今日はインスタグラムでたまたま見かけた小原古邨展を見てみた。
どうして気になったかというと、動物の絵がかわいらしいからである。
場所は太田記念美術館である。
現地につくと混みあっているとの貼り紙が。
人気なんだなと思いつつ、でもせっかく来たので待たされようとも入館することにしました。
チケットを売る場所が10名ほど人が並んでいました。
少し待ちましたが、すぐに入館できました。
中には沢山の小原古邨の絵が飾られていました。
木版画のようである。
それにしても精密な絵である。
毛の一本一本まで表現されていて本当にこれは木版画なのかと疑うくらい。
しかし、背景には木目も映っており、木版画であるということがそこからも分かる。
インスタで見かけたときにはすっかり日本画かと思っていたので木版画ということに驚いた。
2階まである建物なのだけど、二階は人が多くて下手すると階段から人が落ちてしまうのではないかという状況になっていました。
小さな建物で、通路も人が二列でいっぱいになるような作りなので、人が多いと危険な状態になるようである。
係の人が「階段付近に立ち止まると危ないですので、奥にお進みください」と案内していました。
二階のすいているとこをから見ていたのですが、すると館内放送があり、
地下で学芸員によるスライドトークがあるとのことであった。
見ているのが途中ではあったが、興味があったので聞きに行くことに。
スライドトークでは、小原古邨についていろいろ分かりやすくトークしてくれた。
そして、そのトークを聞くうちに、小原古邨がどうして今まであまり知られてないのかということについても話がありました。
なんでも、小原古邨は浮世絵が下火になったころに、海外向けの浮世絵の原画を描いていた人らしく、だから日本でだ廻ることが少なく、外国に作品が残っているような状況であるんだそうです。
そして、小原古邨自身はそこまで絵が上手とは言えないのだけど、彫師、摺師の高い技術により、とても見ごたえある浮世絵(木版画)にしあがっているということである。
20代の若いころは、秋山武右衛門や松本平吉が版元で作品を主に外国に向けて作っており、
この二つの版元は新しい芸術性の高い版画を目指していたんだそうです。
だから本当に見ごたえのある作品と仕上がっています。
版画とは思えないほどの繊細さです。
そして、結婚してのち、昭和元年より渡辺庄三郎が版元でこれまた海外向けに刷られました。
面白いのは、若いころはバックは薄墨な感じで派手ではなかったのが、ここで派手になります。
実際の原画に対し、刷り上がりも見れるようになっていていました。
激しいものでは、原画の鳥は茶色なのに、版画は鳥が青いものもありました。
学芸員がいうのは、小原古邨が我が強い作家ではなかったこと、
また、あまり上手な画家でなく余白が多かったことが、このような技術の高い、
芸術性に優れた版画へとなったのではないかということであった。
小原古邨の作品は小原古邨だけで成り立つのではなく、
高い技術を持った彫師、摺師がいて成り立つのだと。
けど写実的だからいいってものでもなく、やはりこの小原古邨の描く生き物はかわいらしく、
それは小原古邨だからこその味なんですよね。
面白いのですが、たまたま同じ時期にこの小原古邨が茅ヶ崎美術館でも取り上げられ、
別に没何年、生誕何年でもないのに、同じ時期にするなんて、それも今まで、そんなに注目されてなかった人を同じ時期なんて珍しいことだという話もしていました。
日曜美術館で前半の特集で紹介されたらしく、こんな無名の作家を紹介するなんて珍しいことだとも話していました。
そんな影響もあってか、太田記念美術館はここ最近にしては珍しいほどの盛況ぶりなんだそうです。
トークショーも満席でした。
今週末で終わってしまうのだけど、なんとかかけこみセーフで見ることができてよかったです。
帰りに図録を買って帰りました。
このあとはせっかくだし・・・と思い、ボリス雑貨店へ。
レターセットを買いました。
すると、気になっていた「大哺乳類展2」のヒグチユウコさんデザインの割引引換券をくれました。
この展覧会、面白いのかなぁ?
館内にヒグチユウコさんの作品も飾られているらしいので、行けたら行ってみたいと思います。