多少、ネタバレありです。
なんとなく面白そうと思って見に行きました。
ラスト、かなり意表を突かれた感じで終わります。
え?終わり?ってな感じに。
ほかの人の感想を読むと、みんな宇宙人と思い込んでるだけでないかという意見もありました。
確かにそうとも受け取れる。
けど、もし本当に魂だけ宇宙人だとして考えるなら・・・
それはそれでつじつまが合うのかも。
もしかしたら、世の中、無理につじつまなんて合わせなくてもいいのかもしれないけど、
ついつい理解できないものは何かしらつじつまを合わせたくなってしまう。
本当はわからないってものがたくさんあってもいいんですよね。
でも、それでは人は理解できずに消化不良となる。
ラスト、宇宙船から自分と地球上での自分を見つめる主人公。
私は、彼の火星人としての魂が、抜け出て宇宙船で火星に戻っていると受け取りました。
任務終了お疲れ様と宇宙船から声がする。
しかし、主人公は窓の外の地球を必死に見ようとする。
なにか忘れ物ですかと宇宙船は話しかける。
しかし、主人公はそれにこたえる出なく、自分の家族と自分の姿を必死に見る。
水星人という政治家の秘書は言いました。
「本当にきれいな水には微生物は生きられない」
水、つまり地球を指しています。
そして、微生物、それは人間を指しているように思える言い回しでした。
水星人は人間の破滅を速めて、地球を本当の意味での再生化を図ろうとしている。
しかし、主人公(火星人)はきれいな地球を願いつつも、人が生み出した公害的な部分だけでなく、
人間が作り出したネオンの美しさ、人間の心の美しさに心動かされているように思いました。
もちろん、人間によっていろいろと地球上に問題は起きている部分もあるだろう。
けど、けして問題だけでない。
人間がいるからこその美しさもあるのではないかと思えるラストだったように思います。
水星人が言っていたけど、たぶん、永遠はなくて、地球はきっと今までにも何回か、
再生を行ってきているのだろう。
人間がどうこうというのとは関係なく、大きな流れがあるのだろう。
けれども、自分たちがよりよく暮らすための努力はするべきではないだろうか。
実際に今を生きているのだから。
何を美しいとするか。
そんな問いを投げかけてもいるのかなぁと思える作品でした。