第3話 ロンちゃんが先に我が家にやって来た・・・（４）

　その時の状況を、思い出しながら話しているお父さんとお母さん。
「あの時は、本当にすぐによく決めたもんだね」
「やはり一目惚れよ。それに、買おうと言った時に、あなたがはっきりと反対しなかったから、大丈夫と思って決めたのよ」

　ここでも、お父さんの弱さが出ていたみたい。そして、強気のお母さんとおねぇちゃん。
「１匹飼うのも、2匹飼うのもおんなじ」の強さで決まってしまった。

・・・・
　買うと決めたら早いこと。「今日連れて帰っていいですか?」
　「すぐに手続きできますよ。連れて帰られますか?」
　「はい。連れて帰ります」とお母さんとおねぇちゃん。お父さんは、成り行きを唖然と見守るだけ。

　身体チェック、買い方の注意点、買い取る書類の記載、そしてお金の支払い。順調に終わってしまった。

　子犬のチワワは、段ボールの箱の中に新聞紙を敷きつめられその中に入れられて、連れて帰ることになった。

　連れて帰る時、係りのおねぇちゃんが、寂そうな顔。別れるのが辛そうな顔をしている。
　「この子凄く可愛くて、とくに可愛がっていたんですよ。店の係りの人たちも皆お気に入りだったんですよ」別れを惜しみながら話してくれた。そして、優しく何回も何回も子犬を抱いて撫でていた。
　（さっき、商売人なんて思ったこと許して下さい。とお父さんは心の中で謝っていた）

　そして、車に揺られチワワ君、我が家に到着です。10月9日、19時頃です。
　家の中は、薄暗くなっていました。

　「サー、今からここがワンちゃんの家だよ」
　「心配かなー? ちょっとクンクンと泣いている?」

　　　　　　
　「いや、大丈夫よね・・・」

　あっという間に慣れたロンちゃんです。（・・・つづく・・・）