竹林亭白房

花緑「中村仲蔵」@らくごのお時間★落語

□本日落語一席。
◆柳家花緑「中村仲蔵」(MBSテレビ『らくごのお時間』第156回※噺家八景SP)。
SkyシアターMBS、令和6(2024)年4月29日収録(らくごのお時間10周年落語会「噺家八景」昼席)※6月9日OA。
花緑の「中村仲蔵」を聴くのはこれが五席め。最初に聴いたのは、もう今から十二年前である※浜離宮朝日ホール、平成24(2012)年4月27日(第25回「朝日いつかは名人会」)。

そして、そのときから、すでに落げは自身のオリジナルなものとなっていて、「弁当幕の定九郎」である。ただ、今回は一席終ったあとに、MBSの福島アナによるインタビューがあり、ここで初めて落げをかえた意図が聞けたのはよかった。

つまり、花緑が言うには、落げは噺全体の主題にかかわる文言であるほうがよいと思って、「弁当幕」云々にしたとのことだった。
従来の(と言ってよいかどうかは微妙だが)落げは、師匠から煙草入れをもらったことによる「煙に巻く」といったものだが、確かに、これは最後のプロットにしかかかわらない文言である。というか、このプロットはまるで落げのためにあるようなものという気がしなくもない。

たとえば、「芝浜」のあの有名な落げ「また夢になるといけねえ」は、この落語の重要な主題を用いただけに、聴いた者の心に深く残る。明治の寄席で初めてこの落語を三題噺として聴き、この落げを聴いた最初の観客の感銘はどれほど深かったろうと思う。

まあ、すべての落語の印象的な落げが、かならずしも噺全体の主題を表象したものかと言えば、そうでないものもあると思うけれど、少なくとも主題から落げの流れは良い手法だろう。
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