映画「桐島,部活やめるってよ」を昨日見てきました。
ネタばれありのなので,注意。
かつ,かなり偏見ありな感想な気もします。
ますは,この映画の構成が面白い。
「金曜日」が最初何度も繰り返される。
いろいろな人の視点から繰り返し,繰り返し。
そうすることで,桐島という存在がみんなにとってどうなのか,とか,
それぞれの人間関係,あるいはそれぞれが考えていることも
なんとなく見えて繋がってくる。
たぶん,上手な組み合わせになっているんでしょうね。
見ながら,「ああ,こう繋がっているのかぁ」と見れたので。
繰り返さない曜日もあるんですよ。
最強の存在であるかのような桐島。
その桐島を取り巻く人々。
たぶん,見る人によってクローズアップされる人が違ったりするのかな?
私はあのなかで一番感情移入できるとしたら,菊池宏樹かなぁ。
桐島の親友で,かつ,宏樹も結構いろいろ才能がある人なんですよね。
なんでもそつなくできるっていうか。
(あ,自分がそうだっていうんじゃないですよ)
でも,せっかく才能があっても,宏樹は夢がない人なんだと思うんですよね。
だから,野球部の部長が夜に一人練習をしている姿をみて,
試合に出たい気持ちになったり,映画部の前田が夢を語っているのを聴いて,
うちのめされたんだと思うんですよね。
やっぱ,生きていて最強だなぁと思うのは,好きなことがあって,夢がある人だと
私は思うんですよね。夢・・・信念,志っていうのかな?
私自身,結構,地盤が揺らいでて。
何を信念に(夢に)生きているのかが曖昧になっているんですよね。
でも,最近,それではいけないなと思っていて。
最後に,宏樹は桐島に電話します。
そこで,この映画は終わるんですけど・・・あ~,この最後の当たりにかけて,
なんか左後ろの人が独り言が激しくてそっちに意識をもっていかれてしまい,
ラストがしゃんと見れてないんですよね・・・。
私の勝手な解釈だけど,宏樹は自分の弱さを受け入れることで,
桐島の弱さも感じたのではないのかなぁと思うんです。
桐島という人間を見ようとしていた人がどれだけいただろうかと。
どの人も桐島にすごく期待過剰な気がします。
桐島はそれに応えることに疲れたのではないだろうか。
そして,弱い自分を誰にも見せることができなかったからこそ,
誰にも相談せず,いきなり部活をやめてしまったんじゃないだろうか。
それに宏樹は気づいたんじゃないだろうか。
なんでもできるから強いわけでもないし,幸せなわけでもない。
人が羨む存在であっても,決して本人がそのように感じているとは
かぎらないんですよね。
前田は好きなことがはっきりしていて,夢もあって,また,その夢に,
ついてきてくれる仲間もいて,才能も多少感じられて。
たぶん,この映画の中で,人生を一番幸せに過ごせているのは前田。
そう思いました。
恋愛麺では少し苦い思いをしてましたが・・・。
それも思春期特有のいい感じですよね~。(んなことないか?汗)
思春期のなんともいえない感じを上手に描いた作品なように思います。
私自身も思春期のときに抱いていた,なんとも苦しい気持ち。
昔は,その気持ちを忘れず,何かの形で同じように苦しむ人たちの
助けになることをしたいと思っていたはずなのに,
そのときの気持ちを忘れているし,今現在,助けになんて考えてる余裕がなく。
しばらく昔を思い出しつつ,その当時の気持ちを思い出せたらなぁと思ってます。
そうすれば,今,自分は何を志にして生きればいいのかわかるような気がします。