「空海千響」という、第106回民俗芸能公演であり、
「日本の太鼓」三十回記念公演でもある演奏会を
国立劇場へ聴きにいってきました。
国立劇場は二度目です。
全体の感想としましては、新しい世界を見た!って感じで
面白かったです。行ってよかったなぁと思っています。
日本人の粋を感じました。
今回は二階席だったんですが、二階席でも実に舞台がよく見えるんですよね。
傾斜がかなりあるので、前の人は全然邪魔にならないし、
席がゆったりしていて隣の人が気にならないのもいい。
さて、公演の内容ですが、私は仕事の関係上、5分ほど遅れて会場に
着いたんですが、公演はすでに始まっていました。
会場に入ると舞台だけでなく、会場も明るくて席は探しやすかったものの、
こんなに明るい状態でやるんだぁと驚いてました。
(ずっと明るかったわけでなく、演目によって会場暗くなりました。)
第一部と第二部と分かれていて、間20分の休憩でした。
プロの人と保存会の人とで交代に演奏していく形です。
私が着いたときは、第一部のまだ一番目の保存会の人たちの演奏でした。
緊張しているのか、会場慣れをしていないのか、お年寄りが多いのも
あるかも知れないけど、なんかリズムがまったりバラバラしていて・・・。
しかし、二番目はプロの演奏で格好よかったですよ。
和太鼓をドラムのスネークのように早く四人の男の人が叩くんですよね。
横一列に正座して、上は白のタンクトップで下は派手めな渋い袴。
で、若い人たちで、体を鍛えた人たちだったの見た目も様になってました。
それで、強弱をつけて、四人でハーモニーを奏でるんですけど、
ひとつの太鼓でこれだけ音がでるものなのか?と驚きました。
あと、それぞれが交互に強弱をつけることでの変化もすごく面白かったです。
あと、打ち方は和太鼓の基本は押さえているので、
腕をすごく打ったあとに高く上げるんですけど、
スピードがとにかく速くて、マシーンのようでした。
その演奏がすむと、続きで今度はその人たちが大きな和太鼓を
ひとつ持ってきて、横に倒してほぼ床の上にただ置いた状態にして、
四人でそれを叩く演奏となったんですけど・・・・。
こっちは私的には少しいまいちでした。
だって、ばちに青と白のフサフサがついてるんですよ。
「ドンドンドン、フサフサフサフサ、ドンドンドン、フサフサフサフサ」
両手を挙げてばちをフサフサしている姿が、ちょっとカッコいい
格好ととってもミスマッチでつい、笑いそうになってしまいました。
お遊戯っぽいんだもん。
・・・でも、多分、うけ狙いではないと思います。
そのあとには、梁川鹿踊(やながわししおどり)でした。
これはすごくキュートでかなりお気に入りです。
隣の人もそのキュートさに、何度もクスリと笑ってました。
鹿(しし)に扮した人が十人くらい出てきたんですけど、
二足歩行で太鼓を腰につけて・・・なんかすごくユニークな
いでたちなんですよね。
両肩からは何メートルあるんでしょうか?(長さ3m幅10数cmくらいかな?)
長~い撓(しな)るまっすぐ縦長な白い角(?)が二本生えているんですよね。
(もしかして腕?よく分かりません)
それでお辞儀をすると、その角が撓って床を打つ。
その音も打楽器(パーカッション)の音として使っているんです。
そのお辞儀する姿もすごくかわいいんですよね。
写真を撮りたかったですよ~~、本当に。
どんな姿かを解説をそのまま、ここに書き出しますと、
「鹿角を横に張り出した獅子頭に、長い髪采を豊かにたらし、
上半身を麻の前幕をもって覆い、下は大口袴。
頭上に赤地の太く大きい華まん結びを配し絵柄の流しを
後ろにたらし、背に長いササラを背負い、腰太鼓を斜めにつけ、
二本の細いばちで、自らならし、歌い、踊るところに特徴があります。」
専門用語バリバリで意味がわかんないよ~。
音にあわせてコク、コクと首を横にかしげたり、
右、左向く姿もすごくかわいかったです。
梁川鹿踊については、岩手県文化財愛護協会やアジア&いわて 元気フェスタ
に小さいですが写真と解説が載っています。
会場ロビーではばちが売られてたりしました。
そのほかには、和太鼓関係のCDや書籍が売られていました。
あとですね、私は先日、佐原へいたんですけど、
佐原囃子もありました!
すごく聴いていて心地よかった~~~~。
レベル高いなぁと思って聴きました。
あとは、普段は表に出ない歌舞伎囃子の人たちの演奏やら、
(どっからあんな声が出るんだろう?っていくらい「いよぉ~~~」
って声高いですよね。ここでは歌舞伎と同じように、二階席から
掛け声が飛んでました。)
プロの演奏が、二幕ではほとんどあったんですけど、
私的には一幕の方が面白かったかなぁ。
ラストに客席天井の小さな四角の穴から、たくさんの紙ふぶき。
形がはっぱぽかったので、変わってるなぁと思い、終演後、
ちかよって見ると、印刷されているではありませんか!
どうやら蓮の花びらのようですね。
一番印象的だったのは、梁川鹿踊。
音楽的に一番よかったのは、佐原囃子でした。
歌舞伎囃子の人たちの演奏もよかったなぁ。
日本の伝統文化ってまだまだ知らないいいものがいっぱいあるんだろうな。
日本の粋を感じた公演会でした。