竹林亭白房

二代目圓菊「唐茄子屋政談」★落語

□本日落語二席。
◆桂吉の丞「上燗屋」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和6(2024)年9月5日収録(第447回「NHK上方落語の会」)。

◆二代目古今亭圓菊「唐茄子屋政談」(NHKラジオ第一『真打ち競演』※「思い出の名師匠(10)」)。
※NHK総合『落語』昭和63(1988)年6月12日OA。
いちおう途中で切らずに最後まで演じたが、尺は三十分弱くらいだったろうか。所々通常の型にあるいくつかの件(くだり)を、ショートカットしながら展開させていった「唐茄子屋政談」だった。これは放送番組用の構成だったのだろうか。

圓菊は、このネタに関してだけは師匠五代目古今亭志ん生を超えたのではないかと弟子に語っていたらしい。超えたというのが、どういったところを指して言ったものか具体的にはわからなかったが、自分の判断としては何とも言えない。

ただ、おもしろかったのは、徳が吉原田圃で唐茄子屋の売声を稽古しながら、吉原での遊興を回想する件で唄った小唄が「とめても帰(かい)る」だったことだ。これは、演者によって、いろいろに演るところだが、師匠の志ん生は「薄墨」である。「とめても帰る」は六代目三遊亭圓生の型である。あれだけ師匠を敬愛していた圓菊がここだけ六代目圓生で演ったのはなぜだったのだろう。

ちなみに、同じ弟子で、古今亭志ん朝が演るのは「のびあがり」である。確かに、志ん生の弟子だからといって、みな「薄墨」で演るのではないだろうが、圓菊がそうだったというのがちょっと興味深いのである。しかも六代目圓生で……。

現在、圓菊は子息が三代目を継いでいるが、さて、「唐茄子屋政談」は演るのだろうか。そして、演るとしたら誰の型でだろう。
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