写真家がすべきカラーマネジメントVol.4
さて前回まで4回にわたり「カラーマネジメント」CMSについて書いてきました。
そこでモニターの調整まで、市販のツールを使いきちんと出来たとします。
さて部屋の照明が電球なら?
あるいは普通の蛍光灯では?
はては今はやりのLEDの照明?
どんな色で見えるでしょうか???
人間の眼というのは、
素晴らしいオートホワイトバランス機能を持っています。
世界最高のカメラを今後どんなに作り続けても、
絶対に眼には勝てないでしょう・・・。
それほどどういう光源下にあっても、
白いものを白く見る機能に優れています。
ただしそれゆえに問題もあります。
絶対評価が出来なくなるのです。
要するにAとBを比較して違いを観る、相対評価という能力には優れていますが、
AまたはBだけの絶対評価は出来ないのです。
よって電球の真下で、ずっとモニターを見ていると、
そこに映る画像の色が正しい色に思えてきます。
というよりそう判断するしか出来ないのです。
実際にはかなり赤の強い色を見ていたとしても、
それが能では認識出来ないのです。
人間の眼で撮影画像のデータを正しく観るためには、
高演色性ライト(色を正しく見るための光源)が必要で、
その下でだけ正しい情報を見ることが出来ます。
実際には、私の周りにいるアマチュア写真家で、
環境光まで気を配っている方はまずいません。
せっかく素晴しいモニターを買っても、
高価な測定器を用意しても、
それでは意味がありません。
そこまでの準備は50%!
環境光の整備が50%です。
しかもこれにはお金があまりかかりません。
まず既に蛍光灯をお使いの方であれば、
1本1,000円位の高演色性の蛍光灯に換えるだけです。
私が使っているのは、
パナソニックの演色AAAの蛍光灯で「リアルクス」昼白色の20Wです。
色温度はだいたい5,000Kです。ネットで買えば1本900円以下です。
ちなみに型番は、「FL20S・N-EDL」
また現在電球を使用されている方には、
少し価格が高いですが、「スパイラルライト5500K」がお勧めです。
私はプリントを見る際に必ず使用していますし、撮影時にも照明として使います。
最も太陽光に近く素晴らしい光源です。
最後に私は以前書きましたように、
モニターを2台同時使用しています。
1台は白色点6500Kにして撮影画像データを見るため、
もう1台は白色点をプリント用紙の白さに合わせて設定し、
色見本としてのプルーフ印刷のために使用しています。
以前紹介しましたツール(測定器)を使いますと、
白色点を自分がプリントしたい用紙の白さに合わせることが出来ます。
これはプリントにおいては大切で、用紙によって白さ、白色度が違いますから、
通常自分が使うペーパーの白色点を使う事で、
より正確にモニターと印刷した色を合せる事が出来るようになります。
また上で書きましたように、
我々の眼は、2台のモニターの違いを比較するような、
相対評価には大変優れた機能を発揮します。
絶えず2台のモニターを見比べることで、
目の欠点である「絶対評価が出来ない」という部分を補い、
素早く確実に撮影データと印刷される結果とを比較できます。
私のようにPCまで自作しますと、
グラフィックボードを自在に選べますので、
2台のモニターを1台のPCで、それぞれにプロファイルを当てて使用可能です。
もちろん現在市販のPCでも、複数モニターを同時に使用できるはずです。
ただそれぞれのモニターを個別に調整して、別々なプロファイルを付けれるか?
そこだけ確認して下さい。
目の前で、撮影した画像データの色と特定用紙に印刷した場合の色を、
同時に比較できるのは大変便利で役立ちます。
しかしいずれにしましても、
一番大切な事は、撮影した画像の情報をまずは正しく見ることです。
それが出来れば、自分が望む現像は素早く簡単に出来ます。
モノクロ画像を作る際にも、正しい露出、コントラスト、諧調等が分かれば、
現像しやすい事は言うまでもありません。
次の画像などは、元のカラー画像から10分もあれば作れてしまいます。
★「Snow hill of spring」
またカラー画像は、撮影時の色が分かれば、
写真家が表現したい「イメージカラー」を自由自在に表現できます。
次の画像などはまさにその良い例です。
元画像の色が正しく理解されていればこそ自信を持って表現出来ます。
★「Bloomy hill」
さて5回にわたって書きましたが、少しはお役に立ちましたでしょうか?
