竹林亭白房

雲助「つづら」★落語

□本日落語一席。
◆五街道雲助「つづら」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京都昭島市FOSTERホール、令和6(2024)年7月5日収録(「東京落語会」※市制施行70周年記念事業)。
とてもレアなネタだ。自身の体験としては、同じ雲助で十年前の「TBS落語研究会」の高座を聴いている。公演情報は、東京三宅坂国立劇場小劇場、平成25(2013)年3月28日(第537回「TBS落語研究会」)。

このときの演題は「つづらの間男」だが、おそらくそっくり同じ内容ではないかと。ただ、当時のメモにちゃんと書いてないので、一点気になるのは落げである。
実のところ、五街道雲助は、自身の持ちネタのいくつかについてHP上で上演台本を掲載している。それによると、間男をされたがわの亭主が、間男(=質屋の旦那)を入れたつづらを当の質屋に持ち込んで金を借りようとし、「流さねえでくんなよ」と言うと、質屋の番頭が「へ、利を上げておきます」と言って落げである。

これは、川戸貞吉『落語大百科』でも紹介されている梗概と同じだ。しかし、今回の雲助の一席では、「流さねえでくんなよ」と言って落げにしていた。考えてみれば、これでも確かに落げとして成立はしているので、すっきりして良いのかもしれない。
ただ、これを十年前の「落語研究会」でも同じだったかどうか気になった。雲助自身の公表している上演台本では、「利を上げておきます」だから、十年前はこっちだったのかもしれない。

今回番組の冒頭と終りに、雲助のトークがあったが、これは師匠の十代目金原亭馬生から継承したが、その馬生は八代目桂文治に習ったのではないかと言っていた。これは『増補 落語事典』に、「八代目桂文治から十代目金原亭馬生に伝わった」と書かれていることと符合している。

ちなみに、雲助は、これを師匠から教わろうとしたとき、馬生はもういささか不精になっていて音源を渡されてこれで覚えろと言われた由である。
若い時分の稽古はすこぶるていねいで、はじめに教わった「道灌」はかくかくしかじかでとても微に入り細に入ったものだったと具体的に語っていたのは興味深い。
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