるなら、全曲のオルタネイト・テイクを
聴きたいわww
ジャケット・デザイン
タイトル
演奏
が見事に合致した歴史的名盤
さらにボーナス・トラック 4 曲増しのバージョンを追加注文しやしたw