写真家にとって写真術とは?
1、撮影技術
2、現像技術
3、プリント技術
私は大きく3つに分けています。
その中で2と3は「カラーマネジメント」をきちんと理解されていないと、
いつまでたっても不完全なままです。
★カラーマネジメントは写真家にとって最も大切な「現像設備」なんです。
ぜひこれを機会に、カラーマネジメントについても学習して頂き、
撮影だけではなく、撮影後の画像についても正しい情報を見て頂ければと思います。
そうされることで、今まで何となくしてきた現像に対して、
もっと確実に自信を持って行えるようになります。
当然それは「写真家」としても自信を持てる事につながります。
今回のテーマで皆様がカラーマネジメントを始めるきっかけになれば何よりです・・・。
そして一人でも多くの方が撮影データの情報を正しく見れる事になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。
ブログ村「フォトエッセイ」・「写真講座」ランキングに参加しております。
写真や内容が気に入って頂けましたら一票投票お願いします。
下記「フォトエッセイ」または「写真講座」ボタンクリックで一日一回だけ投票できます。
ご注意!!
画像の無断転載は法律違反で犯罪です。あくまでも閲覧だけにして下さい。
紹介させて頂いた画像を勝手に使用して、
もし著作権上のトラブルが起きましても当方は一切関知致しません。
またもしそういう行為を発見致しましたら、ネット・ポリスに通報致します。
ご了承ください。
さて前回まで4回にわたり「カラーマネジメント」CMSについて書いてきました。
そこでモニターの調整まで、市販のツールを使いきちんと出来たとします。
さて部屋の照明が電球なら?
あるいは普通の蛍光灯では?
はては今はやりのLEDの照明?
どんな色で見えるでしょうか???
人間の眼というのは、
素晴らしいオートホワイトバランス機能を持っています。
世界最高のカメラを今後どんなに作り続けても、
絶対に眼には勝てないでしょう・・・。
それほどどういう光源下にあっても、
白いものを白く見る機能に優れています。
ただしそれゆえに問題もあります。
絶対評価が出来なくなるのです。
要するにAとBを比較して違いを観る、相対評価という能力には優れていますが、
AまたはBだけの絶対評価は出来ないのです。
よって電球の真下で、ずっとモニターを見ていると、
そこに映る画像の色が正しい色に思えてきます。
というよりそう判断するしか出来ないのです。
実際にはかなり赤の強い色を見ていたとしても、
それが能では認識出来ないのです。
人間の眼で撮影画像のデータを正しく観るためには、
高演色性ライト(色を正しく見るための光源)が必要で、
その下でだけ正しい情報を見ることが出来ます。
実際には、私の周りにいるアマチュア写真家で、
環境光まで気を配っている方はまずいません。
せっかく素晴しいモニターを買っても、
高価な測定器を用意しても、
それでは意味がありません。
そこまでの準備は50%!
環境光の整備が50%です。
しかもこれにはお金があまりかかりません。
まず既に蛍光灯をお使いの方であれば、
1本1,000円位の高演色性の蛍光灯に換えるだけです。
私が使っているのは、
パナソニックの演色AAAの蛍光灯で「リアルクス」昼白色の20Wです。
色温度はだいたい5,000Kです。ネットで買えば1本900円以下です。
ちなみに型番は、「FL20S・N-EDL」
また現在電球を使用されている方には、
少し価格が高いですが、「スパイラルライト5500K」がお勧めです。
私はプリントを見る際に必ず使用していますし、撮影時にも照明として使います。
最も太陽光に近く素晴らしい光源です。
最後に私は以前書きましたように、
モニターを2台同時使用しています。
1台は白色点6500Kにして撮影画像データを見るため、
もう1台は白色点をプリント用紙の白さに合わせて設定し、
色見本としてのプルーフ印刷のために使用しています。
以前紹介しましたツール(測定器)を使いますと、
白色点を自分がプリントしたい用紙の白さに合わせることが出来ます。
これはプリントにおいては大切で、用紙によって白さ、白色度が違いますから、
通常自分が使うペーパーの白色点を使う事で、
より正確にモニターと印刷した色を合せる事が出来るようになります。
また上で書きましたように、
我々の眼は、2台のモニターの違いを比較するような、
相対評価には大変優れた機能を発揮します。
絶えず2台のモニターを見比べることで、
目の欠点である「絶対評価が出来ない」という部分を補い、
素早く確実に撮影データと印刷される結果とを比較できます。
私のようにPCまで自作しますと、
グラフィックボードを自在に選べますので、
2台のモニターを1台のPCで、それぞれにプロファイルを当てて使用可能です。
もちろん現在市販のPCでも、複数モニターを同時に使用できるはずです。
ただそれぞれのモニターを個別に調整して、別々なプロファイルを付けれるか?
