竹林亭白房

生志「愛宕山」★落語

□本日落語一席。
◆立川生志「愛宕山」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年10月27日(第640回「TBS落語研究会」)。
もとは上方落語の「愛宕山」は、旦那と幇間や芸者の一行が野がけに出かけるさまが、おきまりの文句「その道中の陽気なこと~」とともにハメモノで明るく物語られるところなどのイメージからか、なんとなく春の落語と思っている。

そういう意味では、東京落語だとハメモノが入らないので、陽気さに欠けはするのだが、上方落語「愛宕山」のイメージが先入観としてあるので、やはり春の落語だと思って聞いてしまう。
ところが、今日、生志の「愛宕山」を聞いて、旦那が愛宕山の中腹から一八に京の景色を見せてやるところで、一八が「嗚呼、きれいですねえ、紅葉が……」と言ったので、あれ?秋ということなんだと思った。

もともと噺の筋には季節感を表すプロットは出てこない。だから、いつの季節で演ってもよいのかと思ったしだい。ちなみに、東京落語「愛宕山」だと、秋で演るという型になっているのかなと思って、古今亭志ん朝の「愛宕山」を聞いてみると、やはり同様の一八の台詞のところでは、「緑のなかに花がまじって……」と言っていた。してみると、志ん朝は春で演っている。

ちなみに、この生志の高座は10月という秋たけなわである。だから、生志は「紅葉が……」と演ったのだろうか。もしかして、これを春の高座で演るときには、志ん朝のように「花が……」と演るのだろうか。臨機応変に演出できる落語なのかもしれない。
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