「あんまし面白くない」と意見を聞いていたので、
どんなものかなぁと思っていたのですが、私は結構面白かったです。
「ブレイブストーリー」と重なる部分もあるんですけど、
主人公のアレンもブレイブのワタル同様に自分の影が出てきます。
ワタルは自分の陰が影となっていて、それを受け入れることで
成長するというか、自分を受け入れられるんだけど、
ゲドのアレンは逆に、自分の陽の部分から逃げているんですよね。
陽のことを映画の中では光といっています。
光が影となってアレンを追ってくるんです。
それからとにかく逃げようとするんですよね、アレンは。
しかし、彼もそれを受け入れることで、自分を受け入れることができる、
自分に自信が持てるようになる、自分を好きになれる、
そして、人に優しくなれるんですよね。
最近は、こういった「自分を受け入れる」といったテーマの作品が
多いのでしょうか?
自分を不安に思う人、自分を人と比べる人、人のいいなりになってしまう人、
自分を安く人に売る人、・・・・などなど、そんな人が今の世の中には
多いのかもしれませんね。(私も含めてですけど)
しかし、それではいつまでたっても自分に自信がもてないし、
自分を好きにはなれない。
そして、それは人を受け入れることができないということにも繋がるんですよね。
そういったことが、最近の信じられない事件の発端かもしれない。
最近、とある本を読んでいるんですけど、それがこの「ゲド戦記」の
言いたいことがすごくリンクされて、台詞台詞で結構涙腺きました。
「均衡」って言葉もたくさん出てきましたが、
人の心は陽だけでも陰だけでも成り立たないものなんですよね。
その両方があってこそ、心の安定はあるように私も思います。
命の大切さも描いてました。
「永遠の命を得ようとするのも、命を粗末にするのも変わらない」
という台詞があって、これいいなぁと思いました。
そう、そのどちらとも今を大切に生きようと思ってないんですよね。
それと諦めないことも描かれてたなぁ。
諦めていればそれは叶うことのないことだけど、
諦めないで目的に向かって強く生きることは、
それを可能にする希望があるんですよね。
小学生などの子供には難しい作品なのかなぁと思いましたが、
中学生、高校生あたりには見てほしい作品だなぁと思いました。
もちろん、大人がみてもいろいろ感じるんじゃなかろうか。
ということで、結構面白い作品でしたよ。
最後に、挿入歌の「テルーの唄」いいですよね。
最後の歌詞だけのっけときます。
本当に自分のすべてを分かってくれる人などはいない。
マイナスの意味ではなくてね。
だから、それに囚われることはないんだよね。
誰しも孤独なんだから。
人影絶えた野の道を私とともに歩んでる
あなたもきっと寂しかろう
虫の囁く草原をともに道行く人だけど
絶えて物言うこともなく
心を何にたとえよう 一人道行くこの心
心を何にたよえよう 一人ぼっちの寂しさを
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