そこだけ確認して下さい。
目の前で、撮影した画像データの色と特定用紙に印刷した場合の色を、
同時に比較できるのは大変便利で役立ちます。
しかしいずれにしましても、
一番大切な事は、撮影した画像の情報をまずは正しく見ることです。
それが出来れば、自分が望む現像は素早く簡単に出来ます。
モノクロ画像を作る際にも、正しい露出、コントラスト、諧調等が分かれば、
現像しやすい事は言うまでもありません。
次の画像などは、元のカラー画像から10分もあれば作れてしまいます。
★「Snow hill of spring」
またカラー画像は、撮影時の色が分かれば、
写真家が表現したい「イメージカラー」を自由自在に表現できます。
次の画像などはまさにその良い例です。
元画像の色が正しく理解されていればこそ自信を持って表現出来ます。
★「Bloomy hill」
さて5回にわたって書きましたが、少しはお役に立ちましたでしょうか?
写真家にとって写真術とは?
1、撮影技術
2、現像技術
3、プリント技術
私は大きく3つに分けています。
その中で2と3は「カラーマネジメント」をきちんと理解されていないと、
いつまでたっても不完全なままです。
★カラーマネジメントは写真家にとって最も大切な「現像設備」なんです。
ぜひこれを機会に、カラーマネジメントについても学習して頂き、
撮影だけではなく、撮影後の画像についても正しい情報を見て頂ければと思います。
そうされることで、今まで何となくしてきた現像に対して、
もっと確実に自信を持って行えるようになります。
当然それは「写真家」としても自信を持てる事につながります。
今回のテーマで皆様がカラーマネジメントを始めるきっかけになれば何よりです・・・。
そして一人でも多くの方が撮影データの情報を正しく見れる事になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。
ブログ村「フォトエッセイ」・「写真講座」ランキングに参加しております。
写真や内容が気に入って頂けましたら一票投票お願いします。
下記「フォトエッセイ」または「写真講座」ボタンクリックで一日一回だけ投票できます。
ご注意!!
画像の無断転載は法律違反で犯罪です。あくまでも閲覧だけにして下さい。
紹介させて頂いた画像を勝手に使用して、
もし著作権上のトラブルが起きましても当方は一切関知致しません。
またもしそういう行為を発見致しましたら、ネット・ポリスに通報致します。
ご了承ください。
赤は普通の人にとっては赤ですが、紫みの赤、黄みの赤・・・その間に無段階の差があります。
訓練で見分けられるようになります。
私も会社(顔料・色材製造)で学ぶまでそのようなことを知りませんでした。
色相、明度、彩度、 それを演色する照明。
製造現場のラボと品質検査部門ではキセノンランプを使用してます。
それに近いのは、快晴の日の北窓。
私は写真に関しては素人レベルですので、露出やホワイトバランスが重要であることは一眼デジを買った10年前に知った次第です。
フィルム時代はコンパクトで撮影するだけでした。
SNSとこのブログで、PC、デジカメに関してプロ、ハイアマならば知らなければならない事柄が判り勉強になり感謝しております。
(今でもD70です・・・D80まで待つか買いかえれば良かったと思ってますが、D80の後継機以降の普及帯はホールド間、重量バランス、シャッター音等が嫌で買う気になれません。
素人レベルには800g以上は重過ぎて普段使いずらいですので。)